アイコン 中国の不動産大手の債務危機(1) 万達・安邦・海航 海外資産売却加速

 

 

大連万達集団(王健林:ワンダ・グループ)、スペインサッカークラブ株も売却 
昨年7月、米WSJ紙は、中国金融当局は各銀行に対して万達集団の6つの海外投資案への融資を中止するよう求めたと報じている。
中国政府は昨年、外貨不足に見舞われ、外貨の持ち出しや海外への投資金の融資を大幅に制限した。その煽りを食ったのが当4社などだろうが、中国の場合、中央政府より1mmでも命令・指示に背くことは許されず、経営者らの言動にまで目を光らせている。

莫大な債務を抱える企業にとって、最低でも借り換え融資を行わなければ、即ギブアップすることになるが、金融当局は国内外の膨大な資産を売却させてまで債務を抑えさせている。

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<スペインサッカーチーム持株売却>
2月14日、AFPによると、スペインのサッカーグラブ、アトレチコ・マドリードは、中国不動産大手・大連万達集団(王健林:ワンダ・グループ)が保有する同クラブの株式17%をクアンタム・パシフィック・グループに売却したと発表した。売却金額は明らかにされていない。

クアンタム・パシフィック・グループは、イスラエル人の実業家イダン・オフェル氏が設立、原油関連企業。同社は昨年11月5,000万ユーロ(約66億4,775万円)で、アトレチコ・マドリードの株式15%を取得。万達集団から新たに買収した株式を合わせると、同社を保有する同クラブの株式は32%になる。ただ、今後、スペイン政府のスポーツ管理当局から、同買収案に関する承認を得なければならないという。
万達集団は、2015年に同クラブの株式20%を4,500ユーロ(約59億7887万円)で取得していた。

<中国映画館会社売却>
2月5日には、傘下の映画館運営会社「万達電影」を、アリババと文投控股に売却すると発表した。1月末には不動産子会社の株式54億ドル相当を騰訊控股(テンセント)などに売却すると明らかにしたばかりだった。今年になってからすでに500億元(約8,354億円)規模の国内外資産を売り出している。

<万達ロンドンONE 売却>
1月18日、「万達・ロンドンONE(One Nine Elms)」の権益60%を、3,560万ポンド(当時、約54億4,680万円)で売却するが、買収側は万達・ロンドンONEの約1億5900万ポンド(約245億円)の債務も引き継ぐ。残り40%の権益も万達グループが所有しており売却の意向。

<中国のホテルとテーマパーク売却>
万達集団は昨年7月、子会社の万達商業が持つ77ホテルを不動産開発業の「富力地産」(広州市)に199億元で、テーマパーク事業の大半を住宅や商業施設開発の「融創中国」に438億元で売却している。王健林会長は、売却の理由について「債務返済のため」とした。

<これまでの著名な買収案件>
2014年7月同社は、米シカゴに9億ドル(当時、約910億円)を投じ89階建て高層ビル(開業予定:2018年)を建設、自社ブランドの「ワンダ・ホテル」などを入居させると公表、ロンドン、スペインのマドリードでも自社ホテル建設に着手、王健林董事長は「2020年までに世界の主要12~15都市にワンダの五つ星ホテルを開業、国際的な影響力を持つ中国のホテルブランドをつくる」プランを発表していた。

同社は2012年5月、米映画館チェーン2位のAMCエンターテインメント(スクリーン数約5000強)を約26億ドルで買収。
また、2016年6月には、米カーマイク・シネマズを11億ドル(当時、約1243億円)で買収、両社のスクリーン数は合計8400でとなり全米トップになった。
2016年12月には欧州で映画館を展開する英オデオン・シネマズを12億ドルで買収している。

なお、万達集団は習近平一族の企業との取引があり、習主席に近いとこれまで報道されていた。

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[ 2018年2月17日 ]

 

 

 

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