霧島の硫黄山 警戒レベル2に引き上げ 山体隆起も
気象庁によると、硫黄山(韓国岳の西北隣)では8日、東京大学地震研究所が行った現地調査で、火口内とその周辺の約200メートルから300メートルの範囲で、少なくとも10ヶ所以上、噴気が勢いよく上がっているのが確認された。火口内で土砂などが僅かに噴出した跡が確認されたという。
また、4月25日以降、山が隆起していることを示す地盤の変動が繰り返し観測され、現在も続いているほか、監視カメラによる観測や気象台の現地調査では、温度の高い領域の拡大や噴気の量の増加が確認されている。
このため、気象庁は、硫黄山では火山活動が高まり今後、小規模な噴火が発生するおそれがあるとして、9日午後7時20分、硫黄山に火口周辺警報を発表するとともに、噴火警戒レベルをレベル2の「火口周辺規制」に引き上げ、硫黄山からおおむね1キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石に警戒するよう呼びかけている。
また、風下側では降灰や小さな噴石にも注意するよう呼びかけている。
硫黄山の近くには、県道1号線(霧島町~小林市に至る)のスカイラインが通っている。走行も注意が必要だろう。
<爆発噴火周期説>あったりなかったり
霧島硫黄山の最初の噴火は、1300年~1500年頃のマグマ噴火だとされる。1768年に2度目の噴火が起こり、韓国岳の北西の斜面から溶岩が噴出して硫黄山溶岩流が、降下火砕物でえびのB2テフラ(=噴火物の堆積地)がそれぞれ形成された。当噴火によって硫黄山の山体が形成されたとする資料が多い。
2度目の噴火の1768年から250年経過している。前回の間隔とすれば、爆発エネルギーはそれ相応に蓄積されていることになる。
霧島連山新燃岳もあんなに大きな爆発になるとは予見されていなかった。
気象庁監視カメラ(えびの高原)映像
http://www.data.jma.go.jp/
<↓2011年1月27日、霧島連山新燃岳の爆発噴火>
天孫降臨伝説の高千穂峰が奥に見える
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