米トランプ 秒速の解任劇 投資会社のスカラムッチ広報部長・首
米ホワイトハウスは31日、ケリー大統領首席補佐官が31日就任したことを受け、トランプ政権の広報戦略を統括する広報部長に就任予定だった投資家のアンソニー・スカラムッチの解任が決まったと発表した。21日にスカラムッチは21日に広報部長に就任したばかりだった。
ホワイトハウスによると、ケリー氏が自らの態勢を白紙から作ることが最善だと判断したという。
スカラムッチは、大統領選で財務を担当し、政権移行チームに入りながら、役席に恵まれず、やっとつかんだ広報部長の席、すでにオーナーだった投資会社は中国企業に売却して、ホワイトハウスに乗り込んできていた。8月にも議会承認を経て、正式に広報部長になる予定だった。
大統領首席補佐官を務めていたラインス・プリーバス氏は27日に辞任、事実上の更迭、変わって、トランプは28日、自らの指名により1月20日から国土安全保障長官に就任していたジョン・F・ケリー氏(退役海兵隊大将/)を大統領首席補佐官に指名、31日ケリー氏は就任した。
<7月21日の報道官辞任劇>
トランプは、自らが選んだ共和党全国委員会広報部長兼首席戦略官広報委員長であった下院
議員のショーン・スパイサー報道官(広報部長代行兼務)をケナシ続け、7月21日とうとう辞任に
追い込んだ。
表面的には、トランプは広報部長に投資会社創業者のスカラムッチ(大統領選でトランプ陣営の財務担当)を任命、これに抗議しての辞任とされている。
スカラムッチの正式就任は議会の承認が必要、投資会社を中国企業に売却しており、審査が長引くものと見られていた。
そのスカラムッチ米広報部長は、就任早々の7月27日、「トランプ大統領と数人だけの食事会」の情報を新聞社に漏えいさせたとして、プリーバス大統領首席補佐官(情報を漏洩したかどうかは不明、食事会に参加していなかった)を、一方的に「妄想型統合失調症・妄想性障害」と散々罵倒した。
返す刀でパノン首席戦略官兼上級顧問(選対本部長、元極右サイト運営者)もこき下ろした。
スカラムッチと対立していたプリーバス大統領首席補佐官も27日辞任した。
<株式会社ホワイトハウス>
株式会社ホワイトハウスのオーナーのトランプ、役員たちを切っては捨て、切っては捨てている。それもヒステリックにツイッターで罵り、辞任に追い込むなど経営者特有の卑劣さで、会社は自壊寸前。
トランプを真似たスカラムッチは、広報部長になったばかりなのに、プリーバス大統領首席補佐官を一方的に罵り、バノン氏までこき下ろし(新聞記者の取材に対して発言、記事になった)、ホワイトハウスの取締役たちを険悪な状態に至らしめていた。
結果、スカラムッチは、議会の承認を受けないまま、トランプから秒速で首を言い渡らされとしまった。
21日に広報部長に就任したスカラムッチは27日、食事会の後、酒でも飲み、勢いあまって、女に振られスラスラしていたのか、深夜の新聞記者の電話取材にプリーバス氏らを罵倒してしまった。新聞記事になれば、どういう結末になるのかわかっていなかったのだろうか。
スカラムッチは、投資会社の社長であり、1996年からオーナーとしてやりたい放題、たまたま地合いが良く大成功。性格もトランプに似てしまえば、誰がトランプなのかわからなくなる。
ホワイトハウスもケリー氏が主席補佐官になり、落ち着くことだろう。
<秒速首のスカラムッチ>
アンソニー・スカラムッチ(Anthony Scaramucci1964年1月6日生)は、アメリカの投資家。
スカラムッチは、ゴールドマン・サックスでそのキャリアを積む。
1996年、同僚のAndrew Boszhardtと共同でオスカー・キャピタル・マネジメントを設立。
2005年、スカラムッチはグローバル投資会社スカイブリッジ・キャピタルを設立。共同マネージング・パートナーの地位にあったが、2017年にトランプ政権に参加するため、同社を中国企業などに売却した。
コメントをどうぞ