フォード 110億ドル規模の人員削減リストラへ 2万人削減か
米フォード・モーターは7万人の正社員に対し、110億ドル(約1兆2500億円)規模のリストラ計画の一環として人員削減を実施する方針を通知した。
世界で20万2000人の従業員を抱えるフォードが、2万人余り削減する可能性があるとの見方がなされている。
フォードは正社員の具体的な削減数や非自発的な離職を伴うかどうかは明らかにしていない。財務への影響や、人員整理に伴う費用を計上するかどうかなども分からない。
同社は、5日、世界の正社員の組織再編に向けた初期段階にあると従業員に伝えたと説明している。
より幅広くフラットな組織に徐々に変えていくことが目的で、「それがある程度の人員削減につながることは不可避だと考えているが、現時点で目標は設定されていない」としている。
フォードは、7月に2018年の利益見通しを下方修正。ジム・ハケット最高経営責任者(CEO)が当時、リストラ計画を発表したが、コストを110億ドルとするだけで詳細は明らかにしなかった。
2017年のフォードの世界販売台数は、前年比▲0.7%減の660万台だった。ただ、米市場で大型のPUトラックFシリーズが好調で大幅に利益率を回復させていた。そのFシリーズに陰りが出ているのだろうか。
米市場の販売台数は、ここ1年以上ピーク状態にあり、伸びていない。その影響は、インセンティブ販売の競争激化となっており、各メーカーが営業利益を落とす原因となっている。
GMも米市場で今年9月までの累計では、▲1.2%減の216.6万台となっており、米トランプが仕掛けた貿易戦争で中国では不買運動にさらされ、さらにリストラ費用を韓国政府に出させて延命させた韓国GMも2桁世界販売減となっている。
米自動車勢が不振となれば、当然、リストラにより雇用は減り、トランプ自らが、販売対数が伸びていなくとも日本からの輸入車タタキの先頭に立つ可能性もある。
<米市場におけるフォードの販売状況>
2018年は1~9月までの累計値。
米市場におけるフォードの販売状況
|
||||
|
フォード
|
米市場全体
|
||
|
台数
|
前年比
|
台数
|
前年比
|
2012年
|
2,250,165
|
|
14,491,873
|
|
2013年
|
2,493,918
|
10.8%
|
15,600,199
|
7.6%
|
2014年
|
2,480,942
|
-0.5%
|
16,522,000
|
5.9%
|
2015年
|
2,603,082
|
5.3%
|
17,479,469
|
5.7%
|
2016年
|
2,599,211
|
-0.1%
|
17,550,351
|
0.4%
|
2017年
|
2,575,200
|
-0.9%
|
17,230,436
|
-1.8%
|
2018年
|
1,878,653
|
-2.4%
|
12,895,511
|
0.2%
|