アイコン 中国 半導体カルテル調査 サムスン・SK・マスクロン 「中国2025」とSBの関係 ZTE解除

 

 

中国は国家政策の「中国2025」に向けて、金融機関に工場開発資金を半導体メーカーなどに融資させ、半導体とディスプレイの大規模工場を全国各地に建設、すでに完成して一部出荷されているが、本格生産に入るのは2019年からとなる。

しかし、ZTEの米国制裁で判明したように、ZTE製品の30%あまりの部品が米国製チップ、それもコア部品、OSのソフトウエアにしてもグーグル・アンドロイドで、中国政府は国内に技術のなさを痛感させられた。

そこに、すでに中国で登場させているのがソフトバンク、3.3兆円で買収した半導体設計会社の英ARM。同社の中国子会社(ARM中国)の株を51%中国企業に売却させた。
経営権の支配を放棄させ、中国当局の求めに応じて開発させ、中国企業に製造させ、それから上場させて巨万の利を得る道筋を作った。
当然、ライランスやロイヤリティはARMが取得しようが、中国側が一番欲しているのは、そのARMの脳みそであり、そして・・・。

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<ZTE制裁の教訓>
ZTEが米IT企業と提携していたのはマイクロソフト、インテル、IBM、ハネウェル・インターナショナル。
また、サプライヤ(部品供給企業)はクアルコム、ブロードコム、インテル。

米国は、米国で取引する企業に禁止を課していたイラン・北朝鮮へのZTEの輸出に関連して、7年間米企業のZTEへの納品を禁止・倒産の危機に陥った(イラン・北への輸出に対する罰金はすでに7億ドル支払っており、その時の約束条項をZTEが遵守していないとして、今回、難クセに近い米国によるZTEに対する強烈な制裁だった)。

ZTEは、今回、10億ドルのさらなる罰金で制裁は解除され、生き延びることができたが、中国のITメーカーのすべてがZTEと同じ境遇・環境にあることだけは間違いなく、華為(ファーウェイ)に至っては、これまで先進国のIT先端企業を買収して技術を取得してきたものの、すでに米国では小企業に至るまで買収の認可を米政府が下ろさなくしている。こうした動きは欧州にも共通している。
そのため、IT技術情報が限られるようになったことから、米トランプばりに中国の習近平は、自国に進出している欧米など先進国のIT先端企業に対して、技術情報の開示命令を出している。

しかし、欧米韓は猛反対、EUは拒否する一方、中国をWTOに知的財産権侵害で提訴した。
米トランプに至っては、知的財産権の侵害=301条適用し中国に対して制裁通告、やっと中国政府も技術情報は知的財産権であることが少しだけ理解できたようだ。(ただ、中国政府は中国進出企業に対して、技術情報のタダ取りを今後も要求し続ける。胡錦濤時代初期にも海外家電メーカーが中国に工場を建設するに当たり、当局は冷蔵庫やTVなどの設計図面を要求し、世界の国やメーカーから猛反発を浴び、それ以上要求しなかった経緯がある)

これまで中国は、IT先端企業の買収、ハッキングによる技術情報の盗み、産業スパイによるIT技術資料取得など、時間をかけず手っ取り早くIT技術情報を取得してきた。
ヘッドハンティングも以前から盛んに行っている。最近狙われているのは、サムスン電子の研究開発員たちが超高額で引っこ抜かれている。

中国にいくら中関村があってもIT技術そのものが開発されているわけではない。すべて応用で即・利に繋がるものばかりだ。

<ソフトバンクのARM中国と中国政府>
こうした中、ソフトバンクがIT開発技術の宝庫であるARMを中国に取り込んでくれた効果は計り知れないものになる。
今後、ARM中国で開発したIT技術は、ロイヤリティやライセンス料をARMに支払ったとしてもメイドインチャイナになり、米国と関係ない中国の独自技術となる。

そのため、ARM中国に対して、中国当局は、ZTEに見られるクアルコム、ブロードコム、インテルのチップの代賛チップ開発を当局が介入し、資金も提供して開発させる可能性も高い。

<中国当局、世界の半導体メーカー3社を独禁法違反で立入検査>
中国の独禁当局(反壟断局/はんろうだん)は、技術情報の開示をしない半導体メーカーのサムスン電子、SKハイニックス、米マイクロンに対して、メモリーチップ価格が高すぎるカルテルを結んでいるだろう。チップとほかの商材を抱き合わせて販売しているだろうと、各メーカーの中国事務所に調査に入った。
メモリーチップは、中国スマホ業界の台頭から、昨年初めから急速に品不足に陥り、価格が高騰している。世界最大の半導体メーカーであるサムスン電子も自社スマホならば、品不足を理由にすることは困難だろうが、世界市場でサムスン・スマホが中国勢に駆逐され、世界シェアを落とし続けている。自社製品向けチップの生産と他社販売用チップの生産も限りがある。今回の需給逼迫の最大の原因は、中国勢のスマホ販売数量の伸びにある。
ただ、中国勢は、半導体価格が高くなれば、生産コストが上がり、収益を悪化させることから、当局にこうしたメーカーの価格は高すぎると訴えているのも事実。
もしも中国メーカーが抱き合わせで購入させられていたと証拠を突き出せば、これらの3メーカーは莫大な制裁金が科せられることになる。

中国の独禁法違反の制裁金は、半導体の売上高を基準としており、2016年での課徴金規模は8億~80億ドル(約876億~8760億円)となる。2017年は半導体価格が高騰しており、その額は何割も増す。
当該の3メーカーは、中国当局の調査に全面的に協力すると表明しているが、内心不安でたまらないことだろう。

サムスン電子は今年はじめ、中国当局から半導体価格が高すぎるとして本社幹部が呼びつけられていた。ただ、半導体価格は世界の需給バランスで決定しており、サムスン電子は何も回答しなかったと見られる。そうしたことから、今回の調査になったと見られる。

今回のカルテル調査には関係ないが、LGディスプレイについても、LGの有機EL中国新工場建設に当たり、中国当局は技術情報を開示移転しなければ工場建設を認可しないとして許可していない。すでに工場建設に着手していた。
世界貿易2大大国の米国・トランプの貿易ルール無視と中国・習近平の知的財産権のタダ取りという、これまでの世界貿易ルールを完全に無視し、破壊し、自らの主導で再構築させるような一方的な動きは、世界貿易そのものの危機といっても過言ではない。

中国が南シナ海で、領有が世界から認められていない島嶼・それも貴重な珊瑚礁を一方的に埋め立て、要塞都市を建設していることと何ら変わりはない。
力を拠り所にしたおかしな首領たちにより、おかしな時代になってきた。

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[ 2018年6月 8日 ]

 

 

 

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