アイコン 電機7社の18年3月期と19年期予想比

 

 

東芝を除く電機大手7社の2018年4~12月期連結決算が、日立製作所など5社で前年同期に比べ純利益が減益となった。
ソニー、パナソニック、三菱電機、シャープは米中貿易摩擦による中国の景気減速を主因に、19年3月期の業績予想を下方修正した。
ソニーは、中国の需要減について「今後も続く」と慎重な声。

<米中貿易戦争の成り行きしだい>
米中貿易戦争、オバマ時代から景気回復していた米国経済は、トランプの大減税政策効果により消費に火が付き景気が拡大する一方、中国は国策で景気を支え続けていたものの米国から仕掛けられた貿易戦争の直撃を受け急減速している。

中国の手立ては2つ、早期に貿易戦争を終結させること、も一つは大減税だろう。ただ、大減税はタイミングが遅すぎた場合、効果が半減するおそれがある。チマチマ減税も効果をもたらさない。自動車など経済波及効果の高い分野から減税が必要だろうが、米トランプ政権並みの大胆な大減税が望まれよう。

足下の米中貿易戦争の協議は、最終局面にあるとされるが、トランプは来年の大統領再選挙を控え、選挙戦に有利な最善の方法を選択すると見られ、新たに何を言い出すかわからず未知数。

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和解すれば、明るい展望が開け、米国経済は落ち込まず、中国が米製品を大量に買付けすることからさらに景気拡大、加速の可能性もある。中国経済も回復に転じるものと見られる。

最悪パターンは、ハルマゲドンの2670億ドルの追加制裁に至るケース、その前に現制裁2000億ドルの更なる追加関税、猶予されている10%を25%に引き上げ、その次に2670億ドルの番となる。ただ、2670億ドル分は米企業が直接間接中国で製造している米国向け輸出品であり、米国の消費者を直撃することになる。
インフレが再燃しFRBが再度動き出し金利高で抑制に走り、米企業も消費者も金利高で支えきれなくなり、景気は調整される。
しかし、そうなればトランプ再選が難しくなり、和解の方向で動くものと見られる。

ただ、トランプは米中貿易戦争で何をしたかったのか見えてこない。単に対中赤字を減らしたかったのか、知的財産権問題は宙ぶらりん、中国は軍事力強化・借款漬物の一帯一路戦略は進めたまま、自国の大気汚染どころか、後進国への公害輸出国でもある。南シナ海も要塞の強靭化をし続けている。
餌食にしているファーウェイ(華為科技)だけでは何も起こらない。ファーウェイは5Gでは最先端を走り、特許件数も28%の筆頭を占め、欧米韓の企業が相互利用で和解するしかないのが実情。娘を監獄に入れれば、相手社にその特許を使用させない可能性すらある。

日本の電機業界は、極一部の領域を除き世界No1プレイヤーがおらず、韓国勢のスパイに仕事をさらに奪われ、中国勢がスケールで市場を駆逐してくることから、前途多難としか言いようがない。利益最優先で開発研究をおろそかにしてきたサラリーマン経営者たちの愚かなツケは、今後甚大な影響をもたらしてくる。円安こけたら皆こけたになる可能性が濃い。米経済が拡大し続けることを祈るしかない。

19/3期 電機7社の決算予想(東芝除く)
 
売上高
営業利益
最終利益
連結
/億円
前年比
/億円
前年比
/億円
前年比
日立製作所
18/3
93,686
2.3%
7,146
21.7%
3,629
57.0%
当初予
94,000
0.3%
7,500
4.9%
4,000
10.2%
19/3
94,000
0.3%
7,500
4.9%
2,900
-40.9%
ソニー
18/3
85,439
12.4%
7,348
154.5%
4,907
569.7%
当初予
87,000
1.8%
8,700
18.4%
7,050
43.6%
19/3
85,000
-0.5%
8,700
18.4%
8,350
70.1%
パナソニック
18/3
79,821
8.7%
3,805
37.5%
2,360
58.0%
当初予
83,000
4.0%
4,250
11.7%
2,500
5.9%
19/3
81,000
1.5%
3,850
1.2%
2,500
5.9%
三菱電機
18/3
44,311
4.5%
3,186
18.0%
2,718
29.2%
当初予
45,100
1.5%
3,050
-6.9%
2,400
-6.2%
19/3
45,000
1.3%
2,850
-13.0%
2,250
-12.0%
富士通
18/3
40,983
-0.8%
1,824
55.4%
1,693
91.4%
当初予
39,000
-4.8%
1,400
-23.3%
1,100
-35.0%
19/3
39,000
-4.8%
1,400
-23.3%
1,100
-35.0%
NEC
18/3
28,444
6.7%
638
52.6%
458
68.0%
当初予
28,300
-0.5%
500
-21.7%
250
-45.5%
19/3
28,300
-0.5%
500
-21.7%
250
-45.5%
シャープ
18/3
24,272
18.4%
901
44.3%
702
-
当初予
26,900
10.8%
1,120
24.3%
900
28.2%
19/3
25,000
3.0%
1,070
18.7%
900
28.2%
・19/3期決算予想は第3四半期決算発表時のもの。
 
電機7社の第3四半期決算 特記事項
 
伸び率減少、減収減益の主要因
日立製作所
中国:高機能材料、オートモティブシステム減、英原発減損
ソニー
中国:スマホ・FA用・監視カメラ用不振によるCMOSセンサー減
パナソニック
中国:産業用モーター、スマホ部品不振
三菱電機
中国:産業メカトロニクスや電子デバイス不振
富士通
事業再編、PC事業譲渡損
NEC
売り上げ、営業利益は前期並み
シャープ
IOTデバイスとディスプレイが減

 

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[ 2019年2月 5日 ]

 

 

 

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