韓国 8月の青年失業率悪化、再び10%台に 就業者数増も3千人に悪化
韓国統計庁が12日発表した雇用動向によると、8月の失業率は4.0%で、前年同月比▲0.4ポイント悪化した。
若年層(15~29歳)の失業率も▲0.6ポイント悪化の10.0%と、8月としてはアジア通貨危機直後の1999年(10.7%)以来の高さとなった。
8月の就業者数は2690万7000人で、前年同月に比べ3000人増(7月は5000人)にとどまった。
この増加数は、韓国経済がリーマン・ショックの影響を受けていた2010年1月(マイナス1万人)以来の低水準。昨年は平均して(前年同月比で)毎月30万人増加していた。今年2月以降、10万人台以下に鈍化し、特にここ2ヶ月は連続で1万人を切った。
製造業で就業者数の減少が続き、8月も▲10万5000人のマイナスだった。
卸売・小売業が▲12万3000人減、
宿泊・飲食店業も7万9000人減
と大きく減った。
統計庁の雇用関連統計課長は「雇用誘発効果が高い自動車、造船業の不振が続いており、卸売・小売業など関連産業にも影響を及ぼしているようだ」と述べた。
8月の失業者数は113万3000人で、前年同月比13万4000人増加した。8月としては1999年(136万4000人)に次ぐ多さ。8ヶ月連続で100万人を上回っている。
<政府見解>
これについて、韓国大統領府の金宜謙報道官は12日、「実につらく困難な時期にある」とした上で「韓国経済の体質の変化に伴う痛みだと考える」と述べた。
以前に、文大統領が全幅の信頼を寄せている左派学者だった張夏成大統領府政策室長は、文政権の所得主導経済成長政策の基盤である最低賃金の大幅上昇(1月から16.4%)の効果は、年末までには必ず現れると発表している。ただ、来年も10.9%上昇を決定している。
韓国では人件費率の高い店舗など零細事業者(従業員5人以下)が500万人を超え、最低賃金の大幅上昇で耐えられず事業所閉鎖が相次ぎ、従業員の減員などを行い、失業者増、雇用減を招いている。
その対策として文政権は、公共部門の大幅増加を図っているが、それでも雇用増は僅少にとどまり、実質、2月からマイナスを続けているのが実情となっている。こうした公共部門の大幅増加は、近い将来、国も地方自治体も財政を苦しめることになる。
↓ 青年失業率の推移(但し7月分まで)
超短期のバイトや就職をあきらめた人などを含める欧州基準での青年失業率は20%を超える