アイコン 荒れ狂う韓国GM労組 社長室占拠 4月20日に会社更生法申請も

 

 

赤字が続き、資金がいくらあっても足りない状況の韓国GM。

1、 昨年の従業員の未払い成果報酬の半分支払い72億円(今回問題となる、残り半分もある)
2、 昨年の幹部の成果報酬の未払い5億円(残りが半分ある)
・・・管理職としてカットされる可能性もある
3、 2600人の希望退職者退職金572億円・・・4月までに支払い
4、 3月末GM本社への返済金720億円再延期済み(昨年末返済予定分)
5、 2月末支払い予定文も再延期済み(昨年末返済予定分)
6、 4/1~4/8までに支払い予定のGM本社への返済分988億円(延期しかない)

 

韓国GMの世界販売台数推移
 
販売台数
前年比
2012年
800,639
 
2013年
780,518
-2.5%
2014年
630,532
-19.2%
2015年
621,872
-1.4%
2016年
597,165
-4.0%
2017年
524,547
-12.2%
18年1~3月
120,386
-15.9%
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韓国GMの労働組合が社長室を占拠して室内の器物を破壊した。
資金難を迎えた韓国GMが成果給の支払いを延期すると伝えると約50人の韓国GM労働組合員は5日午後2時20分ごろ、カハー・カゼム韓国GM社長の社長室に向かって集団行動を起こした。

韓国GM労組は、玄関ドアを壊して社長室に入り、カゼム社長の成果給支払い延期方針に対して抗議。「社長は退け」と叫び、社長室と秘書室、会議室を占拠した。
この過程で一部の組合員は鉄パイプを使って社長室内の収納棚や椅子、机などを破損した。
カゼム社長はこの日午前10時ごろ役職員にメールを発送し、「6日の支給を約束していた2次成果給を支払えなくなった」と伝えた。
韓国GMは当初、6日に職員に昨年の成果給のうち半分の1人あたり約450万ウォン(約45万円、計720億ウォン(72億円)規模)を支払う計画だった。

激怒した組合員らは午後2時50分ごろ、社長室を出て別の役員室を占拠した。チョン・ジュンミョン韓国GM技術研究所長(副社長)の執務室に移動し、不法行為を続けた。
チョン・ジュンミョン副社長は最近、社内役職員対象の経営現況説明会でカゼム社長と共に会社の状況について説明した。
組合員は、当時の説明会でチョン副社長がした発言について謝罪するよう求めた。
驚いたチョン副社長が執務室を出ようとしたが、組合員らは強圧的に執務室にチョン副社長を拉致した。

恐怖を感じる副社長に答弁を要求し続けた組合員は約30分後、自主的に解散した。

カゼム社長は「職員の身体的安全を脅かし、会社の資産を破損した、納得できない行為」とし「不法行為を検察・警察・政府に申告し、懲戒・訴訟など法的手続きを履行する」と公表した。

労使間の対立が激化し、韓国GMの経営正常化は難関を迎えている。
米国GM本社は新車配分を約束し、韓国GMは立て直し計画を準備した。
政府は財務調査を進行中。
しかし、韓国GM労使交渉が合意案を出せず、経営正常化日程も停滞している。

GMインターナショナルのアングル社長は以前に「4月20日までに労働組合が参加しなければ法定管理(会社更正法に相当)を申請する」と述べている。
以上、韓国紙参考

<身動き取れない韓国政府>
米トランプは韓国とのFTA再交渉において、自動車の環境基準が米基準の現行2.5万台の枠を倍増することで内定している(韓国基準はEUとのFTA締結によりユーロ基準に準拠している)。
しかし、再交渉の最終決定は細部調整が行われておりまだ先、その間に韓国GM問題が米政権を襲うことになる可能性も高い。
(韓国ではドイツ信仰が根強く米車は倍増しても売れない)。

GM本体は、韓国GMに対して追加支援しない方針、
その資金を韓国政府=政府系産業銀行から調達することを目論見、韓国政府に支援を要請している。
GM本社は韓国GMに貸し付けた昨年末返済予定を今年2月と3月に延期、2月の返済を延期、3月末の7,200億ウォンもさらに延期している。
別途、韓国GMが4月1~8日にGM本社に返還すべき借入金は計9,880億ウォン(約988億円)にものぼる。

韓国政府は調査を長引かせ、支援するかどうかの結論を先送りしている。
それは韓国の自動車労組は貴族労組と呼ばれ韓国民から嫌われており、支持基盤を損ねる可能性があることによるもの。
しかし、韓国GMが撤退することにもなれば、韓国GMの従業員だけではなく、サプライチェーンの破綻・失業が大量発生することにもなりかねず、失業問題を政策の柱の一つにする文政権は身動き取れない状態となっている。

韓国GMは、販売不振(10年のピーク100万台⇒17年52万台)により生産効率が悪化しており、群山工場閉鎖に伴う2,000人のほか3,000人の削減計画を発表している。当然、労組側とは決裂したままだが・・・。
韓国GMは4月2日まで希望退職者を募集した結果、約2,600人が申請している。
慰労金として2・3年分の年俸を支払わなければならず、韓国GMの平均年俸が8,700万ウォン(870万円/貴族労組所以たるもの)からして、4月に約5,720億ウォン(約572億円)の退職慰労金の支払いが必要となる。

GM本社が貸付金の返済を猶予したとしても、新たにこうした資金が必要となっている。そのため、韓国政府から早期の支援を取り付けるべく、今回、昨年の成果給の支払い(従業員72億円+幹部5億円)をしなかったものと見られる。

左派の文政権はこうした自動車労組も支持基盤の一つ。

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[ 2018年4月 7日 ]

 

 

 

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