韓国からの訪日客56.8%の急増 その原因は 為替・LCC・中国観光制裁
4月の日本は寒さから開放され、桜前線が北上していく一番良い季節。
韓国の人口は5千万人、昨年は10人に1人が訪日した計算となる。
レコードチャイナによると、韓国から訪日する客が多いことについて韓国のネットユーザーは、
「確かに日本旅行は最高」
「日本には観光名所が多い。インフラも整っているし…」
「慰安婦像設置か、日本旅行かどっちかにして。反日を叫んでいる人も、裏では『君の名は。』を観て日本旅行に行っている」
「日韓関係、中韓関係が悪くなると、日中の観光客はぱたりといなくなるのに、なぜ韓国の観光客はむしろ増加する?」
「日本は『進入障壁』が一番低い海外だ」
「飛行機の便もたくさんあるし手頃、だからと言って中国に行くのもなんだし」
「中国より治安もいいし空気もいい。日本に何度も行く理由はあるよ」
「近いし、何より料理がおいしい」
「慰安婦や竹島問題と旅行は別。正直、何もない国内旅行より日本旅行の方が楽しいし安上がり」
などのコメントが寄せられている。
今年になっても増加している理由として考えられるのは、円安と嫌中感情の増加からだろう。嫌中は韓国のTHAAD配備問題に対して、中国が貿易・観光制裁を課していることにある。
2014年の韓国からの訪中客数は444万人だったが、ビジネス客がかなり含まれている。その後も猛威を振るうPM2.5の大気汚染は常態化しており、昨年までは訪中数に大きな変化はないと見られる。
そうした中で、韓国民に直接見える観光制裁を中国が行ったことから、中国は韓国民にとって一番好きな国から一番嫌いな国になってしまった(韓国紙のアンケート結果)。
韓国からの日本への観光客急増は、潜在中国観光客の何割かが日本へ観光地を変更したものと見られる。
ただ、韓国からの訪日客の増加の最大要因は、なんといっても日本各地へのLCCの運航だろう。場合によっては国内旅行をするより安上がりで、外国気分を味わえるという現実もある。
今年からは中国が韓国のチャーター便の運航を不認可にしており、韓国の航空会社も訪日客が上昇一途であり、便を日本へ振り向け、訪日客の増加に拍車をかけている。
バブル崩壊後もしばらく韓国のおばさんたちが大挙して九州の温泉巡りを行っていたが、時代も変わり、韓国からLCCを利用した若い世代の訪日客が非常に多くなっている。
韓国にはLCCが、チェジュ航空(LCC最大手)、ティーウェイ航空、ジンエア(大韓航空子会社)、エアプサン(アシアナ46%出資)、イースター航空、エアソウル(アシアナ航空子会社)がある。
2017年5月23日、チェジュ航空は、ソウルからf東京・大阪・福岡の路線を6月から増便すると発表。
各社の路線は下記図のとおり。
<物価>
日韓の物価はほとんど変わらない(ただし、タクシー料金はベラ棒に日本が高い)。ビッグマック指数(今年1月の為替による・・・購買力平価指数)では、韓国では429円(4,400ウォン)だが、日本では380円(1ドル/116.67円)で販売されている(現在の価格差は異なる)。
結果、韓国の人たちは日本人よりドライで、険悪な政治に関係なく、為替円安、LCC就航、中国制裁が組み合わされ、日本観光を楽しむ人たちが急増しているものと見られる。
今後の注意点
カントリーリスク・・・政治関係がこれ以上悪化すれば、観光客が急減する可能性。
為替・・・・・・・・・・・対ウォンで円安が円高に振れれば急減する可能性。
中国が韓国に対する観光制裁、韓国政治により対日観光政策の変更。
韓国からの訪日客
|
||
|
客数
|
前年比
|
2008年
|
2,382,397
|
-8.5%
|
2009年
|
1,586,772
|
-33.4%
|
2010年
|
2,439,816
|
53.8%
|
2011年
|
1,658,073
|
-32.0%
|
2012年
|
2,042,775
|
23.2%
|
2013年
|
2,456,165
|
20.2%
|
2014年
|
2,755,313
|
12.2%
|
2015年
|
4,002,193
|
45.3%
|
2016年
|
5,090,300
|
21.8%
|
韓国からの訪日客数 月別・年別
|
||||||
|
2015年
|
2016年
|
2017年
|
|||
|
訪日客数
|
前年比
|
訪日客数
|
前年比
|
訪日客数
|
前年比
|
1月
|
358,093
|
40.1
|
514,900
|
43.8
|
625,400
|
21.5
|
2月
|
321,600
|
38.9
|
490,800
|
52.6
|
600,000
|
22.2
|
3月
|
268,200
|
39.6
|
374,100
|
39.5
|
488,400
|
30.6
|
4月
|
304,600
|
57.0
|
353,700
|
16.1
|
554,600
|
56.8
|
5月
|
315,400
|
61.5
|
302,100
|
-4.2
|
|
|
6月
|
251,500
|
21.2
|
347,400
|
38.1
|
|
|
7月
|
343,800
|
37.1
|
447,000
|
30.0
|
|
|
8月
|
391,000
|
55.5
|
458,900
|
17.4
|
|
|
9月
|
301,700
|
38.6
|
430,600
|
42.8
|
|
|
10月
|
370,800
|
48.6
|
449,600
|
21.2
|
|
|
11月
|
359,800
|
50.5
|
426,900
|
18.6
|
|
|
12月
|
415,700
|
53.4
|
494,400
|
18.9
|
4月まで
|
累計
|
年計
|
4,002,193
|
45.3
|
5,090,400
|
27.2%
|
2,268,400
|
30.9%
|
2017年 韓国の祝日
|
|
元旦
|
1月1日
|
旧正月
|
1月27~30日
|
三一節
|
3月1日
|
仏誕節
|
5月3日
|
こどもの日
|
5月5日
|
大統領選挙(今回だけ)
|
5月9日
|
顕忠日
|
6月6日
|
光複節
|
8月15日
|
開天節
|
10月3日
|
秋夕
|
10月3~6日
|
ハングルの日
|
10月9日
|
クリスマス
|
12月25日
|
日本就航の韓国LCC
|
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航空会社
|
定期便
|
チャーター便
|
チェジュ
|
仁川-成田
|
|
仁川-関空
|
|
|
仁川-中部
|
|
|
仁川-福岡
|
|
|
仁川-那覇
|
|
|
釜山-成田
|
|
|
釜山-関空
|
|
|
釜山-福岡
|
|
|
ティーウェイ
|
仁川-福岡
|
|
仁川-佐賀
|
|
|
仁川-新千歳
|
|
|
仁川-大分
|
|
|
仁川-関空
|
|
|
ジンエア
|
仁川-成田
|
|
仁川-福岡
|
|
|
仁川-新千歳
|
|
|
仁川-那覇
|
|
|
仁川-北九州
|
|
|
仁川-成田
|
|
|
仁川-成田
|
|
|
釜山-関空
|
|
|
釜山-北九州
|
|
|
釜山-那覇
|
|
|
エアプサン
|
釜山-新千歳
|
|
釜山-成田
|
|
|
釜山-関空
|
|
|
釜山-福岡
|
|
|
大邸-新千歳
|
|
|
大邸-関空
|
|
|
大邸-福岡
|
|
|
イースター
|
仁川-成田
|
仁川-新千歳
|
仁川-関空
|
仁川-高知
|
|
仁川-福岡
|
|
|
仁川-那覇
|
|
|
エアソウル
|
仁川-高松
|
|
仁川-静岡
|
|
|
仁川-長崎
|
|
|
仁川-広島
|
|
|
仁川-米子
|
|
|
仁川-富山
|
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