アイコン 長崎新幹線のFGT導入失敗 北陸新幹線に影響

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北陸新幹線の全線開業は、金沢駅-敦賀駅間が2023年(平成35年)春頃開業予、それから敦賀からの延伸は23年程度たった2046年(平成58年)と見込まれている。

福井県鯖江市の牧野百男市長は2日の記者会見で、フリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)の北陸新幹線への導入は「不可能に近い」との見解を示した。
先行事例になる予定だった九州新幹線長崎ルートで、JR九州が導入を断念したことを受け、鉄道距離や想定乗客数で上回る北陸新幹線はより困難だと判断した。

一方で、北陸新幹線がフル規格で大阪に延伸するまでの間、福井―大阪間で特急サンダーバードを存続するよう求めた。
牧野市長は「『乗り換えなしで大阪まで』がもともとの約束。財源の確保は(国の)新幹線予算でやってほしい」とした。

FGTは、線路の幅が異なる新幹線と在来線の両方の区間を走行できるよう、車輪の間隔を自動で変えられる車両。北陸新幹線は敦賀―新大阪間が開業するまで九州のFGTを改良した車両で、北陸と関西を乗り換えなしで結ぶ計画だった。
FGTは車両が重たく、高価、維持費も高く、償却期間も長期を要し、長崎新幹線では予定の区間の全工事が始まったもののもFGTの開発が、ほとんど失敗状態。
この際とばかりにJR九州は、FGTの導入そのものに反対し、全線フル規格導入(鳥栖駅から新武雄益間)を要請・表明、長崎県の動きに迎合し、国交省のFGT開発失敗に追い討ちをかけている。

FGTは、整備新幹線構想の中核をなす。すでに開発に400億~500億円が投下されており、開発を断念するならば、整備新幹線構想そのものが、絵に描いた餅になる。
北陸新幹線全線開通は国が決定したことから、進行あるのみ。国家がどんな状況になろうと進行あるのみ、揺るがない。

整備新幹線構想は、先々、日本国中で新幹線を走らせる構想が根底にある。地元議員が喜ぶ、ゼネコンも喜ぶ、地元民も喜ぶ、票にも繋がる。開発費用は、全額資産計上され、バランスは保たれる。いつか通った道を再び通りそうな感じもしないではない。
鉄道会社も不採算ならば本数を減らし、運行収支のバランスをとる。当然、路線使用料の減額要請を国に対して行うことになる(独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構の資産バランスが崩れる)。・・・在来線か新幹線のどちらかは廃線するしかなくなる・・・自治体が第3セクターにより運営が続けられればよいが・・・どちらも。運行会社は株式を公開した株式会社でもある。

現在の富山+石川+福井の人口は合計で約300万人、2046年には約250万人(▲16%減)まで減少し、65歳以上の高齢化率も現行25%から35%に高まる(国立人口問題研究所)。これが、北陸新幹線全線開通時の状況である。その後も人口は減り続け、高齢化率は高まる。

Phostos:ぱくたそ
新幹線

 

[ 2017年8月 3日 ]
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