残る北朝鮮制裁は「原油輸出禁止」と「海上封鎖」しかない ティラーソン長官辞任説
米国務省のレックス・ティラーソン長官は29日、弾道ミサイル発射直後に発表した声明で、「国際社会は、実施中の国連制裁に加え、北朝鮮に出入りする物資の海上輸送を阻止する必要がある」と指摘した。
これは、米国独自の海上封鎖を試みることを示唆したものと捉えられている。
北朝鮮に対して会話を通して解決しようと語っていたティラーソン国務省長官、何があったのだろうか。
米国様が相手、日本政府は自らが法律であり、北朝鮮の現状を存立危機事態・武力攻撃事態と認定し、米国の海上封鎖に応じ、北朝鮮船及び北朝鮮に入港する船舶の臨検に当たることになる。
<残る制裁は原油輸出禁止と海上封鎖しかない>
米国が、北朝鮮に対して使える制裁の手段は、「原油供給遮断」と「海上封鎖」しか残っていない。特に海上封鎖は、イラン攻撃の例に見られるように「軍事オプションの直前の措置」になる可能性もある。
米国は、北朝鮮の火星15型発射後に緊急招集された国連安保理会議で、中国の対北朝鮮原油供給の中断を要求した。トランプも、習との電話で原油供給の中断を要求した。
今年9月の国連安全保障理事会が採択した対北朝鮮決議2375号では、北朝鮮に供給される精油製品の量を▲55%削減するが、一年に約400万バレルと推定される原油供給量は、現在のレベルで維持される内容だった。
米ヘイリー国連大使が、この日、安保理で「戦争が起これば、北朝鮮は完全に破壊されるだろう」と警告した。(ヘイリー女史は国連で常に強行・凶器な意見を発している)
米国は、オバマ時代の昨年9月、安保理に提出した決議案の草案に、北朝鮮の船舶を国連加盟国が公海上で強制的に停船させ、臨検できるようにする内容があった。しかし、中国とロシアが国際法的に公海上では船舶航行の自由が保障されているという理由を挙げ反発、結局、米国が取り下げていた。
以上、
<ティラーソン国務長官辞任説>今回は濃い
こうした中、また、ティラーソン国務長官の辞任の噂が流れている。
29日の海上封鎖の発言は、そうした噂に対する答えだろうか。
米紙ニューヨーク・タイムズと米誌バニティ・フェアは30日、複数の匿名政府筋の話として、政府はティラーソン氏を退任させて、中央情報局(CIA)のマイク・ポンペイオ長官(元下院議員、ティーパーティ主導、保守派)に交代させる計画だと伝えた。
さらにその後、AP通信とロイター通信が複数の匿名ホワイトハウス関係者の話として、交代の方針を報じている。
報道によると、国務長官交代はジョン・ケリー大統領首席補佐官(元海兵隊大将)による国家安全保障担当の大幅な人事刷新の一環で、早ければ12月中か1月中に行われる見通しと伝えている。
ポンペイオCIA長官の後任には、共和党のトム・コットン上院議員(トランプ同様イラン核合意批判派、国防費増額派)が予定されているという。
サンダース報道官は、こうした報道を否定している。
ただ、アメリカの閣僚や大統領府では、米軍関係の大物たちと保守強硬派が圧倒的な勢力を占めている。そうした強硬派により、それ以外はトランプにより排除される傾向が強くなっている。
そうしたことも含め、世の中を、北朝鮮を、アメリカを見る必要がある。