中韓スワップ 10日に迫る
中国は向こう5年間の習体制を決定する10月18日からの中国共産党大会を控え、習近平国家主席は、これまでに敵対勢力一掃もふくめ不正・腐敗撲滅により国政掌握に成功してきた。しかし、防衛・外交上では、北朝鮮問題が韓国のTHAAD配備問題を含めて中国金融当局にも頭をもたげている。
そうした中、10月10日に中韓の通貨スワップ3600億人民元(約6兆840億円)が更新時期を迎える。
韓国としては、9月末までには中国側から何の反応も得られなかった。
韓国銀行によると、中韓のスワップは、韓国が締結している通貨スワップ全体の45.8%を占め、自国通貨(LC)スワップの67%で最大。
したがって中韓通貨スワップの満期延長が失敗に終わった場合、通貨危機の時に使える外貨資金が半減することになる。
9月29日、李柱烈韓銀総裁は「韓国も中国人民銀行も過度な関心は負担」とし、「これまで協議を進めてきたが、双方ともにできるだけ早期に結論を出したいと思っている」と明らかにした。
対外経済政策研究院のユン・ドクリョン上級研究委員は「中国と韓国が人民元とウォンで決済すれば、ドル需要が大幅に減少する」としながら、「ドルの依存度を減らすことができるため通貨スワップは必要」と述べている。
以上、報道など参照
今回の中韓スワップが、中国により更新されるならば、中国当局のこれまでの韓国に対する強行制裁に対する柔軟姿勢への転換ともなる。
ただ、今月18日の大会を控え、大会は、その強力な指導姿勢と成果をアピールする場でもあり、韓国にとってスワップ更新の日程環境が、悪すぎるものになっている。
ただ、韓国の2016年の輸入総額は4,057億ドル、準備高は3,848億ドルで問題はないが、万が一の為替低下場面での海外投資家の引き上げによる暴落が危惧されるところ。
債券市場や証券市場の海外勢の所有割合が問題となってくる。
韓国の外貨準備高
|
|
|
外貨準備高(10億ドル)
|
2010年
|
291.49
|
2011年
|
304.25
|
2012年
|
323.20
|
2013年
|
341.65
|
2014年
|
358.78
|
2015年
|
363.14
|
2016年
|
366.30
|
2017年9月
|
384.84
|
・米国債残高97.9(2017年7月、10億ドル)
|