アイコン 7月の鉱工業生産指数 3ヶ月連続下回る 豪雨の影響も 詳細掲載

 

 

経産省が31日発表した企業の生産活動を示す7月の鉱工業生産指数は、平成22年を100とした指数で102.4となり、前月比で0.1%低下して3ヶ月連続で前月を下回った。
生産予測指数は8月が前月比5.6%上昇、9月が同0.5%の上昇となった。
経産省は、生産の基調判断を「緩やかに持ち直しているものの、一部に弱さがみられる」に修正した。

<西日本豪雨の影響>
最も低下寄与の大きかった輸送機械工業の生産計画は、7月初旬段階では前月比▲1%程度の低下見込んだが、7月実績段階では、普通乗用車、自動車部品類を中心に前月比▲4.2%と大きく下方修正された(8月実施の生産予測調査における、7月計画と実績のズレは、マイナス4.0%)。欧米向け輸出が低下したことに加え、7月の西日本豪雨の影響で生産が低下した(マツダなどの工場が一時ストップ、その後もサプライチェーンの部品が遅滞し、生産が大幅に減少した)。

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<半導体製造装置失速>
はん用・生産用・業務用機械工業では、「汎用・業務用機械工業」の生産計画は低下だったものの、「生産用機械工業」の生産計画が上昇だったため、合計では増産計画でした。
しかし、増産計画の主役であった、半導体・フラットパネル製造装置の生産回復の勢いが弱く、他の機械類の減産を補えなかった。
また、一部の建設機械類については、豪雨の影響で部品供給に支障があり、生産が低下した。

<鉄鋼は米制裁関税で対米輸出大幅減少>
さらに鉄鋼業は、元々、生産低下見込みだった。生産計画としては、前月比▲3%程度の低下見込んだが、7月実績段階では、前月比▲5.0%と大きく下方修正された(8月実施の生産予測調査における、7月計画と実績のズレは、マイナス3.2%)。
アメリカの鉄鋼輸入に対する追加関税の影響は出ており、7月のアメリカ向け鉄鋼輸出量は、前年同月比▲28%の大幅減となった。
アメリカの業界団体がまとめた資料でも、本年上期のアメリカにおける日本からの鉄鋼輸入は前年同期比▲14.3%減少となっている。
7月の生産低下寄与品目としても、アメリカ向け出荷に占める割合の高い鋼半製品や特殊鋼熱間圧延鋼材の生産が低下した。
また、低下品目の一部については、台風の影響で、工場操業に支障が出て、生産が低下した。

<在庫の減少進まず>
7月の鉱工業在庫は、指数値111.2、前月比マイナス0.2%と2ヶ月連続の前月比低下した。
生産が低下していると同時に出荷も低下しており、3ヶ月連続の生産低下が、在庫水準を大きく引き下げるという関係にはならなかった。
この在庫指数値は、今年2月の在庫指数109.9以来の「低さ」とはなったが、年初の109台から、113台にまで上昇した鉱工業在庫指数の「積み上がり」分の半分ほどが解消された状態に留まる。前年同月比プラスも10ヶ月連続となっており、在庫積み上がりの解消がなかなかされていない。
以上、経産省発表資料参照

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[ 2018年8月31日 ]

 

 

 

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