アイコン 23日労使・政府 合意か決裂か 韓国GM 会社更生法申請 法廷管理

 

 

4月20日に期限とされた韓国GMの労使+政府間交渉、韓国GMは20日に労働組合と合意できなければ法廷管理(会社更生法)に経営を移すと宣言して望んだ労使会議は、合意に至らないまま23日に引き伸ばされた。
今回の引き伸ばしは、GMから資金等支援を求められている韓国政府の要請と見られるが、文政権は労組寄りであり、一方、文政権は悪化している失業率問題も抱えている。しかし、文政権の支持母体である韓国ロウソク民心からは、自動車労組は労働貴族と呼ばれ嫌らわれている。

<韓国GMの概要>
株主:GM77%、政府系産業銀行17%、上海自動車6%
韓国GM:従業員16,000人
工場:富平(仁川)工場、昌原工場(慶尚南道)、保寧工場、群山工場(5月閉鎖発表/従業員2100人)

サプライチェーンと販売店は計3000事業所、計20~30万人の従業員(サプライチェーンはほかの自動車メーカーとも取引しており、法廷管理では経営が窮地に陥り、韓国自動車産業全体への影響が懸念されている)

<背景>
1、契約時効:2002年の大宇自動車買収時に韓国GMと産業銀行と締結した「資産処分などに関する特別決議拒否権」2017年10月に時効成立。

2、販売不振:2010年に100万台あった販売台数が、2017年には52万台まで漸落している。今年1~3月も前年同期間比15%マイナス、それも韓国に限っては▲47%も販売減少している。

<韓国GMの要求>
1、群山工場閉鎖
群山工場従業員の希望退職・転換配置・無給休職(総体で2600人希望退職申請済)
2、群山除き3000人リストラ
3、年100億円の福利厚生費用削減(会社は交渉の前提として合意要求)
4、政府支援(資金)+税金の減額
4月末まで6億ドル不足、2600人の希望退職者への退職金支払用と見られる。
その後もGM本体への返済資金以外でも売上不振から不足するものと見られる。

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<韓国GM労組の要求事項>
1、群山工場の雇用問題
2、新車の割り当て確約(新規生産車種の確定と今後の確約=未来発展計画)
  (GMはグローバルに車種の3~4年の生産計画を立てており、労組はGMに対して売れ筋の新車種の生産を要求している)
3、労組の妥協:今年の賃上げ要求および成果給請求について譲歩している。

<韓国政府+産業銀行の融資見返り要求>
1、労組の要求に迎合
2、政府系産業銀行は今回融資する代わりに「資産処分などに関する特別決議拒否権」の復活を目論んでいるとされる。(GMは到底受け入れられない)

<結論>
労組が妥協する点はこれ以上少ない。
韓国政府は労組と一体となり交渉、引き伸ばすだけ引き伸ばす作戦。
GMの世界販売は中国(2017年404万台販売)が好調だが、独オペル売却、欧州撤退など再編中、韓国GMへは貸付金が約3千億円あり財務内容に与える影響も大きい。

GMは群山工場閉鎖+別途3000人リストラ+政府・産業銀行支援により、韓国GMを法廷管理に移行させず、GM主導で再建させることを望んでおり、23日に結論が出るかどうかも不明。

ただ、希望退職者2600人分の退職金の支払い期限は4月末までであり、一時的に産業銀行が融資する可能性もある。(法廷管理では退職金の支払い条件も影響を受ける可能性もある)
そうなれば、結論はまたまた先送りされる可能性もある。

韓国GMの世界販売台数推移
世界販売台数
うち韓国での販売
 
販売台数
前年比
販売台数
前年比
2010年
1,000,000
 
1,000,000
 
2012年
800,639
 
145,702
 
2013年
780,518
-2.5%
151,040
3.7%
2014年
630,532
-19.2%
154,381
2.2%
2015年
621,872
-1.4%
158,404
2.6%
2016年
597,165
-4.0%
180,275
13.8%
2017年
524,547
-12.2%
132,377
-26.6%
18/1月
42,401
-9.5%
7,844
-32.6%
2月
36,725
-19.0%
5,804
-48.3%
3月
41,260
-18.9%
6,272
-57.6%
1~3月
120,386
-15.9%
19,920
-47.1%

 

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[ 2018年4月23日 ]

 

 

 

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