アイコン 2017年通販市場8.2%増の8.2兆円予想/富士経済

スポンサード リンク
 

富士経済は、EC(e-コマース:電子商取引)へ集約しながら成長を続ける国内の通販市場(B to Cの物販)を調査・分析した。その結果を報告書「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2017」にまとめた。

 この報告書では、国内通販市場をカタログ通販、テレビ通販、ラジオ通販、EC、その他の通販形態別、食品・産直品、健康食品・医薬品、ビューティ他、生活雑貨、アパレル、家電製品・パソコン、書籍・ソフト、その他の商品カテゴリー別に分析し、主要通販企業の事例分析とあわせて、今後の通販市場のトレンドを明らかにした。

<注目市場>
1.通販形態別(EC)市場(小売りベース)

 市場は、消費税増税前の駆け込み需要の反動減で失速した2014年を除き、近年も二桁以上の伸びを維持しており、通販市場の拡大をけん引している。
2015年は「Amazon.co.jp」の「Amazon Prime Now」など、上位企業を中心にユーザーの利便性を高める新たなサービスが開始された。2016年も引き続きサービスの拡充が進められ実店舗からの需要流入が続いており、市場は前年比11.8%増の7兆6,099億円が見込まれ、2017年には前年比8.5%増の8兆2,571億円が予測される。

 なお、スマートフォンやタブレット端末が普及したことで、各社ともこれら向けに最適化したECサイトの構築やアプリケーションのリリースなどを進めているほか、CVS店舗での商品受け取りや宅配専用ロッカーの設置など、受注形態や受取方法の多様化が進んでいる。

 市場は拡大を続けているものの、競合企業が増加していることなどもあり価格競争が激化していることや、また、日本の人口が減少する中で既存流通チャネルからの需要シフトも頭打ちとなる可能性が高く、伸びは徐々に低下していくと予想される。
しかし、近年は中高年・高齢者層においてもネット普及率が高まっていることから、こうした層のEC利用は着実に進むとみられる。
また、GMSやSM、家電量販店などでは顧客を囲い込むためECへの参入や実店舗と連携したEC事業強化が活発化するとみられる。

2.通販 商品カテゴリー別市場(小売りベース)
 市場規模、伸び率、共に大きいのはアパレル、家電製品・パソコン、書籍・ソフトである。食品・産直品も市場規模は大きいが、伸び率はやや鈍化している。
 アパレルは百貨店などの実店舗を持つ小売店や通販専業の総合通販企業がカタログ通販を開始したことで市場が形成された。
ネット普及による仮想ショッピングモールが開設され小規模なアパレル企業が増加し、ECが市場拡大をけん引するようになった。
その後、NB商品を扱う通販サイトが増加し、実店舗と同じ商品を通販で購入できる環境が整ったことにより購買層も広がり、市場は拡大が続いている。

2015年、2016年は既存顧客の購入頻度・単価向上や新規顧客の獲得に苦戦し実績を落とす企業も見られたが、ECで好調な企業が多く、市場は一桁台後半の伸びを示している。
市場は2017年も拡大するが、機能性下着などの高単価商材も市場内のアイテム数増加で価格の下落を招いており、市場拡大の阻害要因となっている。

家電製品・パソコンは総合通販企業や百貨店が販売を開始したことで市場が形成され、その後家電量販店に加えてパソコンメーカーがBTO(Build To Order)のビジネスモデルで参入を果たしている。
2011年、2012年はエコポイント制度終了や地上デジタル放送移行特需の反動、2014年は消費増税前の駆け込み需要の反動や増税後の消費マインドの低下により市場は伸び悩んだり、マイナスを喫したりしたが、その他の年は概ね順調に拡大が続いている。

2015年は「Amazon.co.jp」が「Amazon Prime Now」を、2016年はヨドバシカメラやビックカメラが即配サービスを開始するなど、上位各社がサービスの強化を進めたことで実店舗からの需要シフトはさらに進み、市場は順調に拡大している。

2017年は環境省が省エネ家電の販売実績に応じた補助金を支給していることもあり、省エネ家電の販売競争が激化するとみられる。
 書籍・ソフトは書店やCD販売店などの流通系企業がECサイトの運営を開始すると共に大手仮想ショッピングモールで書籍やソフトの販売が開始されたことで市場のけん引役がカタログ通販、テレビ通販からECにシフトし、「Amazon.co.jp」や「楽天ブックス」などの参入、サービスの強化が進むなど、市場は活性化し、拡大が続いている。

実店舗とECサイト、電子書籍や映像配信、音楽配信サービスとECサイト間での相互送客によるユーザーの囲い込みが行われている。
今後もこのようなユーザーの囲い込み策は活発化するとみられる。
また、上位企業が取り扱いアイテム数やサービス面で優位性を築いており、今後は上位企業への集約が進むと予想される。

食品・産直品はカタログ通販を主体に市場が形成され、お中元やお歳暮ギフトが取り扱いアイテムの中心であったが、仮想ショッピングモールが開設されたことで水産・畜肉・野菜など産地直送品を扱う企業やスイーツなど地方の有名店などのEC出店が進み、ギフト需要のほかに自家需要を取り込み、市場は拡大してきた。
その後、大手流通企業がネットスーパー事業に着手、食品の取り扱いを本格化させる企業や日常利用のサービス形態が登場して身近になってきたことから、市場は更なる拡大を遂げている。

2016年は食品や産直品の品揃えを絞り込むカタログ通販企業や、顧客獲得に苦戦する食品専門通販企業も見られるが、一方でオムニチャネル化を推進する流通大手企業はネットスーパー事業を中心に実績を伸ばし、引き続き市場拡大をけん引している。

2017年も市場の拡大は続くが、食品メーカーでは単一商品訴求によるユーザー獲得では頭打ちになるケースが見られており、通販専用商品の展開など新たな商品の育成による需要獲得が実績拡大には重要となる。
以上。
アマゾンが東京で、食料品の短時間納品通販を始めた。物流量の増加、宅配運送業界の人員不足と労務費増。アマゾンが成功するかどうか注目される。

0422_04.jpg

[ 2017年4月22日 ]
スポンサード リンク
 

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 


PICK UP


PICK UP - 倒産

↑トップへ