旨くいかない習政権の北朝鮮政策 水面下で江沢民一派との戦いか
2016年8月、北朝鮮に対し核開発関連物資などを輸出した疑いで、企業グループ「遼寧鴻祥集団」の代表・馬暁紅(女)が逮捕された。米政権からの習政権への指摘だったとされる。
馬暁紅は、江派常委・張徳江(序列3位)の愛人でスパイとして諜報活動も行っていたほか、江派幹部や北朝鮮上層部と「きわめて深い関係」にあり、張徳江と北朝鮮側とを結ぶ要の役割を担っていたという。
江派は、北朝鮮を支援する際、中連部(中国共産党中央対外連絡部)を通じて馬暁紅に行わせていた。
つまり、習政権は馬紅暁を逮捕することにより、江派の北朝鮮支援の重要なパイプの1つを切断したことになる。
それは習政権自らではなく、米国からの申し入れであったからこそ、逮捕を可能とし、江沢民派に打撃を与えた。
腐敗撲滅の運動により江沢民一派を一掃しようとしている習政権、しかし、現実は江沢民派を政権から一掃できない習政権の非力さがある。
序列第3位の張徳江は、金日成総合大学に2年間留学経験を持つ、江沢民から中央政界に引っ張り上げられた人物で、江沢民の指示の下、北朝鮮金正恩を操っているとされる。
習近平も金正恩もドンに就任して早5年を経過しようとしている。しかし、1回も会談を持ったことはなく、双方ともこれまでの政権とはまったく異質なものになっている。
それでも金正恩が傲慢でいられるのは、江沢民一派が裏に介在しているからと見ても不思議ではない。
軍部は胡錦濤が退任前に自派の勢力に入れ替えたため、習はやり易いと見られ、軍の不正粛清もすでに行っている。腐敗撲滅の陣頭指揮は習派の王岐山が行っており、中央・地方の江沢民一派を徹底して摘発してきた。
こうした上海閥の江沢民一派との確執・権力争いが胡錦濤時代に続き、習近平政権でも続いている。
中国が金正恩の亡命を受け入れるとまで報道されているが、胡散臭い連中のネタに踊らされているのだろう。また、中国は10万人規模の軍隊を北朝鮮国境沿いに配置した報道もなされている。これは万が一の場合、大量の難民が発生する可能性があり、それを阻止するためと見られている。また、米韓が38度線を越えて進撃した場合は、対応するものとみられるが、米韓と北朝鮮の核・ミサイル施設や中枢施設に対してドンパチやっている間は黙認すると見られている。
中国・中央政治局常務委員
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習近平
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序列第1位
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中国共産党中央委員会総書記、中国共産党中央軍事委員会主席、中華人民共和国主席、中華人民共和国中央軍事委員会主席
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太子党
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李克強
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序列第2位
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国務院総理
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旧胡錦濤派
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共青団
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張徳江
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序列第3位
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全国人民代表大会常務委員長
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江沢民派
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兪正声
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序列第4位
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中国人民政治協商会議全国委員会主席
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江沢民派
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太子党
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劉雲山
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序列第5位
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中国共産党中央書記処常務書記、中国共産党中央精神文明建設指導委員会主任、中国共産党中央党校校長
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旧胡錦濤派だが江沢民が過去重用、中間派
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太子党
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王岐山
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序列第6位
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中国共産党中央規律検査委員会書記
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習派
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太子党、
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張高麗
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序列第7位
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国務院常務副総理
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旧胡錦濤派だが江沢民と過去関係
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共青団
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