戒厳令のミンダナオ 政府軍マラウィ市7割制圧 Marawi Mautes
フィリピン政府は、マラウィ市(人口13万人)を占拠したISに忠誠を誓うイスラム武装勢力のMautesを壊滅もしくは投降させ、今週末までに市を平定すると発表した。
しかし現実は、市内のいくつかの建物に多くの市民を盾に、武装勢力が立て籠もっており、また、市内各所に狙撃兵を配し、政府軍の進行を妨げているという。
軍はMautesがまだ市内や周辺に50人以上いると見ているが、街外れにもMautesがいるとの情報ももたらせている。
今回の武装勢力の攻勢は、政府軍がアブサヤフのリーダーの隠れ家を急襲したものの失敗に終わり、反発したアブサヤフと同盟関係にあるMautesが動いたものとされている。
これまでに政府軍8人が亡くなり、武装グループ63人を殺戮されたと現地で報じられている。死亡した武装グループの中には、インドネシア人やマレーシア人が含まれているといい、フィリピンのMautesなどと広域でISが関与連携しているものと見られる。
ドウテルテはダバオ市長時代に、武装共産主義勢力と手打ちしているが、反発した共産主義者たちが武装闘争を継続しているほか、他のイスラム武装勢力も活動している。
圧倒的火力を持つ政府軍は、マラウィ市をすでに包囲している。
ドウテルテの突撃の決断しだいでは、大勢の市民が巻き込まれる可能性が高くなってきている。
今後、フィリピン政府軍により、武装勢力は追い詰められ、窮鼠猫をかむ状態に陥り、アブサヤフなどイスラム武装勢力の活動が活発化し、都心部での自爆テロなどの発生も危惧される。
これまでにも多くの外国人観光客らが、比中部や南部の島々で、身代金目的に誘拐され、支払わなかった人たちはことごとく殺害されている。
<マラウィ市>
正式名称はマラウィ・イスラム市(The Islamic City of Marawi)は、フィリピン最南部のミンダナオ島の西部南ラナオ州の州都。
農業と農産物の出荷が主な産業で、ムスリムのマラナオ人が多く、マラナオ語が通用している。
ミンダナオ島最大の湖ラナオ湖の北岸に位置し、アグス川がここから流れ出ており、市街地は川の西岸にある。
面積は22.60平方km、人口は131,090人で世帯数は20,375(2000年国勢調査)。96のバランガイ(社会組織)からなる。・・・ウィキ参照
イスラム武装勢力が一時占拠したマラウィ市
フィリピンは過去、スペインが植民地にしており、その後、米西戦争(1898年)がキューバで発生、アメリカと比独立武装勢力が手を握り、米軍と独立派がスペインを退治した。
独立できると喜んだ独立派数十万人を米軍が攻撃して殲滅(米比戦争)し、その後大戦までアメリカによる植民地支配が続いた。
フィリピンは、アジア一大きかったスービック米海軍基地(ルソン島)から、米軍を追い出した。こうした歴史の流れから、比国民の間では反米感情も大きい。英語が公用語・共通語になっているが、米植民地時代の名残。
↓ マラウィ市内の武装勢力
↓ マラウィに進攻するフィリピン政府軍
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