アイコン トランプの1年 公約の現状

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<実現できた公約>

★最高裁判事に保守派を指名

出だしからトラブル続きのトランプ政権にとって、最初の明確な勝利の1つが連邦最高裁判事の人事。

共和党が多数派を占める上院は、オバマ政権が指名した穏健派判事の承認を先延ばしにしていた。銃の所持を認める「合衆国憲法修正第2条を尊重する」判事の登用を公言していたトランプは、その空席に保守派のニール・ゴーサッチを指名。4月に上院で承認された。

 

★パリ協定からの離脱
かねてから地球温暖化は作り話だと訴えてきたトランプは、気候変動対策の新たな国際的枠組みであるパリ協定についても、アメリカ経済の成長を阻む規制だとの批判を展開。

今年6月に正式に離脱を表明した。

脱退が実現すれば、パリ協定に参加していないのは世界第2位の温室効果ガス排出国アメリカだけになる。

(地球温暖化の環境問題は、避けられない問題、米国だけが離脱、世界中から米国自身が嫌われてしまった。)

★環境規制を緩和する

カナダからテキサス州のメキシコ湾岸に原油を運ぶ「キーストーンXLパイプライン計画」を、オバマ政権は環境への影響などを理由に却下していた。

しかし、この方針の撤回を公約に掲げていたトランプは就任早々に計画を推進する大統領令に署名。環境への悪影響はなく、多くの国内雇用を生み出す施策だと主張するが、米環境保護局(EPA)は異議を唱えている。

(トランプケアを議会に提出できなかったのは、コーク兄弟の配下の共和党内の「フリーダム・コーカス(自由議員連盟)」30 ~40人の反対にあった。そのため、石油精製所をいくつも持つコーク兄弟対策にパイプライン計画を認可した。その後、フリーダム・コーカスグループは、トランプの提出法案に反対していない。効果抜群)

 

★不法移民を強制送還
不法移民はアメリカから「出ていけ」と繰り返していたトランプ。強制送還の対象者は全ての不法移民1100万人以上から犯罪歴のある約80万人に絞られたものの、当局に身柄を拘束され国外追放されるケースは増加している。特に注目されるのは、15歳以下で入国した不法移民の強制送還を免除するオバマ時代の救済措置の行方。トランプはこの措置の撤回を発表したが、まだ、議会でも裁判でも協議が続いている。

 

  • 自由貿易と距離を置く

トランプは自由貿易推進の要であるTPP(環太平洋経済連携協定)やNAFTA(北米自由貿易協定)を否定し、保護主義を通じた貿易赤字の解消とアメリカ人の雇用拡大を公約に掲げた。就任からわずか数日後には、TPPを離脱する大統領令に署名して関係各国を驚かせた。

NAFTAについても再交渉が続いており、11月半ばから第5回会合が行われる予定。

 

<実現できなかった公約>

★オバマケアを撤廃する
トランプはバラク・オバマ前大統領が遺したオバマケア(医療保険制度改革法)を「大災害」と酷評し、今年1月の大統領就任初日に見直しに向けた大統領令に署名した。だが本当の関門はその後。議会共和党の代替法案作成が難航するなか、トランプは「これほど複雑な問題だとは誰にも分からなかった」と語った。結局、共和党内から造反者が出て代替法案は上院で否決され、今後の道筋は見えないまま。

 

★メキシコ国境に壁を建設
不法移民対策としてメキシコとの国境に壁を建設し、その費用をメキシコに負担させるという勇ましい公約は支持者を熱狂させた。だが就任直後に壁の建設を命じる大統領令に署名した後も、事態は動かず。民主党との予算折衝は行き詰まり、4月には国土安全保障省のジョン・ケリー長官(当時)も「大陸を横断する形で壁、あるいは物理的な障壁を建設する可能性は低い」と認めた。

 

★クリントンを訴追する
選挙期間中、トランプの支持者たちは対立候補ヒラリー・クリントンの私用メール疑惑をやり玉に挙げ、「彼女を収監しろ!」とシュプレヒコールを上げた。トランプも昨年10月のテレビ討論会で「私が勝利したら、あなたの状況を調べる特別検察官を指名するよう司法長官に指示する」と発言。だが選挙後は「アメリカはクリントンに『恩義』がある」とトーンダウンし、訴追の話は立ち消えに。

(まだツイッターで執拗に叩き続けている)

 

★イスラム教徒の入国禁止
トランプは就任早々、イスラム圏7ヶ国の出身者のアメリカ入国を一時停止する大統領令に署名した。

だが、全米各地で抗議デモが相次いだ上、複数の連邦裁判所に執行停止を命じられて計画は頓挫。

ただし、その後署名した新たな大統領令の一部は執行が認められ、イスラム圏6ヶ国からの移民は、米国内に住む人物・団体との「真正の関係」を証明することを求められるように。

 

★あらゆる人に減税を
トランプは個人の所得税率と連邦法人税率をそろって引き下げる大型減税を掲げ、「あらゆる人々、特に中間層が減税の恩恵を受けられるだろう」と豪語していた。実際、9月には約30年ぶりとなる抜本的な税制改革案を発表したが、恩恵を享受できるのはごく一部の富裕層に限られるとみられ、批判の声が上がっている。

(下院では可決したが、共和党が過半を握るものの勢力が拮抗する上院ではこれから。そうした中、共和党の上院議員をツイッターでタタキ続けている。見境なしに敵を作り続けており、減税法案成立はムリだろう。)

 

★無駄遣いと休暇を減らす

選挙期間中のトランプは、オバマがゴルフばかりしていると批判し、「自分が当選したらホワイトハウスをめったに留守にしない」と語っていた。だが、就任以降、彼がゴルフ場で過ごした日数は既に70日以上。

家族による「無駄遣い」も目に付く。妻メラニアと息子バロンは6月までニューヨークで暮らしており、ワシントンとの往復の旅費や警備費に巨費が投じられた。

以上、ニューズウィーク参照

 

トランプは北朝鮮とのチキンゲームに興じ、見事、日韓に巨額武器売却を約束させ、中国とは米への巨額投資を引き出している。

その見返りが、北朝鮮による核実験とミサイル発射実験の加速・アメリカを射程に入れるICBM開発だった。

 

中東ではアメリカは弾き飛ばされようとしている。

イラクは同じイスラムシーア派の(トランプが嫌う)イランに食われようとしており、シリアはロシア主導、NATO加盟のトルコはロシアに傾斜、カタールと断交したサウジに、巨額武器売却を約束して断交に賛同したトランプ、そのサウジは皇太子が数百名いるとされる王子様退治に出ており、大きな不安定要因になっている。

レバノン問題=シーア派のヒズボラ問題も浮上してきている。

イラクのクルド人問題=原油大生産地のキルクーク問題もIS崩壊により、次の問題として急浮上しているが、仲介に出る幕もなさそうだ。

大好きなイスラエルに同調して、核問題でイラン口撃したものの、欧州・ロシア・中国から反発されている。

大好きなイスラエルもトランプの米大使館のエルサレム移転公約が訪問時に発表されず、間を置いている。

欧州からもNATOでは喧嘩を売り、移民問題でナショナリストの政党の党首を褒め立て、嫌われ者。盟友の英国さえまだ訪問すらできないでいる。

 

内政では、個人や組織に対して口撃ばかりして嫌われ者、自らの自慢話とフェイクニュースばかりツイートしている。支持率も歴代大統領の1年内では最低を記録し続けている。

身内や側近たちによるロシアゲート事件も捜査が進められている。

米軍最高幹部や関係者たちも感情で動くトランプと一線を置く姿勢を鮮明にしてきている。

トランプに品も格もないところにアメリカそのものが世界から嫌われ、国家ブランド価値が低下し、訪米観光客すら減少している。

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[ 2017年11月22日 ]

 

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