米韓FTA見直し交渉の行方 これまでの対米姿勢を突かれる
アメリカ№1米トランプは、日本とFTA(自由貿易協定)を締結すべく動く一方、締結していた韓国FTAやメキシコ・カナダとのNAFTAでは、貿易赤字の拡大から見直し作業に入っている。
韓国に対しては、商売人の米トランプは見直しどころか「破棄」までチラ付かせ、先制の強烈なパンチを浴びせて見直し交渉に当たらせている。
こうした米国の動きに、韓国は来た朝鮮問題に乗じて、米国から最新武器購入の了解を取り付け、今後、米製武器輸入を拡大、果ては米国が喜ぶだろうと原子力潜水艦まで購入打診しているが、米国の交渉手法は、各産業界の要望に基づき交渉に当たることから、難儀するものと見られる。
米韓 FTA 締結前後の貿易額
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/億ドル
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韓国
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アメリカ
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貿易額
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対米輸出
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対韓輸出
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赤字額
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両国間
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2010年
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489
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388
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101
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877
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2011年
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567
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435
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132
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1,002
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2012年
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589
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423
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166
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1,012
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2013年
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634
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416
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218
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1,050
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2014年
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697
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446
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251
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1,143
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2015年
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718
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435
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283
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1,153
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2016年
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699
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423
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276
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1,122
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・米韓FTAは2011年2月締結、2012年3月15日発効。
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・2016/2011の比較で、韓国の対米輸出は23.2%増、132億ドル増加。
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・2016/2011の比較で、米国の対韓輸出は▲2.8%減、▲12億ドル減少。貿易赤字額は倍増。
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<外貨準備高と米国債残との関係>
韓国は外貨準備高(3,848億ドル)をこれまで増加させてきたが、政策的には特に増加させることはなかった。
また、今年7月の米国債残高は979億ドル(日本は11,131億ドル)、残高は米国に対する信頼度数でもあるが、韓国は貿易大国でありながら、外貨準備高の25%しか米国債を所有していない(日本の外貨準備高は12,422億ドル/4月末、米国債残との関係割合89%)。
こうしたことも、米国側からみれば、貿易赤字の元凶となったFTAの見直しにおいて、控除できる項目・貢献度数を少なくしてしまっている。
これまで米国による貿易赤字の日本たたきでは、日本は強烈な制裁を何回も受けてきており、その知恵が米国債購入となっている。
韓国の場合、これまで米韓の貿易問題など皆無、兵器さえも米国以外から購入する始末、貿易摩擦問題での防御がまったくなされていない(ダンピング課税など個別案件は除く)。
自動車にしても、米国で現代・起亜は、昨年142万台販売したが、米工場をフル稼働させたとしても2ヶ所の計60万台、残り82万台を、韓国内の工場を中心に、米国周辺国に配置した工場から米国へ輸出して、販売したものになっている。
2012年のFTA締結以来、米国車の韓国での販売台数は、2万台から6万台に急増したものの、米国で韓国勢が輸入して販売した台数に比較することもできないほど小さい。
ただ、韓国経済を考えれば単純なものではない。
単に問題をクリアするためには、対米輸出額の大きい大企業が、米国内に工場を新たに造ればよいが、その反動は、韓国内の工場の大量リストラが必至。
現行、10%以上という青年失業問題を抱える中、さらに深刻な問題が加わる。
これまで韓国企業は、生産コスト=価格競争力強化・輸出拡大に基づき、中国、東南アジアなどへ進出してきたことに加え、各国が保護主義色を強め、現地生産がおのずと増加している状況下でもある。
そうした企業環境でのFTA問題は、さらに韓国の輸出企業の見直しも米国は対象としている(米国が、韓国製品をダンピング認定すれば、当該生産の韓国企業が、ベトナム子会社やマレーシア子会社などから米国へ輸出させ、ダンピングの効力を形骸化させているとカンカンになっていた)。
韓国の産業空洞化はさらに進み、産業規模に比し内需が小さく、家計負債が大きい韓国にあっては、一部を除き、こん日の日本より深刻になる可能性もある。
これまで韓国経済の成長の原動力であった財閥主体の産業構造も、官民癒着、資本自由化に対する閉鎖性、賃金格差などの問題から転換期を迎えている。
韓国の外貨準備高
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外貨準備高(10億ドル)
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2010年
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291.49
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2011年
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304.25
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2012年
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323.20
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2013年
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341.65
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2014年
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358.78
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2015年
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363.14
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2016年
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366.30
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2017年9月
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384.84
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・米国債残高97.9(2017年7月、10億ドル)
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