アイコン SK建設関係者は前兆で逃げ 村人が犠牲に 初期前兆は20日だった

 

 

SK建設が建設しているラオスのダムの決壊について「ダムが崩壊したのではなく豪雨でダムが氾濫した」と釈明していたことに対し、「責任逃れ」という批判が出ている。実際にはダム決壊の兆候を把握していたという。

AFP通信の25日は、SK建設側はダム上段部が流失したことを先週日曜日(22日)午前9時に発見したと明らかにした。ダム決壊は23日夜で24時間前となる。

SK建設側は「(発見後)直ちにラオス当局にこの事実を知らせ、村の住民を避難させ始めた」とし、「豪雨によって補修作業が遅れ、補助ダムが決壊する危険が高まると、23日朝からセナムノイダムの水を放流するしかなかった」と釈明したという(決壊の補助ダムだけではなく本ダムの水も放流?)。

実際、現場にいた韓国人はあらかじめ避難して無事だった。
CNNは24日、韓国人現場勤労者53人は全員が無事に避難していたと伝えた。

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AFP通信によると、ダム崩壊の兆候はSK建設が明らかにした以前から表れていた。SK建設と共にラオスでダム建設に参加している韓国西部発電は「20日に中央ダムで11センチの沈下現象が見つかった」と韓国に報告した。
AFPは、韓国西部発電の今回の事件に関する日誌を入手したと明らかにし、韓国西部発電もダム崩壊の兆候を先週から認知していた可能性を提起した。

実際、韓国西部発電のキム・ビョンスク社長は25日、国会の産業通商資源中小ベンチャー企業委員会で業務報告し、20日に沈下現象を確認したことを明らかにした。
22日にはダム上段部10ヶ所で沈下が発生して復旧装備を手配し、23日午前11時ごろダム上段部が1メートルほど沈下し、この時から避難協力を要請して住民の避難が始まったと説明した。

ダム崩壊でラオスの7つの村が浸水し、数百人の行方不明者、7000人の被災者が発生した24日、SK建設は「ダムが崩壊したのではなくダムが氾濫した」と釈明したが、後にダムの決壊を認めた。

SK建設は25日、公式的に立場を表明し、「セピアン-セナムノイ水力発電所の補助ダムの一部区間が短期間の集中豪雨で氾濫・流失してダム下流地域の村が浸水した。被害を受けたラオス現地住民と遺族に深い哀悼の意を表す」と明らかにした。
以上、
台風9号が7月22日、ベトナムを襲い32人が亡くなるなど多くの被害が出たが、ベトナム近隣の東南アジア(ラオスやカンボジア)は雨季(平均して6~11月)に入っており、停滞している低気圧が台風により刺激され、大雨をもたらしていたもの。
台風でベトナム中部から北部にかけ大雨をもたらしていたが、当然内陸部に位置するラオス全土も大雨となっていた。そうした雨がラオス最南部のメコン川流域に建設されているダムに集中したものと見られる。
当然、雨季に入れば、ダムは安全な範囲で放流を続け、貯水量を減らす必要があろうが、SK建設も電力会社も初めての経験であり、来年2月から営業運転予定でもあり、貯水量を増加させていたものと見られ、こうした大雨に耐えられなくなったのが、決壊した補助ダムだったと見られる。
ただ、20日にはすでに当該の補助ダムに陥没の兆候が見られていた事実が明らかになっており、施工方法に問題がなかったか今後、議論の対象となる。

当補助ダムは貯水池=アースダム(土を台形に盛り上げて造ったダム)とされ、セメントはおろか、土に凝固剤など使用もされていなかったと見られる。

その堰堤の一部が大量に押し寄せた豪雨の圧力に負け、決壊したものと見られる。ただ、20日あたりの雨は、台風の接近はまだなく、豪雨ではなかったと見られ、雨季に入った雨水で多くなった川水で造ったばかりの堰堤がすでに何らかの原因で、内部で崩壊が始まっていたものと見られる。

一連のダムの建設工事は5ヶ月間前倒しで完成し、試験貯水と豪雨および台風が重なり、徐々に増加させる試験貯水で修復可能な20日露見した問題が、修復や対策ができないまま満水状態に至り、問題部分が各所で発生し、決壊に至ったものと見られる。そうしたことからも堰堤の厚さや土質など工法そのものに問題があった可能性もある。

ラオスメコン川中流域で関西電力も水力発電ダムを建設中であり、当ダムも補助ダムを建設する予定になっている。2019年に営業運転開始とされ、すでに本ダムや補助ダムの工事は本格化しており、関西電力は日本のゼネコンに建設を依頼していることから、今回決壊したSK建設の施工ダムとその工法の違いなどが明らかになるものと見られる。

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[ 2018年7月26日 ]

 

 

 

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