欧州経済リセッションか イタリアも国債急上昇の混迷
米国が仕掛ける世界貿易戦争、既に世界経済はモノも為替も大混乱になっており、遅れて回復基調にあった欧州経済もリセッションした指標が出されてきている。
欧州連合(EU)統計局が12日発表した7月のユーロ圏鉱工業生産は前月比▲0.8%減と、市場予想(0.5%減)以上の落ち込みとなったほか、2ヶ月連続のマイナスとなった。
鉱工業生産は、フランスで前月比0.7%増加したものの、ドイツやイタリアが▲1%を超える減少となった。
前年比では▲0.1%減と、市場予想(1.0%増)に反してマイナスとなった。
生産指標は非常に振れやすい傾向があるものの、今回のデータがマイナスとなったことは成長鈍化の兆候を示している可能性がある。
イタリアでは、5つ星運動の選挙公約である最低所得保障のための100億ユーロをめぐり、トリア財務相を更迭する動きが、政権を担当している5つ星運動から出ているとして、国債価格の利回りが急上昇している。
イタリアは2012年、財政難でユーロ機構から支援を受け再建途上、景気は順次回復してきているが、国民は緊縮財政による公共機関の大リストラ、税増、公共サービスの低下などで不満爆発、こうした仕打ちをさせるユーロ機構に対して、反ユーロを掲げる5つ星運動が政権を握り、ユーロ機構と関係が悪化している。
イタリアは、ユーロ機構から脱退しても、しなくても財政難は横たわる。それとも中国から資金を導入して、中国の借金の漬物国、いや属国になるかしか救いようがないのかもしれない。
実際、米国から貿易制裁も受けており、欧州経済の低迷が続けば、イタリア経済の回復基調も頭を押さえつけられ、さらなる財政悪化(対GDP債務比率135%)を招くかなくなる。
これまでの政権による経済や財政無視の財政支出の結果、実質経済破綻となる欧州連合の支援を受け、財政緊縮による不満が国民に爆発しようと、政権に誰がなろうと大きく影響を与え続けることになる。
一方で、北アフリカに近いイタリアでも難民問題が大きく横たわり、その政策も国民の信認に大きく左右することは言うまでもない。イタリア現政権は難民船の寄港を追っ払っている。
ただ、今の難民船の難民は戦争による難民なのか不法移民者なのかまったくわからない。
中近東やアフリカでの戦争や内戦を早く終わらせ、難民を元の国に追い返すことが最善の方法だろう。それらの国に対して、EU加盟国やロシア・中国・アメリカ・韓国が5年間、通常兵器を売らなければ大半は達成できようが。欲得しかない国々であり実現不可能となっている。