アイコン 米政府報告書 「知的財産権侵害」 「中国製造2025」 「千人計画」

 

 

米政府の貿易・製造政策局は20日、「中国の経済的侵略がどのように米国と世界の技術と知的財産を脅かしているか」と題するレポートを発表した。

この35ページの報告書によると、米国が大規模に投資して得てきたハイテク産業や知的財産を、中国は、物理的あるいはサイバー攻撃で盗み、あるいは技術移転強要などで不正入手していると報告。

被害の対象となっている技術カテゴリーは主に、中国が掲げているハイテク産業戦略「中国製造2025」に明記された
「人工知能(AI)」、
「航空宇宙」、
「仮想現実(VR)」、
「高速鉄道」、
「新エネルギー」、
「自動車産業」
などの分野となっている。

さらに、中国は同時に外国製品に対して高い関税、輸入制限や課徴金、煩雑な検査などの非関税障壁を設けていると指摘している。

外国企業が中国市場に参入することが規制され、また中国企業においても合弁企業の外資出資比率について49%の上限が設けられている。

また、海外の先端技術の研究者や専門家を高額報酬で中国に招き入れる「千人計画」のリスクについても言及している。

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<千人計画>
中国は、海外ハイレベル人材誘致「千人計画」を2008年から始動させ、中国共産党中央組織部がプロジェクトを実践している。
募集要項によると、55歳以下で国籍を問わず、著名研究機関の研究者や大手企業で上級管理職を経験した人物、また中国が求めるハイレベルイノベーション創業人材などを対象としている。
対象者は、かなりの厚遇で迎えられる。
中央財政からは対象人材に一人当たり100万元(約1400万円)の国家奨励金とする一括補助が受けられるほか、社会保障制度が適応され、配偶者の就業先や子女の就学も希望に応じて手配されるという。また、収入水準も雇用機関と協議できるとしている。

しかし、このたびのホワイトハウスの報告によると、この「千人計画」は、海外在籍中国人たちに対して「祖国に仕えよ」の共産党スローガンのもと、ハイレベル人材たちが海外で得た研究成果でさえも、中国共産党へ移転するよう要求しているという。

中国当局の2014年の発表では、「千人計画」の成果を強調している。
製造業戦略「中国製造2025」で示したようなハイテク産業では「多くの中国オリジナル・中国設計のものを生み出した」とし、さらに核技術、有人宇宙飛行、有人潜水艇、北斗衛星ナビシステムなど軍需産業などでは「技術的難関を突破した」とアピールしている。

{{「千人計画」では、最近は特に、最新半導体工場に向け、サムスンやSKなどの研究開発部隊から一本釣りしている。
これは、日本の小泉時代、聖域なき削減の企業版で、サラリーマン社長がハゲタカに脅され、利益を蓄積し、内部留保に務めるだけに集中し、労働者を正規をリストラし、非正規、派遣に切り替え、製造コストを大幅に減らし、また、開発研究部隊を大量に減らし、巨額利益が出る体質を作り上げた結果、先行き不安な人材の高額ヘッドハンティングやリストラにあった人材が大量にサムスンやLG、SK、ポスコなどに流れ、韓国勢の隆盛を演出させる原動力になった。
(その開発研究部隊を大量に減らしたことにより、日本企業の今日、世界技術水準に離され、技術開発力を失った体たらく経営が生じている)

中国の場合は、されに加え、世界中の先端企業をM&Aで傘下にし、その技術を中国勢に落とし込ませたことも成長エネルギーに貢献させた。
そのM&Aが欧米先進国から認可が下りなくなったことから、中国進出最先端企業に対して、技術情報を提供せよと迫るという強引殺法に転じている。こうした中国に対して、米トランプやEUが中国に噛み付いているもの。}}

この度のレポートは、中国の経済的侵略により、米国の600以上のハイテク資産、200億ドル相当が被害を受けていると報告した。
以上、報道参照、{{}}内はJC記者記載

EUも6月、WTOに対して、中国を知的財産権侵害で提訴している。

<LGに対する中国当局の暴挙>
韓国のLGディスプレイは、中国に有機EL工場の建設に入っているが、今6月、中国当局が技術情報を開示しなければ、工場建設を認めないとして、計画が宙に浮く事態に追い込まれている。

LGが今回中国に進出するに当たり、韓国政府と協議、やっと政府が進出を許可した経緯がある。なぜなら、当有機ELは韓国政府機関と共同して開発したものであり、海外での生産は韓国政府の認可が必要。
当然、韓国政府は、技術流出を懸念して念入りの協議となっていた。その懸念が、中国で認可から1ヶ月も経たず現実に的中した。

<半導体ビッグ3に対する恫喝>
また、一方で、半導体では、世界の最先端を競う、サムスン電子とSKハイニクス、米マイクロンを、半導体価格を談合カルテルによって高騰させたとして、各社の中国事務所に中国独禁法当局が調査に入った。
これも裏事情があり、「中国製造2025」政策に基づき、中国の半導体大手3社は、巨大工場を完成させている。しかし、試験生産に入っているものの、現世代の極細半導体製造技術は持たず、2019年に本格生産に入るとされているものの、間に合うか危惧されている。そこで、製造技術の伝授をこれらカルテル3社に裏取引を持ちかけているとみられている。

それでも、製造技術は多くの企業のパテントも入っており、もしも、こっそり伝授したとしても、その半導体は、中国国内製品に部材として入ってもバレないことから黙認、しかし、そうした半導体を使用した製品が海外へ輸出された場合、知的財産権侵害問題が浮上する。

<中国政府は、まず知的財産権を認めるべきだ>
中国は、いいころ加減、知的財産権について目を覚まし、正規にパテント所有会社に許可を取り、パテント料を正規に支払うべきで、それは当然のことだろう。また、今までのように、中国側が裁判で外資のパテントを認めても、その後、その外資に対して当局が、企業制裁するという汚い手は、けっして使うべきではない。

企業や研究機関が、膨大な費用と時間と試行錯誤を繰り返し、汗と涙の結晶として完成させたパテントだ。

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[ 2018年6月22日 ]

 

 

 

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