アイコン 孤立するトランプ 良識派のティラーソンを解任 国務長官に擦寄りのポンペイオが就任

 

 

米トランプは、日本時間の13日夜、ティラーソン国務長官を解任し、後任にCIAのポンペイオ長官を指名すると明らかにした。

トランプは、ティラーソン国務長官とは考え方の違いがあったと認めた上で、「ポンペイオ長官はすばらしい国務長官になるだろう」と期待感を示した。
トランプは、日本時間の13日午後9時45分ごろ、みずからのツイッターに「CIAのポンペイオ長官がわれわれの新しい国務長官になる。彼はすばらしい仕事をするだろう。ティラーソン氏のこれまでの仕事に感謝する」と書き込み、ティラーソン国務長官を解任し、後任にポンペイオ長官を指名することを明らかにした。

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<イラン政策で不協和音>
トランプは、ティラーソン国務長官について、「意見があわない点もあった。イラン核合意については、私はひどいと考えたが、ティラーソン国務長官は大丈夫だと感じていた」と述べ、前オバマ政権が結んだイランの核合意などをめぐって考え方の違いがあったことを認めた(イランはイスラエルが目の敵にしている国、娘夫婦がユダヤ教徒、イスラエルにのめり込んでいるトランプ、ポリシーなどあるはずもない)。

ティラーソン国務長官を巡っては、トランプとの間で、イランの核合意に加えて北朝鮮の核・ミサイル開発問題などでも意見の食い違いが以前から指摘されていた。
アメリカ国務省のゴールドスタイン次官は、記者団に対して、「ティラーソン長官は、重要な安全保障上の問題で進展が見られるため、職務を続けたい意向だった。ティラーソン長官は、けさトランプと話をしておらず、解任の理由を知らない」と述べた。

一方、トランプは、CIAのポンペイオ長官に対して「われわれの関係はいつも良好で、それこそ私が国務長官に求めるものだ。彼はすばらしい国務長官になるだろう」と述べ、期待を示した。
トランプは、これに先立ち、ホワイトハウスの報道官を通じて「ポンペイオ長官は、世界でアメリカの立場を復活させ、同盟関係を強化し、われわれの敵に立ち向かい、朝鮮半島の非核化を求めていくというアメリカの取り組みを続けていく」としていて、北朝鮮の核問題などへの手腕に期待を寄せている。

トランプは、5月までに北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会談する意向を示すなど、外交上の重要な局面を迎えるが、新体制で核問題などの課題に臨むことになる。

国務長官の継承順位は4番目 閣僚で最高
国務長官は、アメリカの外交を司るだけでなく、大統領が死去や辞任などで、突如、不在となった場合、大統領の職務を継承する可能性もある最重要閣僚の1人。
大統領のポストが空席になった場合、継承順位がもっとも高いのが副大統領で、次いで上下両院の議長、その次が国務長官となっていて、国務長官の継承順位は4番目で、閣僚のなかでは最も高くなっている。

後任のCIAポンペイオ長官
マイク・ポンペイオ氏は54歳。
トランプ政権で、CIA=中央情報局長官を務め、核・ミサイル開発を進める北朝鮮の情報収集などにあたってきた。
陸軍に所属したあと、CIA長官就任まで与党・共和党の下院議員を務めた。前オバマ政権がイランと結んだ核合意を強く非難し、対イラン強硬派として知られている。

アメリカメディアは、ポンペイオ氏がティラーソン国務長官の後任に浮上したのは、CIA長官として毎日のようにトランプに国際情勢に関する報告を行い、それを通じて厚い信頼を得たからだと伝えている。

北朝鮮については、昨年11月ころから何回もいつまで経っても3ヶ月もあれば、ICBMに核を搭載する技術を持つとして、昨年末に政権内部で台頭した鼻血作戦(北朝鮮限定攻撃論)の主導者一人と目されていた。

専門家のあいだでは、ポンペイオの指名が承認されれば、トランプと外交政策をめぐり意見の違いがあったティラーソン長官と比べて政権内の一体化が進む一方、対イラン政策などでの強硬な外交姿勢がより鮮明になるとの見方が出ている。

就任1年余の辞任は異例の短さ 120年前までさかのぼる
ティラーソン氏は、アメリカの第69代目の国務長官に昨年2月1日就任した。任期は、約13ヶ月だった。
国務長官の任期途中の辞任は過去にも事例があり、直近では、1992年、ブッシュ政権で、ベーカー国務長官が、大統領首席補佐官への就任に伴って辞任したケースがある。
ただ、ティラーソン氏よりも任期が短かった国務長官は、120年前までさかのぼらなければ存在せず、就任から1年余りの辞任は異例の短さ。
ちなみに、その120年前の国務長官は、1898年の9月に、就任からおよそ5か月で辞任したデイ氏です。当時のマッキンリー政権の国務長官として、アメリカとスペインの戦争の対応に当たり、戦争終結の交渉団を率いるために職を辞したものだった。

<大統領を「ばかだ」と批判>
ティラーソン氏は、大手エネルギー企業、エクソンモービルのCEOを退任して、トランプ政権の国務長官に就任した。
ティラーソン氏は、外交と行政経験がいずれもありませんでしたが、それでも起用されたのは、過去の政権で要職を担った、共和党の外交安全保障政策の重鎮による推薦があった。
ティラーソン氏が、世界的企業のトップとして培った国際感覚、さらには、ロシアのようなアメリカと対立する国で厳しい交渉をまとめた手腕が、国務長官としてふさわしいとの意見があった。
しかし、就任以降、外交政策をめぐり、ティラーソン氏とトランプの間では、意見の違いが目立つようになった。
ティラーソン氏は、
1、トランプが選挙で訴えてきたパリ協定からの脱退
2、イランとの核合意の破棄、
3、エルサレムへのアメリカ大使館の移転
に反対し、トランプは、ティラーソン氏を既存の秩序を重んじる「エスタブリッシュメント」とみなし、いらだちを強めていったと伝えられている。

ティラーソン氏もトランプの言動に不満を募らせ、大統領のことを「ばかだ」と批判したとの報道も飛び出した(昨年7月)。それに対して本人は否定も肯定もしなかった。また、頭が悪いとされたトランプは、「ティラーソンより自分の方が頭が良い」とツイッターしていた。

さらに、北朝鮮の核・ミサイル開発への対応をめぐっても、トランプ大統領とティラーソン氏が一枚岩ではないことを象徴するような出来事があった。
昨年9月、ティラーソン氏は、北朝鮮の対話の意思を探るために接触していることを明らかにしたが、直後に、トランプ大統領がツイッターで「時間のむだだ」と否定。
昨年12月には、ティラーソン氏が、講演で、突如、北朝鮮と前提条件なしに対話に入ることも可能だとの考えを示し、政策転換との受け止めが出て、ホワイトハウスが北朝鮮政策は不変だと火消しに追われた。

歴代政権の中でも、大統領と国務長官の溝が何度もあらわになったのは異例。
昨年11月以降、ホワイトハウスがティラーソン氏の更迭を検討しているという報道が相次ぎ、ティラーソン氏が政権を去るのは不可避との見方が広がっていた(これまでに2回あった)。
結局、トランプは、自分の箔を付けるため、エクソンモービルのCEOティラーソンを宣伝代わりに利用しただけだった。
米トランプ政権に良識派はいなくなった。もう誰にも止められない。
所詮、家族経営のホワイトハウス。
市民には銃を、狂者の大統領には刃物も核ボタンを持たせたままのアメリカ合衆国。
以上、報道参考
 

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[ 2018年3月14日 ]

 

 

 

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