アイコン 韓国企業 ベトナムで夜逃げ蒸発多発 従業員路頭に迷う 事業所4000ヶ所

 

 

ベトナム南部ドンナイ省チャンボム地区にある韓国系の繊維メーカーK社。一時は従業員3000人が働いていた工場に人影はなく、公安(警察)と警備員7人が正門と通用門を守っているだけだった。国旗掲揚台の太極旗とハングルの案内板はここが韓国企業だったことを物語っていた。
現地従業員によると、2月8日にK社の韓国人社員12人が蒸発したのだという。
2000人近いベトナム人労働者の1月分の賃金と社会保険料などの312億ドン(約1億4500万円)が未払いとなっているという。

ベトナムに進出する韓国企業は4000ヶ所を超える中、経営が悪化すると、ベトナムから夜逃げする企業が見られる。
賃金遅配だけでなく、工場の設備まで放置したままで帰国し、連絡を絶つパターン。

現地の業界筋によれば、K社に続き、2月9日にはホーチミン市にある韓国の縫製工場B社も操業を中止した。ベトナム人労働者350人が賃金29億ドンを受け取れなかった。

1月にもホーチミン市の韓国系縫製工場N社が従業員約600人の賃金と社会保険料計306億ドンを滞納したまま、雲隠れしている。

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<突如蒸発する韓国企業>
ドンナイ省のK社付近で会った同社総務担当職員、ド・ハン・ティさん(43)は「韓国人社員が跡形もなく消えた」と話した。操業は中断し、従業員らは工場のゲート前に座り込むしかなかった。ティさんは「家族を養わなければならない地方出身の女性が大半で、工場前で3日間も泣き明かした」と振り返った。
K社は米国向けの衣料品をOEM (相手先ブランドによる生産)で受注した韓国本社の指示で操業してきた。韓国本社は資金繰り悪化で倒産の危機に追い込まれ、ベトナム、インドネシアの工場から韓国人職員を突然引き揚げた。

ベトナムで最も大切な祭日であるテト(旧正月)を前に相次いだ韓国企業の夜逃げ騒動はベトナム社会の怒りを買った。
ベトナムメディアは、賃金を受け取れなかった従業員の実情を争うように報じた。
ソーシャルメディアでは「こんな企業をレッドカーペットで迎え、インセンティブを提供したのか」といった批判が噴出した。
事態が拡大すると、グエン・スアン・フック首相も乗り出し、労働者支援を指示した。ドンナイ省政府とベトナムの労働組合団体は、1月の賃金の半額と賞与の一部を肩代わりした。

周辺の繊維工場10ヶ所余りは、K社の従業員を優先雇用することを表明した。韓国企業の夜逃げで生じた被害をベトナム社会全体が背負っている格好。

ドンナイ省政府は、法人責任者がベトナムに戻り、工場資産の売却で未払い賃金を支払うよう在ホーチミン韓国総領事館を通じ、韓国政府に要請した。
しかし、総領事館関係者は「法人責任者は、重犯罪で起訴されたわけではないため、韓国政府が身柄を確保し、ベトナムに引き渡すのは難しい」と回答した。

<現地で信頼低下懸念>
夜逃げは人件費上昇と景気変動に弱い零細繊維業者に集中している。
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)によると、2016年末現在でベトナムに進出した韓国の繊維企業は763社に達するが、1社当たりの投資額は28億ウォン(2億7700万円)にすぎない。
こうした状況でベトナム政府は、最近7年間(2012~18年)に最低賃金を年平均18%引き上げ、人件費負担が経営を圧迫した。
大韓商工会議所ベトナム事務所のイム・チュンヒョン所長は「中国の人件費上昇を受け、ベトナムに移転してきた業者がベトナムでも追い込まれている。一部業者は人件費がさらに安い国に移転するかどうか悩んでいる」と話した。

現時点でベトナム政府は、公式には問題提起していない。韓国がベトナムに対する直接投資が最大なことからだ。昨年11月現在で韓国のベトナムに対する累積投資規模は575億ドル(約6兆円)に達する。
ベトナム中南部韓国人商工人連合会のチェ・フンヨン副会長は「一部企業の無責任な行動のせいで、韓国企業全体の信頼が低下すれば、残った企業が無関係なのに被害を受けることになりかねない」と懸念した。
以上、朝鮮日報参照

韓国企業は、中国でも過去、同じように突然行方不明事件を起こしていた。ベトナムとまったく同じく労務費高騰による生産コスト上昇で経営不振に陥り、突如夜逃げ撤退していた。中国経済がそれを吸収してきたが、不景気だったら社会問題に発展していたものと見られる。

繊維産業はすでに低コスト生産を求めバングラデシュまで進出しており、それを牽引しているのがSPA事業者と中国の繊維業界。ベトナムのコストではバングラデシュで生産できる商品を作っても市場原理から淘汰されるのは自然の成り行き。それも繊維関係社だけで763社も進出しているとは驚き。

世界市場において、米国の保護貿易次第では、大消費地の米国から締め出された企業の製品が新たな市場を求めて回遊し、世界の市場価格を・景気を悪化させる原因になる可能性もある。
当然各国は、自国産業への影響を避けるため、セーフガードを講じ保護貿易の連鎖が始まろう。過度な貿易立国・韓国に与える影響は計り知れないものになる。

韓国はFTAを締結している巨大市場の米国と中国、中国ではTHAAD問題で貿易制裁を受けながら、鉄鋼製品が大量に中国から流入している。その中国製鉄鋼製品を加工し、また中国製品に韓国の国内市場から押し出された鉄鋼製品が米国へ輸出されていると米政府は見ている。この世界2大市場で貿易が悪化することはあっても好転することはない。

現在韓国経済は、半導体・有機ELだけでまだ持っているが、こうした分野も中国の国家による自国企業支援策で何年持つかもわからない。

米国と韓国は、FTA見直し交渉が進んでいるが、そうした中でも、今1月、太陽光発電装置と家庭用大型洗濯機については米国によりセーフガード(緊急輸入制限措置)が発令された。

韓国とベトナムとの関係では、すでにベトナムは韓国の生産基地となっており、韓国における最低賃金の大幅上昇から、さらに進出企業は増加し、投資も拡大するものと見られる。
特にサムスン電子は、ベトナムでスマホから家電製品まで巨大工場で生産しており、韓国から半導体やディスプレイなどの輸出が急拡大し続けている。

当然、米トランプの目が黒いうちは、ベトナムからの(韓国メーカーの)サンスン電子・LG・ポスコなどの輸入品も制限対象となる恐れが高い。

そうした韓国企業がベトナムでは、米国などへ輸出して豊富な貿易黒字で外貨獲得できている間は、韓国に依存したままだろう。
ところが、貿易赤字で外貨が減り始めれば、為替安を過度に招く恐れが高くなり、その雲行きは大きく変化することになる。韓国との貿易では以前から大幅入超となっている。

ベトナムの2016年の輸出額は1,766億ドル、輸入額は1,741億ドル、貿易黒字額は25億ドルに過ぎない。2016年の経常収支はなぜか貿易黒字を上回っているが、数年間単位では減る。
ベトナムでは2017年もスマホ・家電製品などの電子電器製品の輸出が大幅増となり輸出全体が大幅に伸びている。韓国企業は完全にベトナムを生産輸出基地にしてしまったようだ。

そうした中で本国企業が倒産もせず、出先の工場で夜逃げするなど理不尽な行為は、そもそもベトナムは社会主義国でもあり、反韓感情に火をつけることにもなりかねない。

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[ 2018年3月22日 ]

 

 

 

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