アイコン うるま市長選挙 「移転阻止」に市民の醒めた眼

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最近、沖縄で会う沖縄の人の多くから「辺野古・辺野古」ばかりで「うんざり」している。という声をよく聞くようになった。

もっと他にすることがあるんじゃない、最近はテレビも新聞も見たくない。と、今までとは、明らかに違がってきている。

そりゃあ、そうだわ、世界一危険な普天間基地と叫んでおきながら、普天間基地の辺野古への移設が決まったとたんに、辺野古反対ばかりで、普天間基地の危険なんて、テレビも新聞も言わなくなった。

テレビ、新聞で毎日のように報道される辺野古反対だけ叫ぶ活動家たち、そんな活動家が、今度は女性ファーストと小池さんをパクリ、市長候補だもん、そりゃ、うるま市の市民も怒るわね。

きょうも、(農と島のありんくりん)をどうぞ~

農と島のありんくりん
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移り変わる自然、移り変わる世情の中で、真実らしきものを探求する

うるま市長選挙 「移転阻止」に市民の醒めた眼 



ご存じのようにうるま市長戦で、島袋現職市長が当選しました。翁長知事率いる「オール沖縄」の宮古、浦添に継ぐ敗北です。

・島袋俊夫・・・31,369.000票
・山内末子・・・25,616.000票
・得票差  ・・・5753票

一時は接戦と伝えられていたので、5753票もの大差がついたことには、私も驚きました。

完全に潮目が変わったことはたしかなようです。

それを伝える沖縄タイムス(4月25日)です。

「8年ぶりとなる同市長選は、政府・与党が島袋氏を、名護市辺野古の新基地建設に反対する翁長雄志知事ら「オール沖縄」勢力が山内氏を支援する対立構図となっていた。双方が来年の知事選に影響する重要な選挙と位置付け、激戦を繰り広げてきた。
 
 選挙戦では、8年間の市政運営に対する評価や子育て支援策、経済施策などが大きな争点となった。島袋氏は企業誘致による雇用拡大で、失業率を10ポイント以上も改善した実績をアピール。今後は中城湾港新港地区のクルーズ船誘致などでさらなる経済の活性化を目指す。山内氏は市政刷新を訴えたが、島袋氏の支持基盤の強さに阻まれた」



沖縄タイムス

ご承知のように、この市長選はただの市長選ではなく、「翁長城」の外堀をめぐっての戦いでした。

来年1月には、「翁長城」の内堀である稲嶺名護市長の続投を問う、名護市長選が待ち構えています。

この名護市長選で、翁長氏サイドが4連敗目を喫すると内堀は埋め立てられた大坂城状態で、「翁長城」は落城必至です。

今回の「オール沖縄」の失敗は、今までの連敗を総括せずに、あいもかわらず「オール沖縄」と翁長氏になにかしらの神通力があるが如く思ったことです。

「オール沖縄」を名乗らず、手垢のつかない新人を対抗馬に送り出せれば、まだ勝機はあったはずです。

一言でいえば人選の失敗です。

手垢のべったりついた島左翼の典型のような山内候補が、共産党の運動員と走り回る、そういう硬直性こそが最大の敗因です。

思えば、2014年11月の頃の翁長氏は絶妙な配役でした。(褒めているのではありませんよ)

かつての翁長氏のような腹芸もできそうで(出来ませんでしたが)、政府とのパイプもありそうで(ありませんでしたが)、保守だから無茶はすまいと思わせ(しましたが)、そんなそこはかとない「安心感」が保守層の一部まで取り込んだのでした。

これらのひとつでも山内氏に備わっていれば、この市長選はどう転んだか分からなかったと思います。


山内末子候補ポスター

「オール沖縄」は、その名から分かるように寄せ集め集団にすきません。もはや「オール」という冠は重荷にすらなっているように見えます。

そもそももはや城間那覇市長と稲嶺名護市長の2人しかいないのに、「オール」を名乗るのは図々しいというべきです。

また、かつて翁長氏が引き連れてきた新風会系自民転向組は、安慶田氏に象徴されるようにボロボロになってしまっています。

翁長氏は「新基地反対」「移設阻止」を掲げて当選し、かくて翁長知事は「移設阻止」に特化した知事という、世にも奇妙な地方行政官が誕生してしまったわけです。

ほかにもやるべきことは、沖縄に山積しているはずです。

ぬかるみのように続く振興予算頼みの県経済の落ち込み、製造業の立ち遅れ、それに伴う失業や貧困問題などは待ったなしだったはずです。

仲井真氏は大胆な経済ビジョンを構築し、その具体化に取りかかった所で、矢折れ刀尽きました。

仲井真氏を継いだ翁長氏は、中国詣で以外県の経済問題になんの手も打とうとしませんでした。

その理由は翁長氏の経済オンチぶりもありますが、それ以上に彼は「決められない首長」なのです。

なぜなら支持基盤は、基地問題を巡っても共産党の「全基地地閉鎖」から、民進党の「基地容認」まで様々あるからです。

その結果、最小限公約を掲げるしか「オール沖縄」にはできないわけです。

つまり、「辺野古反対」「オスプレイ反対」、これ以外「オール沖縄」の政策(と言っていいのなら)はありません。

これを越えると、「オール沖縄」の誰かが必ず反対し妨害しようとします。

辺野古以外に唯一ある現実的選択肢であったはずのハンセン敷地内への移動(小川案)すら、「県内」にこだわる共産党の強固な反対に遭遇します。

県の経済界から待望される那覇空港第2滑走路建設も、今まで翁長氏の現行との不整合を問われ、今や岩礁問題で工事を遅らせる有り様です。

翁長氏からすれば、県民の利害などはどうでもいい、共産党に見捨てられたくないの一心なのでしょう。

このように翁長知事は、この「オール沖縄」の最小限公約の針の穴の如き可動範囲内で動くしかできなかったし、それをこえようという意志もなかったのです。
それが明らかになったのは、現実的妥協と落し所を探るべき、去年の3月から半年間の「和解」調整期間に、毎月官房長官と膝を交えて会談する機会がありながら、なんの解決も見いだせなかったことです。

落し所を見いだせないなら、司法判断を仰ぐしかないわけで、結果は最高裁まで上告して完敗です。

現実的妥協ラインを設定できない政治家などは、ただの運動家、あるいは騒動師にすぎません。


警官隊に排除される山内候補

まったく無関係なうるま市長選で、仮に山内氏が当選したとしても、まぁそれだけの話で、国はなんの関係もないと突き放したことでしょう。

あとの山内氏の公約は、高校生までの医療無償化だのなんのと、財源措置もない無責任な「言っただけ公約」の羅列です。

桑江沖縄市長が苦々しげに、「そんな公約をやったら自治体は夕張市(※)になる」と評していましたが、当然です。(夕張でした。すいません)

山内氏のような地域の経済を活性化させる経済政策を欠落させておきながら、カネだけはバラ撒きたいというのが沖縄革新の長年の宿痾でした。

一方、島袋市長は地元への企業やクルーズ船誘致などの経済活性化対策が実って、失業率を下げることに成功した実績が評価されました。

今回、米兵レイプ事件という反基地神風が吹かなかったのに業をにやした地元紙は、「米軍流れ弾事件」をデッチ上げて反基地ムードを煽ろうとしましたが、無残にも失敗しました。 地元2紙は、このうるま市長選の敗者のひとりです。

今まで沖縄メディアは選挙の度に候補者アンケートという踏み絵を踏ませ、意のままに選挙を牛耳ってこられたと思ってきました。

自民党すら地元メディアを「忖度」して、移転問題に口を濁してきたのです。
今回、沖縄自民が移転問題で意志表示を明確にしたことは、当然といえば当然ですが大きな一歩でした。

今回もまた地元紙は、なにがなんでも移転反対を焦点化したかったようですが、見事不発に終わりました。

その意味でうるま市長選は、日本最強といわれた地元紙のバイアスとコントロールが、みごと弱体化した記念日として後世語られるかもしれません。

地元経済振興の土俵に引っ張り込まれたら、山内氏に勝てる道理がありません。なにせ彼女は、反基地以外なにも考えてこなかった政治人生を歩んできた人なのですから。

そして気の毒ですが、既に移設阻止闘争は去年暮れの最高裁判決が出た時点で終わっていました。

今あるように見えるのはウォーキングデッドです。

紛争というもしょせん人間の一生のような生もので、成長期-全盛期-衰退期があります。

辺野古・高江紛争も同じくそのような盛衰がありました。

翁長氏が知事になった2014年は闘争全盛期でした。

そして今はほとんどのエネルギーを出し尽くして、戦う方途もなく、その残骸にすがって延命治療を受けているような時期です。

いわば大きく左に触れた島の政治の振り子がゆっくりと中立に向かう、そんな正常化時期とでもいえばよいのでしょうか



紛争の過程で引き起こした過激暴力行為が裁かれている山城容疑者の裁判などは、まさにこの時期を象徴するものでした。

その中で、ひとり翁長氏だけは権力に妄執しています。

2期目をしたいばかりに、「ありとあらゆる手段」で抵抗するふりをして共産党に媚びを売ってしがみつく翁長氏は、もはや醜悪を通り越して哀れすら誘います。

くだらない延長戦をしたいようですが、それを見る県民の目はとうに醒めていると知るべきでしょう。

それが改めて確認されたのが、このうるま市長選挙でした。

問題はむしろ、この「オール沖縄」の崩壊現象に際して、しっかりと翁長氏と稲嶺氏に対置できる保守候補者を絞り込めない保守陣営の問題です。

それについては別稿に譲ります。

※大幅に加筆しました。すいません。(午後6時)

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[ 2017年4月26日 ]

 

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