買収契約の審査が厳しくなったことに加え、国家外為管理局（ＳＡＦＥ）と中国銀行業監督管理委員会（ＣＢＲＣ）も、中国の銀行の海外支店が、こうした事業へ融資する際の監視を強化することを検討している。
中国企業が、海外買収を行う際、国内の不動産やその他の資産を担保に海外の銀行や中国の銀行の海外支店から資金を調達するケースが多いが、ＳＡＦＥとＣＢＲＣはこうした行為の取り締まりを強める意向。

ＳＡＦＥはロイターの問い合わせに対して文書で返答。
貿易と投資を促すと同時に海外投資のリスクを回避するために、他の金融規制当局とともに中国の金融市場の規制を強化すると述べた。
以上、ロイター参照、

中国は、官民揃って海外企業や国の買収に走った結果、外貨準備高が大幅に減少し、年末から今年はじめには、海外との取引保証の尻に火が付いていた。金融当局は、資金の海外流出の歯止めの緊急措置を取り、現金持ち出しや送金を大幅制限、海外の買収案件を許可制に、さらにビットコインやシャドウバンキング資金さえも海外流出を押さえ込んだ。
その結果、少しずつ直してきている。これまで、ドバイ・イギリス・米国・豪州・韓国などの不動産を買い漁り、中国政府もアフリカやアジアへ巨額投資を続けてきた。また、シャドーバング資金は過去、香港経由で流入し、不動産投資や債券投資に莫大な資金が投じられてきた。そうした資金も回収に入っているのも当然のことかもしれない。いずれ、規制が緩くなった段階で、海外への資金流出は再び始まるものと見られる。
インドネシア新幹線への融資が難クセを付け大幅に遅れたことや、米国での映画会社買収や超高層ビル建設投資など海外事業を展開する大連万達が、資金調達のため、国内のホテルやテーマパークを１兆円以上で一括売却したことも金融当局の締め付けがあったものと見られている。

中国政府は、中国に足りない先端技術の企業買収には、手厚い資金を用意し買収させており、今後も継続して買収させようが、ほかの案件での資金流出には監視を強めている。その先端技術企業の買収については、すでに欧米では国の認可制度を強め、買収も思うように進んでいないのが現状。中国は、国の発展のためには、開発するより金で買った方が手っ取り早いという国是を有している。そのためにも、軍事関連企業や先端技術企業および国策は別として、それ以外の買収や投資は、資金流出から認可は下りにくくなっている。

＜↓ 中国の外貨準備高推移／2017.7.7現在30,570億ドル＞