アイコン 「北戴河会議」始まる 習氏への個人崇拝 影を潜む 米中貿易戦争批判か

 

 

習近平国家主席に対する批判的な記事は一切出さなかった中国共産党の機関紙人民日報とその姉妹紙の環球時報、しかし、最近は、いろいろな論評を掲載することにより、習主席に対し意見するなど大きな変化を見ている。

目先の経済を悪化させ、その後も得にならない米中貿易戦争は避けたいのが、長老たちの本音のようだ。

中国共産党の指導部メンバーや引退した長老らが河北省の避暑地「北戴河」に集まり、重要課題を非公式に議論する「北戴河会議」が事実上始まったもよう。

習近平党総書記(国家主席)の「強国」路線や個人崇拝の動きに対する批判が党内外で浮上する中、批判のきっかけとなった米中貿易戦争が最重要議題になりそうだ。

 対米貿易交渉は、本来、李克強首相が担当すべきであるが、習・李の派閥間軋轢から習が李を無視して、昨年の党大会で上位25人の政治局員に昇格させた劉鶴(習主席の経済ブレーン)を副首相に抜擢し、米国との交渉に当たらせた。

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しかし、5月に訪米した劉氏がまとめた制裁の棚上げ合意は、米トランプが反故にしてしまい、6月15日から貿易戦争に突入してしまった(340億ドル相当輸入制裁と報復実施は7月6日)。

中国内では「『強国』路線が、米国の警戒心を煽った」(大学教授)と戦略ミスを批判する声が強まっている。

背景には、米国との摩擦激化に伴う中国経済の減速懸念がある。

党政治局会議が7月31日、景気優先の経済政策に舵を切る方針を決定するなど、習氏サイドも批判を無視できない状況となっている。

強気の論調で知られる環球時報も今月1日付の社説で「戦略上、謙虚かつ、守りの姿勢を保持すべきだ」と軌道修正を促した。

習氏に対する個人崇拝への異論も7月以降相次いで表面化した。

習氏が描かれた看板に墨汁をかける動画が7月4日に公開されたほか、24日には、習氏の母校、清華大学の許章潤教授が論文で、「党メディアによる(習国家主席の)神格化は、極限状態。個人崇拝に急ブレーキが必要だ」と指摘した。また、今年3月の憲法改正で撤廃された国家主席の任期制限の復活も提言した。

党内で批判の矛先が向いているとされる宣伝担当の王滬寧政治局常務委員の公式発言は、6月26日を最後に伝えられていない。

北京市内では、習氏のポスターや習氏の名前を含む標語が姿を消すなど、個人崇拝の動きも抑制気味になっている。

北戴河会議の会場へ至る道路でも、各種スローガンから習近平主席の名がすべて外されているという。

江沢民一派の巻き返しというより、腐敗で汚れていない中国共産党の長老たちが動いているようだ。

習主席は、中央政治局常務委員=ピッグ7を無効化した王岐山(前常務委員)の№2の国家副主席としての起用など、権力を集中する習主席に対するけん制も強くなってきているものと見られる。

 

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[ 2018年8月 3日 ]

 

 

 

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