森友事件雑感
日本が森友学園報道一色の裏では、中国が着々と公船を大型化し尖閣諸島での領海侵犯を増やしてきている。
北朝鮮はミサイルを日本の排他的経済水域に4発のうち3発を撃ち込んできている。
そんな日本の危機的状況でも、日本のマスコミも民進党も共産党も狂ったように森友学園報道一色である。
呆れるばかりである。
きょうも、読み忘れていた(農と島のありんくりん)を紹介します。
農と島のありんくりん
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/
移り変わる自然、移り変わる世情の中で、真実らしきものを探求する
森友事件雑感
今回の森友事件で教訓めいたものを出すのは早い気がしますが、雑感だと思って下さい。
いままでこの拙いブログにおつきあい頂いた皆さんは気がつかれていると思いますが、私はリアリステックな保守です。
少なくとも、そうでありたいと考えています。
右翼とは一線を画します。というか、共有する部分が一定あるだけに、そうとうに彼らはたまらないと思っています。
籠池理事長とその夫人、長男、長女を見ていると、揃ってまるでアダムス・ファミリーのようです。
初めて森友学園の写真をみた時、水兵服調の制服、教育勅語、海軍旗など、なんともうすら寒い気分になったことを思い出します。
私は歴史的な流れの中で教育勅語がどうであったのか、日本海軍がどのような存在だったのかを考えることは厭いません。
しかし、大日本帝国や帝国海軍が復活してほしいとはまったく思わないし、天皇が元首になることも、帝国憲法が復活することにも批判的な立場です。
というか、何を考えているのか、この人たちは、というのが偽らざる私の感想です。
日本会議系の一部の人たちの言説を聞いていると、こういうファンタジーを言っている人が憲法改正を主張したり、安倍政権を支持するのはかんべん願いたいと思ってしまいます。
第1次政権時の「戦後レジュームの脱却」路線の失敗をもっとも深刻に総括しているから、いまの安倍政権があるということに、彼らは気がついていません。
いまの安倍氏は大日本帝国の再現を願うような復古主義者ではなく、キャサリン・ケネディが評したように「リアリスト」です。
稲田氏を起用した理由は、女性登用が主眼であって復古思想が共通だからではありません。
むしろ稲田氏は、安倍氏最大の政敵である財務省の「ご説明」にもっともまともに影響されてしまった人で、強烈な財政規律主義者です。
閣僚の間は口にはしないでしょうが、アベノミックスには否定的なはずです。
今回、私が稲田氏がらみで残念に思うのは、このような未熟な政治家を9条がらみの防衛大臣に抜擢したことです。
本来、いま防衛大臣がなすべきなのは、尖閣、北朝鮮の弾道ミサイル、あるいは南スーダンPKOが、憲法9条2項では対処できないということを国民に現実を踏まえて問題提起することだったはずです。
稲田氏のような幼稚な政治家を任用したことで、安倍氏の改憲への意志まで疑問符がついてしまいました。
さて、私の愛読書に、エドモンド・バークの『フランス革命の省察』(佐藤健志訳)という本があります。
この本は私に強い影響を与えました。
バークが批判しているのは「急進主義」です。
チャプターのタイトルを見るだけで、内容はあるていどお分かりいただけると思います。
「フランス革命と名誉革命は違う」「過去を全否定してはいけない」「人間はどこまで平等か」「革命の暴挙を批判する」「フランス革命は不要だった」「改革はゆっくりやるほうがいい」「メチャクチャな新体制」「社会秩序が根底から崩れる」・・・。
急進主義は短期間に急激に社会を変革しようとする思想ですが、実は現代日本においてはびこっている流行思想です。
民主党・鳩山由紀夫首相の「友愛」に基づいた「政権交替」、あるいは自民党・小泉純一郎首相が「自民党をぶっ壊す」として始めた「改革」はその典型です。
はたまた、今の小池劇場などを見ると、またぞろ急進主義が復活したかと思いました。
彼らの考え方の根っこにあるのは急進主義です。
左翼リベラルの急進主義は、反安保・反原発・移転阻止・反基地など、どれもこれも急進主義一色なので見えやすいのですが、自民党や保守層の中にもあります。
小池都政が妙に共産党と親和性があるのは、その急進主義の根が共通しているからです。
保守急進主義は、かつてあった栄光の復元です。それがなまじかつて現実に実在していたものの復古ですので、見えにくいだけです。
しかし、言っている内容は正反対ですが、同根です。
エドモンド・バーク
共通するのは、訳者の佐藤氏の表現を借りれば、「正しい目標を目指す限り、社会の変化は抜本的であればあるほど良く、また急速であるほうがよい」とする発想です。
これは根本的な人間理解の浅さから来ています。人間が理性的な存在であるという強い思い込みがあるからです。
バークは政治は「理論上はうまくいくはずだから大丈夫というものではない」と述べています。
いくら理想的に見える政策を掲げたからといって改革を実践する過程で失敗する場合が多いのは、実施するプロセスにおいて副作用や、反発、無駄なコストが積み上がっていくからです。
社会に大きなストレスをかけて失敗した「改革」など、掃いて捨てるほどあります。
そしてひとたび急進主義的「改革」に失敗すると、その後に来るのは社会秩序の混沌です。
たとえば鳩山氏の「友愛革命」が「最低でも県外」政策を生み、いままで積み上げた議論をチャブ台返ししたあげく1年間に渡って迷走し無残に失敗したことを思い出せば分かりやすいでしょう。
その結果生れたのは沖縄社会の混沌であり、その中から「翁長知事」というミニ妖怪を生み出していまに至っています。
壊すのは一瞬。その修復には10年かかるのです。
バークはこう言います。
「長年にわたって機能してきた社会システムを廃止するとか、うまくいく保障のない新システムを導入するとかという場合は『石橋を叩いて渡らない』を信条としなければならない」
バークは、「人間が正しい社会の変革の方法論を知っている」という迷妄から醒めろと警告します。
さて、大日本帝国の徳目を教育方針に掲げた籠池氏ですが、自らの行動によって「金をもらった」「夫人にはよくしてもらった」という恩義まで、逆手にとって安倍氏を攻撃しているようです。
こんな人物に教育勅語を教えてもらった子供たちが気の毒です。
「100万もらった」か否かなどは、私にはどうでもいいことです。
民進党さん、これだけ騒げば、ニセメール事件ていどでは済みませんよ。知ったことじゃありませんが。
仮に籠池氏の言うのが真実だとして、籠池氏から献金を受けたならともかく寄付したのですから、なんの法律にも抵触しません。
問題なのは、籠池氏のような忘恩の輩が大日本帝国の復活を主張していることです。
しかしまぁ、ああまでひどいキャラには久しぶりに出会いましたね。ふゆみさんが「右の吉田清治」と評したのには腹を抱えました。ビンゴです。
■蛇足 籠池氏が「安倍氏から100万貰った物証」として出してきて、菅野完氏がアップした、「証拠写真」ですが、これがなかなか傑作です。
そもそも振込済み控え(※)用紙は振り出し人のほうが、手元に残すものじゃなかったっけ。
ナンデ振り込まれた籠池氏が持っているの。
※追記 振込用紙ではないとのふゆみさんのご指摘でした。
安倍氏の手元になければいけないもので、籠池氏は盗んだのでしょうか。ご教示に多謝。
したがって、現時点で籠池氏の手元に振込済み控えがあるということは、籠池氏が安倍氏の自宅に侵入して盗んだということになります。
嗚呼、籠池さんどんどん罪が重くなるぞ(爆)。警察、早く公文書偽造で逮捕して楽にしてやって下さい。
次にくだんの振込用紙の写真は、「安倍晋三」と書いたが、郵便局員から訂正を求められて受け取ってもらえず、今度は「匿名」の漢字がわからずに左上に試し書き。(←「匿名」の右横の「大」みたいな部分)
お気の毒に「匿名」もダメと言われて(ありりまえだつうの)、今度は「(学)森友学園」と書いているというわけらしい。
この人、詰んだね。
すごい「証拠」があったもんだね。
※菅野氏の談話https://news.yahoo.co.jp/byline/suganotamotsu/20170317-00068806/
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