アイコン 閉鎖機に欠陥か K-9自走砲 海外販売多い名器 暴発で2人死亡

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韓国軍の「名品」武器と見なされてきたK-9自走砲の8月18日の射撃訓練による2人死亡事故について、軍当局が20日、自走砲内で火炎が発生したと明らかにした。

名機K-9自走砲は、海外にも大量に輸出され、2001年のトルコ(10億ドル)、2014年のポーランド(3億1千万ドル)に続き、2017年にはフィンランド(1億4500万ユーロ)、インドとも輸出契約を締結している。他の国も関心を見せているという。

今回の事故について、軍当局によると、事故が発生したK-9自走砲(定員5人)には、訓練当時5人の乗務員と安全統制官2人の計7人が搭乗していた。

軍当局が負傷者の陳述をまとめたところ、
2発を撃って3発目の発射待機状態で、自走砲内部の閉鎖機から突然煙が発生したという。このため安全統制官のイ中士が「待機、待機」と叫んだ瞬間、装薬が爆発して砲弾が発射され、火炎が発生したという。
閉鎖機とは、砲射撃をする前に砲身を密閉する装置で、機能していれば、発射後に火炎と煙は自走砲の内部には漏れない。閉鎖機が作動しなければ砲弾を発射できない。
サムスン・テックウィンが開発(売却され現在はハンファ地上防産が生産している)

また、開発中の1997年にも同じような事故が生じ開発会社のサムスングループ会社の社員が死亡している。
当時の状況も2発目を撃った後、3発目が発射されず、突然、自走砲の内部に火災が発生。砲筒(=薬室)に新しい砲弾を装填した後、以前の弾で残っていた装薬(砲弾を飛ばす推進火薬)のカスに火がつき、新しい弾の装薬に火が移ったのが原因だったという。
軍当局は、今回の事故には装薬不良の可能性もあるとみて原因を調べている。

軍関係者は「暫定的に運用の未熟など人災ではないという結論を出した」と述べた。

現代戦で砲兵の主力は自走砲。トラックに引かれる牽引砲とは違い、動力機関を内蔵して自ら動くため、自走砲という。陸上戦では機動性を備えた自走砲は欠かせない。

1990年代後半に戦力化したK-9自走砲は、韓国が開発した代表的な国産武器。
1999年以降、約1000門のK-9を、ペクリョン島・延坪島など西北島嶼と最前方地域を中心に配備。
最大射程距離が40キロ以上で、速い発射速度のため世界トップ級の自走砲という評価を受けている。

しかし、2009年以降は問題が相次いで発生し、納品過程で不正が摘発されるなど雑音が多い。2010年11月の北朝鮮の延坪島砲撃の際、海兵隊が延坪島に配備した6門のK-9を使用したところ2門が作動しなかった。
2016年の国政監査当時、K-9自走砲は、過去5年間に1708回の故障が発生したという指摘されていた。

軍当局は、煙が漏れて火炎が発生したとすれば自走砲自体に機械的欠陥があるということであり、砲兵の主戦力であるK-9の運用に難題を抱える。
以上、

韓国では、K-9自走砲の製造にかかわる部品・部材納入業者の品質証明書偽造事件が多くの業者で発覚している。
約1000台の既存のK-9自走砲の金属検査・部品検査および閉鎖機の性能問題も含め、検査が必要だろうが、検査には限界があると見られ、今後とも大なり小なりの問題は発生し続けるものと見られる。
購入先国で、何か問題が生じれば、補償問題にも発展しよう。

韓国のK-2戦車も世界的な名機とされ評価が高い。しかし、動力性能に欠陥があり、開発段階に使用されたドイツ製エンジンを搭載せず、自国産エンジンに切り替え、問題を多発させている。K-2にも、当然、閉鎖機が搭載されているが、製造会社が異なることからか、問題はなさそうだ。
自走砲も戦車も室内はほぼ密室状態となる。

韓国製武器の問題点は、開発認証段階では、優秀な武器でも、量産に入れば、部品・部材の品質偽造が多発し、数年前には、多数の納材業者と軍の幹部たちによる贈収賄事件が発覚していた。そのため、調達部門が独立したが、製造会社の納材での不正は、製造会社が、金のかかる品質証明書等の膨大なチェック体制を構築しない限り、不正を防御することができない。
国を守る軍事用品にも多くの不正が行われるのは社会システムの問題でもある。
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[ 2017年8月22日 ]

 

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