アイコン 川崎重工リストラ 日本での商船建造撤退 坂出と神戸に集約 +韓国造船業界

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川崎重工は、日本の新幹線技術を中国に売り渡し、造船技術も売り渡し、もはや、中国勢に太刀打ちできなくなり、日本では商船の建造を止めると発表した。

船舶海洋事業の不振が続いていた川崎重工業は3月31日、船舶海洋部門の大胆なリストラ策を発表した。
造船事業は継続するものの、商船建造は、国内から中国にシフトして現地合弁を強化する。国内の商船建造は坂出工場に集約、事業規模を約3割縮小し、海洋事業からは撤退する。

同社は、船舶事業の合理化について、昨年10月から構造改革会議で検討を重ねてきた。発表資料によると、最も企業価値向上に資する合理的で実現性ある施策と判断したという。
合弁している中国遠洋海運集団と戦略の共有や一体化運営のための事業を推進し,中国で商船建造を拡大発展させる方針を示している。

国内については、坂出工場に集約して資産削減が可能となり、投下資本を圧縮することができるとしている。
坂出工場では、ガス関連や環境負荷軽減技術を生かし、数量を絞りこみながら ガス関連船を中心に受注し、坂出工場は現在、売上高約1000億円が3割減の約700億円になる見通し。人材育成と技術開発などの拠点機能としても位置付けるが、受注量次第では坂出造船所も閉鎖する可能性は否定できないだろう。

ブラジル合弁造船会社ENSEADA INDÚSTRIA NAVAL S.A.で大損した海洋分野に関しては、進行中のオフショア作業船建造契約を履行し、その後は撤退するとした。
  一連の改革により、2020年度に税前 ROIC(投下資本利益率)8%以上の達成を目指す方針。
川崎重工は1月末の決算発表で、船舶海洋需要の低迷で受注高見通しを昨年10月時点から700億円引き下げて1兆3900億円としている。

川崎重工は、中国遠洋と1995年に折半出資で大型ばら積み船などを建造する南通中遠川崎船舶工程有限公司(NACKS)を設立し、2007年には49%出資して大連中遠川崎船舶工程有限公司(DACKS)も設立し、建造している。
今後は、新規設備投資を中国に限定するとしている。
以上、
原油安・資源安・商船の超大型化でバルチック指数は低迷を続けており、船会社の船舶発注は激減している。
韓国勢は、世界物流量の停滞による船舶受注量の激減、海洋構造物での大失敗、市況悪化で商船引取り拒否などにより、大損を露呈し、銀行管理下に陥っている。韓国最大の大宇造船潰瘍に至っては、今や国家管理で再建すべく、捨て銭を投資し続けている。
中国経済は、その規模が数年前より巨大になっており、負債比率も大きすぎ、成長率は粉飾でもしない限り回復することはありえない。
欧州も英EU離脱とトランプ圧迫でそれどころでない。
米国もトランプ政策をすべて実行に移すならば、米経済どころか世界経済まで大混乱に陥ることが必至。
今のところ、世界の物流が増加する明るい兆しはまったく見えてこない。

<韓国の造船業界>
2017年1月末現在の世界の造船会社別の受注残量(英クラークソン調べ)
1位は大宇造船海洋の玉浦造船所が638万4千CGT、91隻(標準貨物船換算トン数)
2位はサムスン重工業の巨済造船所が372万6千CGT、70隻
3位は現代重工業の蔚山造船所が334万2千CGT、69隻
4位は中国勢
5位は日本勢(今治造船)
6位は中国勢
総じて、世界の造船受注残量は減少し続けている。

韓国では、2014年6月には韓国勢の「STX大連」が経営破綻、2016年6月には親会社のSTX造船海洋が破綻している。中国でも多くの造船会社が破綻している。
韓国勢主要造船3社の一昨年・昨年の大赤字は主に、過去、初めて受注していた原油掘削の海洋構造物が完工してきたことによるものであった。
日本勢にしても川崎重工・IHIも海洋プラントで、三菱は懲りない客船建造によるもので、商船三井のMOL号では巨大コンテナ船のへし折れ沈没事故も発生させている。

因みに2015年3月末現在の世界の受注残は、1億1,113万CGTで、世界の受注残は毎月200万CGTずつ減少していると報道されていた。
国別の受注残は、中国が4,298万CGT、韓国が3,270万CGT、日本が1,979万CGTの順だった(英クラークソン調)。
これからも韓国勢大手3社の受注残が今日、いかに減少し続けているか見て取れる。(韓国のマスコミは、それでも造船会社別受注残では1~3位を独占していると自慢している・・・悲しい)

世界の発注量が激減する中、今や日本の商船三井が韓国勢に大量発注し、台湾勢のエバーグリーンが日本勢に大量発注してくれる時代だ。
川崎重工の中国勢も日本から大量受注しているのだろうか。
 

 

2016年末の国別造船手持残量
 
標準貨物船換算トン数
中国
30,000,000
 
日本
20,064,685
835
韓国
19,916,852
473
2015年末の韓国勢は3,108万CGTだった。/クラークソン調べ



<バルチック海運指数 過去10年間>

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<過去1年間>2016年8月31日、世界第8位の韓進海運破綻

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<川崎重工・坂出造船所のガス運搬船>

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[ 2017年4月 3日 ]
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