比大統領警護隊の車列が待ち伏せ攻撃 ミンダナオ島の共産軍 戒厳令12月まで延期
フィリピン南部ミンダナオ島の幹線道路で19日、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の警護隊車列が待ち伏せ攻撃を受け、銃撃された隊員4人が負傷した。
18日に襲撃予告を出していた共産党系の反政府武装勢力の犯行とみられている。
今回の攻撃で、大統領警護隊の車両2台が銃撃を受けたが、ドゥテルテ氏は車列の車には乗っていなかった。
政府は、この待ち伏せ攻撃について、4000人の勢力を擁する毛沢東系フィリピン共産党の軍事組織「新人民軍(NPA)」が行ったとの見方を示している。
ドゥテルテ氏は、事件発生の数時間後、NPAとの和平協議を打ち切る姿勢もちらつかせた。
ミンダナオ島の軍高官、ヒルベルト・ガペイ准将は、首都マニラで、「(待ち伏せ攻撃は)全国の武装組織に対し、政府軍への攻勢を強めて戒厳令に反発しようと呼び掛けるものの一環だ」と述べた。
ドゥテルテ氏は、この前日、ミンダナオ島マラウィで、政府軍と戦うイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系武装勢力を打倒するため、ミンダナオ島の戒厳令を12月まで延長することを承認するよう議会に求めていた。
フィリピン軍によると、1968年に組織されたNPAは、これまでに3万人を殺害したとみられる。社会主義者を自称するドゥテルテ大統領の就任以来、NPAは政府との和平交渉を断続的に行っており、来月には正式な和平交渉を再開する予定になっていた。同島西部の中央部のラナオ湖北のマラウィ市(人口約20万人)では、IS系のマウテグループがマラウィ市を占領、5月23日ドウテルテは訪問先のロシアで戒厳令を発令し、急遽、帰国して対策にあった。1・2週間で平定できると豪語していたが、マウテグループに、アブ・サヤフ、ジェマ・イスラミアなどほかのIS系武装組織や、外人部隊も合流し、政府軍と戦闘状態が続いている。
IS系武装組織は、多くの市民を盾にしており、政府軍は市の2/3を制圧したものの、それ以上進めずにいる。
この間、比政府は米軍特殊部隊の支援を要請、政府軍と米特殊部隊が共同して制圧に当たっているが、IS系側も海外からの流入により、戦闘は拡大している。
また、過去、武装勢力として最大の組織だったモロ・イスラム解放戦線(MILF)は主流派が政府と和解したものの、反主流派は和解を拒絶して武装闘争を継続させている。
ドウテルテは、タバオ市長時代に、恩師が幹部になっていた共産党と和解し、その共産軍もタバオ市一帯の麻薬組織の壊滅作戦に自警団として参加していたといわれている。ただ、和解は地域限定版だったようだ。
ただ、こうした人脈から現在も政府と和解への動きもあるが、常に和解では、主流派と反主流派とに分裂する。
今回、大統領警護隊に攻撃を仕掛けた組織が、主流派か反主流派かは不明だが、内部抗争もあっているものと見られる。
また、武装闘争を辞めても、その組織員は社会になじめず、再び武装闘争に身を投じる者たちも多いという。
極端な貧富の格差
島間の格差・地位間格差
宗教対立:
比人口は約1億人、キリスト教徒が9割を占め、イスラム教徒は5%、そのほとんどがミンダナオ島に居住している。ミンダナオ島の人口は約2400万人。
(IS系武装勢力は、イスラム教徒の多いマレーシア・インドネシア・フィリピン(ミンダナオ)の広域に、イスラム国を建設する計画を有し、連携している。)
政府軍との対立
麻薬販売
ジャングル潜伏
海賊行為
海外IS関連組織による軍事的支援
・・・エトセトラ
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