2000億ドル制裁では米消費者直撃も 衣料品・冷蔵庫など
アメリカ通商代表部は10日、トランプ大統領の指示をうけさらに6031品目、2000億ドル規模に10%の関税を上乗せする手続きに入ったことを明らかにした。
今回の対象には、電子製品だけでなく、豚肉などの食料品や衣類、冷蔵庫など、消費者向けの幅広い製品も含まれている。(中国は豚肉輸入国。輸出は一部の加工品だろうが、品目がかなり細かい)
しかし、中国が米国に輸出している2/3は米系企業が、中国で製造したり、させた分。結局、米企業の利益も損なうことになり、また米消費者や企業にそのツケが回されることになる。
6月15日に発動した301条500億ドル中国制裁
7月6日の340億ドル相当に対して25%追加課税制裁では818品目、航空や情報通信分野の製品や部品のほか、ロボット、産業機械など「中国製造2025」計画品もターゲットにしている。
7月中には、残り160億ドル、284品目に対して追加制裁する。
そして、今回の報復に対する10%追加課税制裁2000億ドル、6031品目、実施日未定。
トランプは7月5日、記者団に対し「2週間後16には160億ドルが追加され、2000億ドルが保留となっており、その後には3000億ドルが控えている」と述べている。
その上、232条制裁は、世界から輸入している自動車や部品に対しても制裁する調査に入っている。今月末か8月までに調査を終え、それ以降、そのときの気分でいつでも制裁できる体制をとっている。
今回のトランプの欧州歴訪で、気分を害した場合、確実に自動車制裁に入ることだろう。ただ、欧州委は、もしも米トランプが自動車制裁した場合、最大32兆円の米国からの輸入品に対して報復課税するとすでに警告している。
第2次世界大戦では、欧州戦線と極東戦線があった。トランプが自動車関税制裁をかけた場合、トランプの貿易世界大戦でも、まさに第2次世界大戦を髣髴させるものとなる。
すでに米232条制裁では6月1日に実施、これに対しEUは6月23日から米輸入品に対して報復制裁し、火花は切って落とされている。
不動産屋のトランプにとって、モノの世界物流がどうなっているのか知る由もない。自ら述べているとおり楽しいゲームに過ぎない。
第2次世界大戦と異なり、この貿易戦争には、米国に味方・同盟国はいない。
トランプは、昨年4月、中国の習近平が訪米、初のトランプン×習による米中首脳会談、その晩の晩餐会のお皿にシリアに対する59発のトマホークを盛ったことが、トランプの異常性を世界に露見させていた。