アイコン 韓国経済の新リーダーとなる洪楠基氏 問われる牽引力

 

 

洪楠基氏(ホン・ナムギ/58)は、漢陽大学卒、旧経済企画院に入所、企画財政部政策調整局長などを経て、朴槿恵前政権で大統領府企画秘書官と未来創造科学部(現在の科学技術情報通信部)第1次官を歴任。文政権で国務調整室長に就任した。
大統領府の国家安全保障会議(NSC)常任委員会のメンバーでもある。
李洛淵首相が、洪楠基氏の部署間業務調整能力を高く評価し強力に推薦。漢陽大学同窓の任鍾皙大統領秘書室長とも近い関係にあるという。
そのリーダー力は・・・

<経済 ワントップ体制に移行>経済官僚出身者に一任
今回(11月9日)、文政権の経済政策をリードしてきた金東ヨン経済副首相と張夏成大統領府政策室長を同時更迭した文大統領、これは自ら、経済政策を2トップにおいたことに起因し、実務の官僚出身の金氏に対して、文大統領の信任が厚い左派学者出身の張氏との現実の経済指標に対する評価問題での対立があり、それがマスコミにより大きく取り上げられたことから、自らのイメージダウンを払拭するため、両者を退任させ、ワントップの経済推進者として洪楠基氏を起用したものである。

<期待できそうもない洪楠基氏>
しかし、要領の良さで生き延びてきたようで、リーダーシップに問題を抱えているようだ。
2017年7月24日には、洪楠基国務調整室長は、(原発問題で)「『市民陪審団』が下す決定をそのまま受け入れたい」と述べた。

2017年12月、仮想通貨について、「仮想通貨は法定通貨ではなく、大幅な価格変動、投資詐欺、取引所を狙ったハッキングの危険性を繰り返し警告したにもかかわらず、・・・」と閉鎖方針を打ち出したが、その後、ろうそく民心隊の反対により撤回している。
・・・つまり、ろうそく民心隊の言うとおりにするということ。

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文政権の「所得主導成長」は、修正されることはなく、文氏のご機嫌取りに終始し、いくら根回し上手だとしても、文政権内は組合利権も絡む強固な反対論者ばかり、規制改革は進めようがないだろう。

ましてや、文大統領は公約であるILOの主要8協約のうち、まだ、批准していない「結社の自由」と「団結権・団体交渉協約」、「強制労働協約」、「強制労働撤廃協約」を批准しようとしている。
現代自動車のように国民を全員、労働貴族にしてしまいたいのだろう。
ただ、製品価格は市場原理で決定され、コスト上昇により韓国の製造業者は韓国を捨てるしか生き残れなくなるのだが・・・。
コントパフォーマンスで売れている韓国製品、コスパが剥落すれば、現代自動車のように売れなくなる。中国勢も迫ってくる。
中国とはFTAを締結しており、キムチのように大量にコストパフォーマンスの中国製品が押し寄せるようになる。
韓国製は、世界市場からも退場させられる。
ただし、韓国企業がベトナムなど東南アジア各国で生産している製品は、韓国製ではなく価格競争力もあり生き残る。

文政権は「所得主導経済成長」による再分配政策。
最低賃金を大幅に引き上げ、労働時間を短縮し、非正規雇用を正規雇用に転換。
国民の所得を増加させ、国内の消費を活性化させ、経済を成長させるという内需主導型モデルへの転換。
大企業の輸出と投資に頼る過去の成長モデルから大きく舵を切ったが、狙いとは逆に、低所得者の状況を悪化させ、中小企業の人員解雇を引き起こし、大企業の投資抑制を招いている。
こうした政策を維持しながら、どう経済を回復させるのか見えてこない。
雇用にしても、公共機関で大量に雇用させ、また、財閥改革対象の財閥に雇用拡大をお願いしている有様。文政権は2022年まで続く。
その重い解決策が洪楠基氏に求められている。

文大統領の所得主導成長における企業・労働政策は、
1、最低賃金(全国一律)を20年までに1万ウォンに引き上げる。
2017年(決定は朴政権) 6,470ウォン(1ウォンは0.1円)
2018年(文政権) 前年比16.4%増の7,530ウォン
2019年(決定済)前年比10.9%増の8,350ウォン
(日本は加重平均848円(都道府県単位で737円~958円)(2018年10月1日からの分))
2、労働時間:週60時間を52時間に(強制、実施済み)
3、非正規雇用の正規職化(大手企業には行政指導中)
4、雇用創出につながる経済建設
5、ILO残り4協約を批准へ
6、大企業の法人税、22%から25%に引き上げ、実施済み
7、公正な競争(含む財閥改革)
8、イノベーションを通じた成長(規制改革)
など、

賃上げによる中小企業救済策、就職者給付金、公共機関での数万人単位の大量採用、こうした後ろ向きの雇用対策にこれまで3~5兆円使用しており、この資金を公共投資等前向きに使用していたら、少しは経済が前に向いていたことだろう。

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[ 2018年11月10日 ]

 

 

 

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