売れなくなったアメリカ自動車市場 9月▲6%減、3ヶ月連続マイナス
トランプ貿易戦争は、米自動車メーカーも大きな打撃を受けることから、カナダとメキシコ産については、関税をかけないことで新NAFTAが合意となった。その恩恵は、工場進出している日本勢や韓国勢にもメリットが高いが、まだ、日本を含めほかの国は決着しておらず、特に部品は今や世界中にサプライチェーンが張り巡らされており、米メーカーにも影響を与える。
米の対中貿易戦争では、中国の報復制裁により、米自動車メーカーやドイツ勢が米国で生産し中国へ輸出している車両が打撃を受けるものとなっている。すでに中国では米系自動車の不買運動も展開されているようだ。
米国の景気は、バブリィな証券市場も含めて空前の景気となっているが、自動車販売については、2016年を境にして停滞・ピークアウトしている。今年の所得税の大幅減税効果はいつまでも続かず、自動車販売台数だけ見れば、現状維持でほとんどその効果を見出せない。
原油価格の高騰が販売台数の頭を抑えている可能性もある。
また、貿易戦争の成り行きに購入を控えているのかもしれないが、貿易戦争では逆に駆け込み需要が発生してもおかしくないのであるが、現実は7月からマイナスが続いている。
9月の米自動車メーカー別販売台数ランキング
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|||||
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2018年
|
販売台数
|
前年比
|
1~9月
|
前年比
|
総販売台数
|
1,432,069
|
-6.0%
|
12,895,511
|
0.2%
|
|
セダン
|
440,075
|
-20.7%
|
4,176,305
|
-13.8%
|
|
SUV+P/U
|
991,994
|
2.4%
|
8,719,206
|
8.6%
|
|
9月のアメリカのメーカー別時当社販売台数
|
|||||
|
2018年
|
9月
|
1~9月
|
||
順位
|
|
販売台数
|
前年比
|
販売台数
|
前年比
|
1
|
GM
|
234,043
|
-16.2%
|
2,166,938
|
-1.2%
|
2
|
Toyota
|
203,098
|
-10.4%
|
1,824,235
|
-0.4%
|
3
|
FCA・クライスラー
|
199,819
|
14.7%
|
1,679,983
|
6.4%
|
4
|
Ford
|
196,496
|
-11.3%
|
1,878,653
|
-2.4%
|
5
|
Honda
|
132,668
|
-7.0%
|
1,206,997
|
-2.0%
|
6
|
Nissan
|
122,819
|
-12.2%
|
1,124,682
|
-6.0%
|
7
|
Hyundai
|
57,359
|
0.6%
|
501,701
|
-2.0%
|
8
|
Subaru
|
57,044
|
3.5%
|
503,418
|
5.1%
|
9
|
Kia
|
51,503
|
-1.8%
|
452,042
|
-1.3%
|
10
|
Mercedes
|
30,617
|
-4.6%
|
253,414
|
-5.3%
|
11
|
VW
|
30,555
|
-4.8%
|
266,228
|
5.5%
|
12
|
BMW
|
25,908
|
1.3%
|
225,065
|
2.2%
|
13
|
Mazda
|
21,257
|
-17.4%
|
235,122
|
6.7%
|
14
|
Audi
|
19,319
|
0.1%
|
167,389
|
4.0%
|
15
|
Tesla
|
14,100
|
320.9%
|
64,150
|
92.8%
|
16
|
Volvo
|
8,715
|
10.3%
|
73,929
|
29.8%
|
17
|
Mitsubishi
|
7,705
|
-8.6%
|
93,398
|
17.9%
|
18
|
Land Rover
|
6,966
|
8.7%
|
65,133
|
19.6%
|
19
|
Porsche
|
5,102
|
0.8%
|
42,626
|
3.4%
|
20
|
MINI
|
3,461
|
-7.4%
|
34,193
|
-1.7%
|
21
|
Jaguar
|
2,040
|
-38.1%
|
21,176
|
-29.9%
|
22
|
smart
|
98
|
-59.3%
|
959
|
-63.6%
|
30
|
Others
|
1,377
|
-16.9%
|
14,080
|
-7.9%
|
総計
|
1,432,069
|
-6.0%
|
12,895,511
|
0.2%
|
車種別では、米国ではセダン型が実用性の面から敬遠されて久しく、その傾向は衰えていない。
米国の年間販売台数推移
2015年は前年比5.7%増の1,747万台、
2016年は同比0.4%増の1,755万台
2017年は同比▲1.8%減の1,723万台
2018年の1~9月は0.2%増の1,289万台
ただ、大型のP/Uトラックを得意とする米3大メーカーもFCAクライスラーだけが全体が落ち込む中、伸ばしており、モデルの新旧や人気モデルかどうかも左右しているようだ。
テスラは週産3500台ラインをやっと達成していたものの、今度は完成車の物流に問題を抱えている。週産は今後5千台まで引き上げることから、物流が整えば、さらに販売台数も多くなる。
日本勢は保守的なセダンに力を入れることから、大きな伸びは期待できなく、セダンの凋落により全体を落としている。それでもSUV系統が下支えている。