韓国の3NO盟約と中国のTHAADに関する要求事項
韓国外交部の康京和長官は中国を訪れ王毅外相が22日、12月中国訪問を約束している文在寅大統領の訪問内容の下打ち合わせの会議を行った。
ところが、王毅外相は、
「韓国が明らかにした▲THAADの追加配備をしない▲米国のミサイル防衛(MD)システムに参加しない▲米日韓3ヶ国の軍事同盟を推進しない・・・という『三不(3NO』の立場と、臨時で配備されたTHAADシステムによって中国の安全保障の利益を損なうつもりはないとした立場について、注視する」とTHAADに言及した。
さらに王外相は「中国には、『言葉には信用がなければならず、行動には結果がなければならない(「言必言、行必果」・・・孔子の言葉)』という言葉がある」と説明したという。
王外相は、康長官との会談で「未来の両国関係の発展に対する戦略的計画を立てなければならない」として、「『一帯一路(中国主導の経済圏構想)』の枠組みの下で、戦略的連携と実務協力を強化する」ことを要請したという。
文在寅政権は国家主権放棄の3不=3NOの盟約を10月31日に中国側に行った。それ以前の7月に、中国側が韓国に求めたTHAADに関する要求が4つある。
1、星州のTHAAD敷地の現地調査、
2、技術的説明、
3、THAADレーダーの性能を落とす技術的措置
4、THAADのXバンドレーダーの中国方向への遮断壁設置、常駐監視
(THAADは駐留米軍が設置したものであり、韓国軍は警備などを除けば一切管理・関与しない)
当然、中国側は韓国側の3NO盟約とは別に、当要求の履行を韓国側に求め続けている。
以上、
中国が韓国に求めた「言必言、行必果」(孔子)
・・・なんだか韓国が日本との慰安婦合意を守ろうとはしない動きをけん制しているようにも聞こえる。
韓国のTHAAD(射程200キロ)追加配備をしない盟約は、星州のTHAAD追加配備(1セット6基、4月2基設置・9月4基追加設置)に慎重だった文在寅が、北朝鮮が度重なりミサイル発射することからヒステリーを起こし、7月末にいきなり、THAAD4基の追加配備を早急に行うと発表、9月4基が設置された。
中国側はカンカンだったが、これ以上制裁するものも限られ、文在寅に対して陳海との密約を守るよう「初心に帰れ」と忠告した。
しかし、半島南部星州に配備されたTHAADの守備範囲は、北部の2500万人のソウル都市圏をカバーせず、10月末の3NO盟約では、中国側に追加配備しないと盟約している。
現在所有している中古のPAC3と新規購入するPAC3(射高15キロ×射程20キロ)で防衛することになる。当然、守備範囲は非常に狭くなる。それに国産迎撃ミサイル・・・
2016年4月の韓国の報道では、韓国初の国産迎撃ミサイルとなる中距離地対空ミサイル「天弓」改良型の「M-SAM」(射程20キロ)が、試験発射で命中率100%を記録し、2017年から量産に入り、2018年から配備する。北朝鮮の弾道ミサイルを想定した7発のミサイルを全て迎撃することに成功した。
韓国型ミサイル防衛システムKAMDの中核を「L-SAM」と共になす。
・・・すばらしい、PAC3を新たに購入する必要などないだろう・・・(米国から最新兵器購入のリスト入り)。
韓国は、9月15日の北朝鮮の弾道ミサイル発射に文在寅大統領が激怒し、北の発射の6分後に、日本海へ向け、国産ミサイル玄武2号を2発、威嚇のため発射させた。しかし、1発は失敗した。
ただ、北朝鮮側は、韓国製ミサイル玄武2号の発射に恐れ戦き、それ以降、一回もミサイル実験を行っていない(笑)。