長崎市生れの金久實京大教授をノーベル賞候補予測/米学術情報社 略歴 プロフィール
米学術情報会社クラリベイト・アナリティクスは20日、ノーベル賞・医学・生理学賞を将来受賞する可能性が高い研究者の一人に、1995年にゲノムなど分子レベルの大量データから生体システムの機能を解読するデータベース「KEGG」を開発した京都大化学研究所の金久實特任教授(70))を選んだと発表した。
金久氏は論文引用実績をたたえる「引用栄誉賞」を受賞している。同社は論文の引用数などを基にして2002年からノーベル賞受賞者を予測。これまで引用栄誉賞に選ばれた世界の300人のうち46人がノーベル賞を受賞している。日本人では26人のうち3人。
金久實氏の略歴・プロフィール
1948年1月23日、長崎市で生まれる
1975年、東大大学院理学研究科、東大理学博士
1976年、ジョンズホプキンス大学研究員
1981年、ロスアラモス国立研究所研究員
1985年、京都大学化学研究所助教授
1987年、京都大学化学研究所教授
2016年、京都大学化学研究所特任教授
現在、
京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター生命知識システム特任教授。
京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター長
特定非営利活動法人バイオインフォマティクスジャパン・理事長
有限会社パスウェイソリューションズ・取締役
<開発研究>
世界で発表された科学論文の結果などのデータを集めて統合し、さまざまな生命現象ごとにタンパク質や遺伝子などがどのように関わっているのか相関関係を図で示した「KEGG(ケッグ)」と呼ばれるデータベースを開発した。
「KEGG」には、ヒトを含む約6000種類の生物について数千種類を超える生命現象や病気に関係するデータのほか、日本とアメリカで承認された延10万種類の薬の情報も入れられていて、新たに発見された遺伝子やタンパク質の機能を予測したり、薬の開発に役立てられたりしている。
グラフアルゴリズム、カーネル法等新しいバイオインフォマティクス技術開発
ゲノム情報、化学情報、ネットワーク情報の統合解析による生命システムの機能解読
生命システム情報統合データベース「KEGG」開発