アイコン 金正恩 習近平の顔に泥を塗り続けるその思惑と今後

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中国は習国家主席に残りの任期の5年を任せるかどうかの中国共産党大会を10月に控えている。
そうした中9月3~5日、新興5ヶ国(BRICS)首脳会議が中国・厦門で、国境で係争問題を抱えるインドのモディ首相(直近、衝突現場から撤退)やロシアのプーチン大統領を招聘して開催された。
当然、習国家主席にとっては、中国共産党大会を10月18日に控え、(インド側が係争地から撤退も含め)大国外交の成果を強調する場面でもあった。
しかし、現実は、北朝鮮がBRICS会議の開催日に合わせ3日核実験を行い、中国の北朝鮮に対する外交の非力さを、世界中にさらけ出す結果を招いた。

<最初、習が金の顔に泥を塗る>
習国家主席と金正恩とは、友好国関係ながら、共に就任して5年も経過しようとしているが、これまで1回も会談も相互訪問もしたことがない。それどころか、それまでの慣例を破り、習主席は朴大統領時代(2014年6月)に、金正恩の顔に泥を塗るように韓国へ訪問までした。

<金が習の顔に泥を塗る 今年3回目>
そうしたこともあるのか、習氏が北朝鮮にメンツを潰されたのは、今回も含めこの1年間だけでも3度目となった。
昨年9月5日、杭州で開かれた20ヶ国・地域(G20)首脳会議の最終日に、北朝鮮は3発の弾道ミサイルを発射した。
今年5月14日には、習氏自らが掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を宣伝する国際会議の開幕式当日に、北朝鮮は再び弾道ミサイルを発射した。

<北朝鮮の狙いは>
「北朝鮮は、習政権が大きなイベントを行うたびに挑発行為をしてきた。金正恩・朝鮮労働党委員長の本当の狙いは、中国に圧力をかけることではないか」、
「金正恩は、習氏がワシントンに対し影響力を持つ人物だと知っている。北朝鮮と米国の話し合いの仲介役になってほしいとプレッシャーをかけているのではないか」
との見方もなされている。つまり、相次ぐ北朝鮮の挑発行為は、中国が米朝協議実現のために動かなければ、習氏の顔に泥を塗り続けるという“脅し”の可能性があるという。

トランプ米政権からは「北朝鮮を制裁せよ」と強い圧力をかけられ、米朝の板挟みの状態になっているのが今の習政権といえる。

中国の外交関係者によれば、中国が危機回避に向けて、水面下で働きかけているのは、米朝に仲介役の中国を交えた新たな3ヶ国の枠組みによる対話だという(ユダヤ人の米キッシンジャー元米国務長官の提案と同一、今秋ユダヤ人で娘婿のクシュナー夫妻が中国に招待されている)。
だが、まだ実現するに至らず、米朝がそれぞれの思惑で習近平政権に圧力をかけている野が現実のようだ。

<プーチン発言>
ロシアのプーチン大統領も、中国に強く圧力をかける。BRICS会議の首脳会議の閉幕後、記者団に対し、
「(北朝鮮に対する)制裁は、もう限界に達して効果がない」、
「北朝鮮は雑草を食べる(諺引用)ことになったとしても、自国の安全が保障されない限り(核開発の)計画をやめない」、
一見、日米が主導する北朝鮮への制裁強化に否定的な考えを示しただけに映るが、外交関係者は、訪問先の中国でこの発言をわざわざしたのは、「日米と同じ行動をとらないよう中国を牽制する狙いがある」と指摘している。

<中国のシナリオ>
中国の識者も「核兵器を持つ北朝鮮より、崩壊した北朝鮮の方が中国にとってリスクが大きい」と語っている。
中国にとって最悪のシナリオは、
(1)大量の難民が中国に押し寄せる
(2)親米政権が誕生する
事態。
北朝鮮の金正恩政権を崩壊させかねない石油禁輸に反対する背景には、こうした事情があると見られる。
同時に習氏は、10月18日の共産党大会で権力基盤を固めるまで、米中関係の決定的対立も避けなければならない。

国連安全保障会議は9月11日に予定され、米国は北朝鮮制裁案に石油禁輸を盛り込んでいる。中国は上限付きで承認すると見られている。

米国は、軍事行動を起こしたとしても北朝鮮の(中国関係との関係で)現状の体制を覆すことはないと述べているものの、軍事行動では韓国も参戦し、当然、韓国主導で南北が統一される可能性が高く、米国も民族の問題から止められず、中国はそれを一番恐れ、中国のレッドラインは、「米国が金政権の転覆を目指す軍事行動を起こしたときだ」とし、米韓の北朝鮮攻撃にあるとされる。
以上、産経ほか報道参照

2013年3月に国家主席に就任した習近平が、金正恩を嫌うのは、2013年12月、金正恩の叔父で金の後見人と見られていた№2で中国派の張成沢(国防副委員長兼朝鮮労働党中央委員会行政部長)とその関係者を処刑したことによるところが大きい。(北朝鮮の中国人脈が途絶えた)

北朝鮮は9月9日の建国記念日を待たずして9月3日に核実験を行ったことで、こうした見方がなされている。

中国軍は9月4日から、北朝鮮国境沿いの豆満江周辺で大規模軍事訓練を行っているという。
2015年8月、北朝鮮軍が韓国の北朝鮮向け情宣スピーカーに対し数発砲撃(まったく命中せず)、韓国軍は情報不足から血迷い百発以上の砲撃で反撃した。その報復を北朝鮮軍が行った場合、局所的に戦争になっていた可能性もあり、拡大すれば全面戦争の可能性もあった。そうした事態に、中国軍は豆満江沿いに大軍を急展開させた。

2016年9月、北朝鮮の5回目の核実験の際も、米国が北朝鮮を攻撃する可能性から、中国とロシアはそれぞれの国境線沿いで、北朝鮮難民を追い返すための大部隊を展開させていた。

国連で北朝鮮制裁に同調する中国に対して、北朝鮮の元高官が講演で「中国は、(北朝鮮の核ミサイルの」射程に全域入っている」と述べたと報じられていた。当然、金正恩が話させたもの。それはそれで、今の金正恩体制は中国にとっても、言うことを聞かず、何をしでかすか分からない分だけI脅威にもなっている。

中国で現在、7人の常務委員で北朝鮮とコンタクトが取れるのは、№3の張徳江(江派)だけ、習は張が江派だけに使いたがらないが、習が向こう5年の体制固めをする共産党大会後には、使わざるを得ないだろう。
 

[ 2017年9月 7日 ]
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