アイコン 韓国 最低賃金16.4%増が物価を強力に押し上げへ

 

 

経済の音痴の文在寅氏は、2017年の時給6,470ウォン(約640円)の最低賃金を向こう3ヶ年で10,000ウォンに引き上げると公約し、初年度の今年は16.4%上昇させ7,530ウォン(約750円)にした。
 時給を上げれば所得が増加し、国民が皆豊かになると単純に考えた結果だろうが、大幅で急激な上昇は企業努力では上昇分を吸収できず、即物価の高騰を招き、衣食住の食にウエイトが高い学生や高齢者など下層所得市民(以後、下層市民)の生活を直撃することになる。

ポピュリズムを演出した文政権の支持層の学生含む下層市民は最低賃金の大幅アップに大いに期待しただろうが、このままでは来年も大幅に最低賃金を上げることも予想され、物価上昇が続き、こうした支持層の生活を直撃し続けることになる。

ただ、文政権の支持層はすでに教団化し盲目的信者も多く、文政権も不満分子を一部と見做し見ようともしないだろうが、下層市民たちの不満は蓄積され続け、いずれ爆発する可能性は否定できない。
(韓国の若年労働者の失業者は9.9%前後、就職をあきらめた人など潜在失業者を含めれば20%になるという、それに加え学生バイト生。そうした人たちの食を直撃。文政権のこうした最大の支持者たちに大きな影響を与える。熱狂的支持者に40代が多いのも、初めての大量非正規雇用世代(=相対的低所得者)だからだろう)

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<天候不順の野菜高+最低賃金増で外食費が急上昇>

朝鮮日報は次のとおりレポートしている。
3月15日午後、高麗大学(ソウル市城北区)裏門前の飲食店街。あちこちに出ている立て看板のメニューには、数字が書かれた紙が上から貼られていた。

メニュー価格が、数百ウォン(数十円)から1000ウォン(約100円)ほど引き上げられ、訂正されている。
「最低時給と食材価格の上昇でやむを得ず値上げした」という説明書きも貼られている。
あるサンドイッチ店の「メキシカン・タコス・サンドイッチ」は500ウォン(約50円)アップの8400ウォン(約840円)になっていた。大学生(23)は「学生食堂以外に食べるところがない」と引き返した。
毎週末に一日5時間ずつカフェでバイトをしている就活生ユンさん(26)は最近、ほとんど外食していない。「昼ご飯代が恐ろしい」からだという。

のり巻き1本にラポッキ(インスタントラーメン入りのトッポッキ)1皿を頼むと8,000ウォン(約800円)。
今年に入って最低賃金が時給6,470ウォンから7,530ウォンと16.4%も急上昇、ユンさんの給料も約6万ウォン(約6,000円)増えた。しかし、先月の食費代は昨年より10万~15万ウォン(約1万~1万5,000円)増えているそうだ。
1食100円上がれば3食で300円×30日=9,000円・・・フルタイムで仕事をしていない若年労働者や失業者・学生アルバイト生にはきつい。

モノを造り・加工し、モノを生産地や工場・問屋・販売店などへ移動させるたびに人の手がかかり、最低賃金の上昇はモノの価格に大きく影響、物価が上がるのはすべての衣食住関連製品に及ぶ。大豊作が継続し、資源や原油が暴落しない限りが物価上昇から逃れることはできない。

韓国では家計負債が景気を押し下げる可能性が指摘されている。規制してもまだ不動産価格が上昇し続ける首都ソウルは別にして、一部ではすでに下がり始めている。家計負債の多くが不動産購入にかかわるもの、サブプライムローン化する可能性も指摘され、金融機関の貸付が締まれば、不況が深刻化する。

文政権の公共機関での大量雇用創出では限界があるばかりか、財政の硬直化を招き、諸経済政策や諸経済対策に影響を与えてしまう。企業に雇用創出をはからせる諸経済対策が必要だろうが、文政権の経済政策は逆行しているとしか言いようがない。

内需拡大策に最低賃金の大幅上昇を講じても、物価上昇に直面し、結果、喜ぶ者がいようか。

輸出が経済を牽引する韓国にあり、日本のように為替安に展開したくとも、米国から目の敵にされ、貿易制裁されるだけ。
また、米国を真似て保護貿易に走る国も多くなる。FTAを締結している中国にしても、EV用バッテリーに見られるように保護貿易の権化のような地産地消型輸出政策を数多く打ち立てている。

自由貿易の世界がその機軸である米国や中国で保護貿易下にあり、それがさらに浸透すれば、貿易立国の韓国の政策は大きく転換せざるをえなくなる。
サムスン電子・SK・LGで持っている韓国経済からの脱却が必要だろうが・・・それも中国勢の台頭で前途多難となっている・・・。
 

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[ 2018年3月17日 ]

 

 

 

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