アイコン 長崎新幹線 FGT完全断念 開発費用400億円ムダに

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長崎新幹線は2022年に武雄温泉新駅で在来線とのリレー方式で暫定営業、2025年にFGTによる本営業開始を予定していた。

鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、公式テスト走行の前段階のテスト走行をJR九州の線路を使いこれまで行っていた。その結果の車輪の状況を細かくチェックし、問題なければ、本式の公式テスト走行を今夏にも入る予定だった。しかし、前回同様、車輪・車軸に問題が発生したようだ。
車両自体も価格が通常の新幹線より2.5~3倍も高く、採算ベースに乗せることも至難だとされていた。
鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、FGT開発に対し、これまでに約400億円を使用している。

日経新聞は13日次のように報じている
JR九州は2022年度に開業予定の九州新幹線長崎ルートで、新型車両のフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)の導入を断念する方針を固めた。7月にも政府・与党などに正式に伝える。実用化のメドが立たず、安全性や車両コストに課題があると判断した。

FGTは、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が開発し、JR九州が採用を目指していた。線路の幅が違う新幹線と在来線を自由に行き来することができるのが特徴。
以上、日経新聞

FGTの開発を取りやめるならば、新鳥栖-武雄温泉間の新幹線軌道による専用路線新設も検討されよう。政府はオスプレイの佐賀空港配備を条件に同区間の新設を行う可能性がある。
安倍政権では、「この美味しいケーキを全国津々浦々に」の掛け声の下、公共投資予算が湯水のようにあり(国の直轄予算はそれほど増加していないが、地方自治体にばら撒かれている)、佐賀県の負担増にならないように、オスプレイとの交換条件でプレゼントする可能性もある(山口知事は裏取引は止めましょう)。

しかし、佐賀県自体には当区間を新設したとしても時間的にも、経済的にも全線フル規格の長崎ルートの効果はそれほどない。
ただ、安部政権でなければ、プライマリーバランスの制約を力で反故にすることはできず、その後は再び大幅な公共投資の減少へ至り、新規に当区間を建設するのは不可能に近くなる(路線が通る佐賀平野は軟弱地盤・難工事で工費が高額になり、佐賀県負担が大きくなることから、佐賀県が反対し、FGTで長崎ルートが決定した経緯がある)。長崎県側は最初から全線フル規格を要望している。
新幹線の神様「安倍首相」の采配は如何に・・・。

 

営業主体
九州旅客鉄道
建設主体
鉄道建設・運輸施設整備支援機構
区間
新鳥栖駅(佐賀)-長崎駅  117キロ
 長崎ルート
武雄温泉駅-長崎駅 66キロ
軌間等
新鳥栖駅 - 武雄温泉駅
1,067mm(狭軌)、在来線軌道
武雄温泉駅 - 長崎駅
1,435mm(標準軌)、新幹線軌道
最高速度
260 km/h
電化方式
新鳥栖駅 - 武雄温泉駅
交流20,000V (60Hz)
武雄温泉駅 - 長崎駅
交流25,000V (60Hz)
車両基地
長崎県大村市の竹松町・沖田町付近

0614_02.jpg

追、FGTはスペインのタルゴ社で開発され、スペインなどで運行している。しかし、長崎ルートでは高速走行、線路の曲線に問題があり、車輪や車軸に金属疲労によるヒビが発生している。在来線を利用するならば、狭軌道の路線の路盤を改良する必要があるのでは、また、線路の曲線部分は負荷がかからないように緩やかになるよう、その区間だけ路線を変更したら可能かと思われる。

博多-長崎間は高速道路の高速バスがジャンジャン走っている。

博多-新鳥栖-長崎駅間は144キロと短く、フル規格で28分、FGTで22分程度短縮されるという(国交省試算)(博多-新鳥栖駅間の27キロは九州新幹線路線)。

[ 2017年6月14日 ]
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