アイコン 博多駅前陥没 福岡市「一切責任なし」と 大成JVの責任主張

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設計前に行うボーリング(地盤)調査は福岡市が行っている。
福岡市が設計し、ナトム工法を指定して入札にかけている。

福岡市交通局は31日、JR博多駅前の道路陥没事故で国の第三者委員会が原因究明と再発防止の最終報告書を公表したことを受け、事故のため一時営業できなくなるなどした事業者への補償について「民法と今回の工事請負契約に従い、施工者である大成建設共同企業体(JV)に全額を負担してもらう方向で協議を始めたい」と表明した。

第三者委が30日に公表した最終報告書は、工事の発注者である市と施工者の大成建設JVの責任は明確にしていない。
大成建設九州支店は取材に対し「今後、市との協議になると考えている」と述べた。

事故は、平成28年11月8日早朝、市営地下鉄七隈線延伸工事中に起きた。
福岡市交通局は工事発注者として、損害賠償責任を負うような設計・監督上の過失はなかったと主張した。
福岡市によると、事故に伴う補償協議は30日時点で449件あり、うち賠償額の合意に至ったのは34%に当たる154件で約3億円分。まだ66%が残っている。
福岡市は、工事再開に向け、最終報告書の指摘を踏まえて有識者らでつくる技術専門委員会の助言を仰ぎ、採用工法と再発防止策を盛り込んだ事故報告書を国に提出する考えも示した。
以上、報道参照

大成建設は、これまで福岡市や九電などの大きな仕事で関係も深い。福岡市を敵に回したくないならば、争いごとをやめる可能性が高い。(福岡タワーや博多リバレインも大成JV)
しかし、こうした問題は、今後とも全国のどこでも生じる可能性があり、ゼネコン側も前例は回避したいと思われる。
ボーリング調査を精査せずナトム工法で設計したのは福岡市であるが、この間も、大成建設JVが100%悪しと誘導すべく、市当局が多くの内部情報をマスコミにリークし、その都度マスコミが大成悪しの報道をしてきた経緯がある。

ただ、今回の問題は陥没費用だけの問題ではなく、水没している現場の復旧作業だけでも莫大な費用がかかると見られる。
また、水没現場にある掘削や土砂運搬用などの各種機械類も使用不能と見られる。その損害額も半端ではないと見られる。
地下鉄の開通も遅れることが必至の状態、その損害の問題もある。

大成側には、高島市長が非常に懇意にしている麻生閣下の側や安倍首相側から、大成上層部に「(万能語である)よしなに」という圧力がかかる可能性も高く、大成側の負けかもしれない。

ただ、今回の問題だけを大成悪しで決着させ、大成JV側が工事を再開させたところで、再開に向けた費用や機械類の損失費用も半端ではない数値がはじき出される。

ゼネコン側の工事最終損失については、JV側が受注割合により、構成メンバーそれぞれが負担することになる。ゼネコンの100%負けでは、JV構成メンバーが怒る可能性も出てくる。

そうしたことから、陥没責任を大成JVだけに求める高島市長に対して、大成JVはかなりの抵抗を行うものと見られる。訴訟沙汰で最高裁判決がどう判断するかも興味があるが、次回の大型工事発注の優先権など、水面下で手打ちということもありうる。

過去の同地下鉄線の南天神駅の工事区間では鹿島JVが請け負い大損したが、今回、その延長工事は受注していない。損切りとなった。鹿島JVは福岡国際会議場も大赤字を出したが、鹿島JVの場合は、いずれもゼネコンの問題であり、今回のような地盤調査や設計の問題はなかった。

今回の陥没現場区間の工事設計は福岡市交通局となっている。しかし、実施設計をどこがやったのか明らかにされていない。
こうしたことから、目先の陥没にかかわる費用は大した問題ではなく、今後再開に向けた工事の問題が最も大きな費用問題となる。シールド工法に変更すれば工事予算も変わってくる。

<国交省の第3者委の指摘>
福岡市営地下鉄七隈線延伸工事のトンネル上部の岩盤層に「予測を超えた亀裂や弱い部分が局所的に存在した」と指摘した上で、「地下水などの強い圧力に対する安全対策が不十分だった」と結論付けた。
(1)岩盤層の潜在的な亀裂や弱い部分を適正に評価できなかった
(2)亀裂や弱い層が水みちとなり、局所的に水圧が掘削面にかかった
(3)岩盤の遮水性や水圧に対する耐力の限界について、工学的判断が不足していた
(4)止水のため地上からの薬液注入(地盤改良)を実施しなかった

第3者委は、工事について、現在のナトム工法ではなく、「シールド工法」を検討するよう求めている。
以上、要約

<工事概要>
1、案件名:福岡市地下鉄七隈線博多駅(仮称)工区建設工事
(博多2丁目先から博多駅中央街先)、
2、工事内容:工事延長L=279.3メートル
3、工事期間:平成25年12月5日~平成31年3月15日まで
4、落札額:112億9,800万円 (予定価格:113億5,091万3,700円) 99.50%
5、落札者:大成・佐藤・森本・三軌・西光JV
(チャンピオンは大成、それぞれの受注割合は不明)

[ 2017年4月 1日 ]
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