アイコン 韓国4月の貿易収支 18ヶ月ぶりに輸出減、貿易黒字は75ヶ月連続の好調さ

 

 

韓国の産業通商資源部は1日発表した今年4月輸出入額は、輸出が昨年同期比▲1.5%減の500億6千万ドルとの速報値を発表した。
これにより韓国の輸出額は、2016年11月以来18ヶ月ぶりに減少に転じた。今年1~4月の累積輸出額は6.9%増加した1955億ドル、この期間の歴代最高値を記録している。
ただ、昨年超大型案件があった船舶を除いた4月の輸出額は10.4%増の482億8000万ドルと好調を維持している。

輸入額は原油高などにより14.5%増の434億5000万ドル。
貿易収支は、66億1000万ドルの黒字で、これまでも輸出が好調だったことから原油暴落以前の75ヶ月(6年と3ヶ月)連続して黒字となった。

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個別では
足下では、昨年の半導体輸出の高い伸びが幾分減速している。
自動車は、輸出減少傾向が目立っている。
今年に入って自動車輸出は、1月に+13.3%増と上昇した後、2月は▲14.5%減、3月は▲8.6%減、4月は▲8.6%減と3ヶ月連続して減少している。
現代・起亜自動車は、米国で販売不振の中、一昨年秋からメキシコに大規模工場(年産キャパ40万台)を稼動させており、結果、韓国から米国・中南米向けの輸出が減少している。
また、韓国GMも内外とも販売不振から生産不振に陥っており、撤退問題が浮上したが、韓国政府の支援を受け、やっと再建させることで決着した。

スマホの輸出は、新製品の販売不振により▲23.3%減った。3月に上昇に転じた鉄鋼輸出額が再び▲7.4%減少し、船舶類は一過性のものではあるが、昨年同月に大型納品もあり、その反動から▲75%も急減している。
ディスプレイはLCD(液晶)の競争激化により4ヶ月連続して減少している。ただ、OLED(有機ELディスプレイ)も、サムスン電子のOLEDを使用するiPhoneXの失速が大きく影響している可能性が高い。
それに加え、1~3月の中国市場のスマホ販売台数は前年同期比▲20.1%も激減し、高価格帯のプレミアムスマホの販売にも陰りが見え、そうしたスマホに搭載されている高価なOLEDの輸出も鈍化したものと見られる。

サムスン電子とSKハイニックスが世界で高いシェアを持つ半導体は、昨年異常な伸びを示していたことから、伸びは鈍化したもののまだ輸出額増に大きく貢献しているようだ。

<輸出で好調のはずの韓国経済の3月の製造業稼働率は>
韓国の統計長が発表した3月の製造業稼働率は70.3%にとどまり、世界的な金融危機以降、9年ぶりの低水準だった。
業種別生産稼働率を見ると、自動車が韓国GMの工場閉鎖問題もあり3.7ポイント低下、機械設備も4.3ポイント低下、中堅造船会社のリストラも悪化の要因となっている。
生産は前月比で▲1.2%減少し、5年間で最も大幅に低下した。
設備投資も5ヶ月ぶりにマイナスに転じた、
在庫は4ヶ月連続して増え、製造業の在庫率は114.2%を記録、通貨危機当時の1998年9月の122.9%以降、20年ぶりの高水準になっている。
機械類の設備投資は2桁台の減少となっている。

これまで韓国の内需に大きく貢献してきた建設業は、不動産バブル規制に伴う景気の冷え込みにより投資指標の悪化に追い打ちをかけている。工事代金の支払い実績を示す建設落成件数が前月を▲4.5%下回った。
3月の消費生産は販売価格の上昇もあり2.7%増、サービス業の生産は0.4%増だった。
以上、

最近の韓国の輸出の流れは、年初を基点に一段と弱まる基調が明確となっている。ウォン高などによる輸出の鈍化、内需不振、最低賃金急上昇によるコスト高などの影響を受ける製造業の不振が目立っている。
生産は、前年同期比▲1.2%減少し、設備投資は5ヶ月ぶりに減少傾向に転じている(ただ、設備投資は半導体等電子産業の新規整備投資に大きく左右され、傾向としては3ヶ月間見る必要がある。)
企業は製造コスト上昇により、国内での設備投資を控え、海外への工場投資を加速させる可能性も高くなっている。
経済が好調のときに大型減税する大バカ、景気が低迷しているときに最低賃金を大幅上昇させる大バカ。企業経済が絶好調なときに大公共事業をやり続ける3バカ兄弟。いずれも個人的な支持率アップ、票稼ぎ、人気取りのため。

<ドル対ウォンの日足チャート>昨年12月13日~/昨日終値1ドルは1073.45ウォン
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[ 2018年5月 2日 ]

 

 

 

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