アイコン 中国不動産価格抑制策 上海市の売出土地 賃貸住宅に限定 

スポンサード リンク
 

中国では不動産価格の上昇が、各種規制を強化する中、一進一退が続いている。当局にしても経済成長を考慮した場合、不動産価格の暴落は避けたい意向。また、投機筋の資金のハケ口が株価低迷で行き場がなく、シャドーバンキングへの投機も当局の目が光っており、海外への投資・投機も元流出に監視の目が光っている。

不動産開発の拡大はインフラ投資とも重なり、鉄鋼生産を拡大させており、5月は月間過去最高の生産量となっている(中央政府は生産キャパを縮小したと輸出により打撃を受けている国際社会に向け、その成果を強調しているが、鉄鋼生産は国営企業がほとんどで地方政府が管轄しており、中央に対して地方は利害も関係しテキトウ)。

上海市当局は7月4日、同市2件の住宅用土地について用途を「賃貸用住宅」に限定して供給すると明らかにした。住宅価格のさらなる上昇を抑制する狙いだとみられる。

今回売り出された2件の土地は、それぞれ、同市の嘉定区と浦東区にある。競売開始前、当局は今後70年間、分譲物件を建ててはいけないと開発業者に通知した。

上海市はさらに、7日に発表した2016~20年の住宅供給計画で、賃貸用住宅を多く提供する姿勢を示した。
同計画では、170万戸の新規住宅のうち、賃貸住宅は70万戸、低所得者向け住宅は55万戸であるのに対し、分譲住宅は45万戸にとどまってる。
賃貸用住宅の戸数は同計画の6割を占めており、大都市では初の試みとなった。

こうした試みは上海市以外に、南京市でも行われた。
南京市当局が最近、行った3回の土地競売で、不動産開発会社に対して、「販売してはいけない、譲渡してはいけない」との規定を示した。その期間は5~10年にとどまり、上海市の70年間は全国初となる。

 中国国内メディアによると、北京市、広州市、天津市などの政府も、一部の土地について、不動産開発企業に対して、マンションを開発した後に「販売してはいけない」と求めた。

 大中都市で実施されたこの一連の抑制措置から、中国の住宅市場で、賃貸用住宅が今後、主流になる可能性が高いと市場関係者は推測している。

同措置の実行が拡大すれば、不動産市場の拡大で経済を牽引している中国の経済成長に大きな影響を与える可能性がある。

昨年12月、習近平主席は中央経済会議で、「住宅は住むためのもので、投機のためであってはならない」と発言し、今回の措置は政府のこういった方針を反映したものとみられる。

不動産企業の上海鏈家地産の市場研究部によると、上海市の6月の住宅取引済成約件数が低迷しているという。新規住宅取引済制約件数は前年同月比で▲45%減少した。中古住宅の取引済成約件数も前年同月比▲約50%減となっているという。

 

中国 新規住宅価格指数
 
前年比
前月比
2015年基準
主要都市
5
4
5
4
5月
北京
 
114.6
117.4
100.0
100.2
132.8
天津
 
115.5
118.1
100.1
99.9
127.4
上海
 
112.9
115.4
100.0
99.8
137.4
南京
 
118.2
123.2
99.8
99.7
144.6
無錫
126.5
128.4
100.2
100.1
135.2
杭州
 
116.3
119.5
99.7
100.0
133.2
合肥
 
120.9
127.3
99.8
99.9
148.1
福州
 
115.6
117.6
100.0
99.8
129.2
アモイ
119.5
125.7
100.3
100.0
150.6
済南
116.7
117.3
100.5
100.4
122.3
鄭州
122.1
124.0
99.9
100.1
130.2
武漢
116.8
119.2
100.2
100.4
127.9
广州
広州
119.5
121.7
100.9
101.4
138.9
深圳
 
105.5
106.7
99.4
100.0
146.5
成都
 
102.9
103.4
99.9
100.0
105.4
・出典:中国国家統計局

 

中国 新規住宅価格指数
 
前年比
前月比
2015年基準
主要都市
5
4
5
4
5月
北京
 
114.6
117.4
100.0
100.2
132.8
天津
 
115.5
118.1
100.1
99.9
127.4
上海
 
112.9
115.4
100.0
99.8
137.4
南京
 
118.2
123.2
99.8
99.7
144.6
無錫
126.5
128.4
100.2
100.1
135.2
杭州
 
116.3
119.5
99.7
100.0
133.2
合肥
 
120.9
127.3
99.8
99.9
148.1
福州
 
115.6
117.6
100.0
99.8
129.2
アモイ
119.5
125.7
100.3
100.0
150.6
済南
116.7
117.3
100.5
100.4
122.3
鄭州
122.1
124.0
99.9
100.1
130.2
武漢
116.8
119.2
100.2
100.4
127.9
广州
広州
119.5
121.7
100.9
101.4
138.9
深圳
 
105.5
106.7
99.4
100.0
146.5
成都
 
102.9
103.4
99.9
100.0
105.4
 

[ 2017年7月12日 ]
スポンサード リンク
 

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 


PICK UP


PICK UP - 倒産

↑トップへ