今回の事態は、北京現代汽車にプラスチック製燃料タンクを独占的に納品する中国の下請け企業、北京英瑞傑が部品代金の支払いを４ヶ月受けていないとして、納品を拒否したことが発端。
自動車部品は２万種類に達するが、うち1つが欠けても自動車を生産できない。
北京英瑞傑に対する未払いの部品代金は約１億１１００万元（約１８億３千万円）だという。
　現時点で工場の操業中断と直接関係がある部品メーカーは、北京英瑞傑だけだが、他の部品メーカーも苦しい状況であることに変わりはない。
現代自と共に中国に進出した韓国の部品メーカーは１４５社ある。
その大半が３月以降、部品代金を受け取れずにいる。

韓国自動車産業協同組合のコ・ムンス専務は「中国の部品メーカーが４～６ヶ月にわたり代金を受け取れずにおり、キャッシュフローの危機に陥っている。
韓国の本社から資金を借り入れたり、北京の産業銀行から融資を受けたりして、何とか持ちこたえている」と説明した。

北京現代は、現代自動車と中国の北京汽車が折半出資する合弁会社で、資金管理は、北京汽車が担っている。
現地の業界関係者は、「北京現代内部では、資金を借り入れてでも部品代金を支払うべきだという意見があるが、決定を下せずにいる」と話しているという。

現代自の中国での販売不振は、今年３月のTHAAD配備以降本格化した。
現代・起亜自の今年１～７月の中国における販売台数は５０万９６３台で、前年同期（８７万８３７５台）に比べ▲４３％減少した。
中国現地工場での生産台数は同じ期間に６７．５％減少した。
　現代自担当者は「事態を解決するため、下請会社と納品再開に向けた協議を行っている。
説得できなければ、他の下請会社を探すことになる」とした上で、「現地の事情からみて、すぐに工場の稼働を再開するのは難しいのではないか」との見方を示した。
以上、韓国紙参考

起亜自動車含む現代自動車グループは、昨年、中国で１７９万台販売して、過去最高を記録していた。

現代自動車は、習朴蜜月時代に中国に３０万台規模の工場を２ヶ所建設すると発表、習国家主席を喜ばせていた。しかし、昨年１０月河北省滄州市にある第４工場を完成させたものの、今年になり、ＴＨＡＡＤ配備における不買運動により、生産調整のニュースも伝わっていた。すでに第５工場である重慶工場も完成し、試験操業を開始している。

中国での生産キャパは６０万台も増加するというものの、ＴＨＡＡＤ問題から売上台数が激減、大市場のアメリカでも市場低迷以上に販売台数を落としており、同社は非常事態となっている。

おまけに現代自動車は、ソウル市中心街に破格の高値買いで韓国電力公社保有地を購入し、現在、５００メートル超える超高層の複合本社ビルを建設している（総投資額は約１．５兆円ともされている、資金の固定化問題）。

昨年９月、傘下の起亜自動車は年生産規模４０万台の生産工場をメキシコに完成させ、同国で売りまくっている。しかし、利益度外視の販売台数稼ぎの様相も見て取れる。自社の景気がよければ、市場占有率拡大のための戦略的なインセンティブ販売も必要だろうが・・・。
現代・起亜は、労働組合が高給取りの労働貴族、世界一煩く、遊ばせることもできず、米国への輸出も必要、結果、米国販売不振でもメキシコ工場を遊ばせることもできない事情がある。
大変だぁ。

今回の生産中断は、協力業者への支払い問題から生じており、現代自動車が対応を誤れば、協力工場がパニック状態に陥る危険性もあり、連鎖で世界の協力企業にも、取引条件悪化などで大きな影響を受ける可能性すらある。

　　現在の韓国経済の状況からして、韓国経済は、サムスンと現代自動車で持っていると言っても過言ではなく、サムスンも実質ドンが、朴大統領のお友達の崔順利ゲート事件の贈賄側として収監されており（１審では状況判断だけで５年の実刑判決、控訴中）、現代自動車まで、こうしたことにより経営上の問題にまで発展すれば、もうグチャグチャ状態に陥る。

文在寅先生は、韓国経済が悪化している中、特に財閥企業の大手に対して大増税を宣言し、大幅な予算増を図っている。・・・悪い予感までする。