アイコン 北京自動車 現代自動車との合弁解消を検討か

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0908_01.jpg現代自動車と現代車の中国パートナー「北京汽車」の関係が悪化の一途。最近、合弁企業「北京現代」の現地工場が相次いで停止した背景には、両社の不協和音があるという分析が出ている。

<北京汽車が現代自との合弁事業終了を検討と>
中国人民日報の姉妹英字紙グローバルタイムズは、北京現代の消息筋を引用し、「北京汽車が現代車との合弁を終えることまで考慮している」と報じた。
これによると、北京汽車はコスト削減などのために北京現代に納品する会社を中国現地企業に切り換えるよう要求した。
しかし、現代車は、中国納品会社は、技術力と品質が落ちるという理由でこれを拒否してきた。

こうした葛藤は2002年の合弁企業設立後からあったが、最近、中国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)報復で、北京現代の販売台数が急減したことで水面上に浮上したという説明。

ある消息筋は「売上減少で、北京汽車は打撃を受けたが、現代車は韓国部品会社のおかげで利益を出した」と伝えた。
別の消息筋は、「北京現代は、折半出資にもかかわらず、現代車が主導権を行使している」とし「副社長10人のうち8~9人が韓国人であり中国人は1人にすぎない」と伝えた。

現代モービス・現代ウィアなどから高い単価で部品の供給を受け、現代車側が北京現代の収益を横領しているというのが北京汽車側の不満。

<現代車の見解>
現代車は、根拠のない悪意の報道という立場。
現代車の関係者は、「現代モービスの中国法人が赤字を出すなど部品会社もTHAAD報復の衝撃をそのまま受けている状況」とし、「現地の会社に変える場合、技術力の差による部品品質問題が発生し、販売減少などさらに大きな問題が発生するおそれがある」と説明した。
続いて、「一方的な主張だけを載せ、貪欲(greed)や傲慢(arrogance)のような低俗な表現まで使って非難するのは理解できない」と述べた。

問題は、両社の不協和音がさらに高まっている点。
自動車業界によると、中国のTHAAD報復による販売不振で代金の支払いが遅れると、中国現地企業は納品を拒否し、このため北京現代は最近、中国工場の稼働を相次いで停止した。
韓国協力会社も3、4ヶ月間の納品代金を受けていないが、現代・起亜車との長期間の関係を勘案し、納品を続けている。
しかし、北京現代は、韓国部品会社への代金支払い条件として納品単価の20%割引を要請している。
事実上、中国納品会社と同じ水準に価格を引き下げろという脅迫。
北京汽車が、韓国の協力会社に対して、もう一つの「THAAD報復」をしているという分析が出ている理由。

北京現代は、韓国の現代車が生産を、中国合弁パートナーの北京汽車側が財務を担当しているため、現代車側が下請け代金を支払うにも支払えない構造となっている。

現在、中国には韓国の協力会社142社が進出、289ヶ所の工場を稼動し、現代・起亜車に部品を納品している。
現代車は、北京汽車のこうした要求が協力会社の負担を加重させるとして反対の立場を明確にしている。

現代車の関係者は、「現代車と韓国協力会社が構築したシステムが崩れかねないと懸念を表明した」とし、「北京汽車とは、今でも強い協力関係を構築していて、お互い相談しながら接点を探っている」と説明した 。

これに関しロイターは、「北京汽車は、工場中断問題を(現地部品会社からの調達を増やす形で)短期間に解決しようとしている」とし、「一方、現代車は今後5~10年かけて徐々に解決しようという立場」と分析した。
以上、韓国・中央日報氏参照

中国の報道機関の記事は、すべて検閲にかかっており、政府の意向を反映させたものになっている。今回の現代自動車の操業停止・支払い保留問題の報道は、THAAD追加配備問題から、中国発でクローズアップされており、注意が必要だろう。
現代自動車を血祭りに上げることで、外資合弁自動車会社に対して、現地企業からの調達率を増加させる効果もある。

現代自動車の8月末の中国工場の操業停止は、中国合弁会社の北京現代汽車にプラスチック製燃料タンクを独占的に納品する中国の下請け企業「北京英瑞傑」が、部品代金の支払いを4ヶ月受けていないとして、納品を拒否したことが発端。北京英瑞傑に対する未払いの部品代金は約1億1100万元(約18億3千万円)だという。
その北京英瑞傑は、北京汽車とフランス企業の合弁企業であり、北京汽車のしたたかな下請け代金値引き問題が根底にあるようだ。
(操業がすぐ再開されたのは、問題が大きく報道され、北京自動車側が折れたものと見られる。北京英瑞傑については支払いについて協議中だとしている)

現代自してみれば、北京現代の財務内容が悪化しているわけではなく、支払い能力は十分すぎるほどあるとしている。

韓国紙は、財務・支払いを担当する北京汽車側が、当初利益計画どおりに利益を出さなければ、販売台数が半減している中で、出資に対する配当を計画通り貰えないことから、こうした下請先に対して強硬手段に出ているものと見ている。

<習政権にとって朝鮮半島は風水で凶方位のようだ>
習政権は、韓国のTHAAD追加配備で、更なる制裁を加える動きを見せており、現代自がターゲットになった場合は、現代自は非常に危険だが、進出させている先進国と進出企業が、資本開放問題にすることは目に見えており、中国政府としては、こうした嫌がらせを続させることしかないだろう。

習政権しても、朴大統領と蜜月時代を築き上げたものの、中国の南沙諸島埋め立て問題を抱える米オバマ大統領から朴大統領は「どっちをむいているのだ」と恫喝を入れられ、朴大統領は習離れを引き起こしTHAAD配備に至った。

習政権は、文在寅政権誕生に向け、昨年12月には特使(陳海東アジア副局長)を当時、韓国野党の共に民主党に派遣して支援した。就任した文大統領は期待に応え、THAAD追加配備を環境アセス問題から繰り延べさせた。
しかし、ここでもまた、7月28日の北朝鮮ICBMミサイル発射実験に激怒した文大統領は、THAADの追加配備を早急に行うよう命じた。
中国政府は、文大統領に対して「初心に帰れ」と警告したものの元の木阿弥。習主席にしてみれば、朴大統領に続き、文大統領からも裏切られた思いだろう。

中国政府の庇護の下にある北朝鮮でも、金正恩委員長は、中国政府に楯突くばかりで言うことを聞かず、核・ミサイル実験をやりたい放題。
こと朝鮮半島については、習主席も思い通りには進まず、ほとほと困り果てているようだ。

北京自動車=北京汽車:現代自とダイムラーと合弁事業を行い、模倣が得意な自社生産車もある。ダイムラーとEV電池事業に乗り出している。中国自動車メーカービッグ5以外の会社。

[ 2017年9月 8日 ]
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