アイコン WTO機能停止 上級委員の任命に米トランプ政権反対

Posted:[ 2019年12月11日 ]



世界貿易機関(WTO)で10日、「最高裁判所」に相当する上級委員会の2人のメンバーの任期が満了を迎えた。11日からは1人となる。

国どうしの通商紛争の審理が事実上できなくなり、WTOの重要な柱である紛争処理機能が停止する。貿易の番人と言われるWTOの機能不全は、自由貿易体制に影を落とす可能性がある。
上級委(7人で構成、任期は4年間)は2017年から欠員が続いている。
WTOのルールでは一つの案件の審理には3人が必要。委員不足で上級委の機能が停止するのは、1995年のWTO発足以来初めて。

問題の背景には、米国が委員の補充や再任を拒否し続けていることがある。
米国は上級委が国内法の解釈にまで言及したりするなどして「権限を越えている」と批判する。
さらに、上級委は原則90日以内で最終判断を出さなければならない規則があるが、近年は1~2年以上かかっており、審理時間が長すぎることへの不満も募らせている。米国と欧州連合(EU)の司法観の違いも事態を難しくしている。



欧州司法裁判所などがあるEUは、むしろWTOの紛争処理の強化を訴え、上級委員の増員や任期延長を提案している。
司法が加盟国の主権に踏み込んでくることを批判する米国とは、真っ向から対立する。

WTOの決定は、加盟国の全会一致が必要で、米国が拒否している限り委員の選出ができない。
加盟国は上級委の機能停止の回避に向けギリギリまで話し合いを続けたが、合意には至らなかった。
10日、スイス・ジュネーブのWTO本部でアゼベド事務局長は「明日から新しい案件の審理はできなくなるが、加盟国は解決に向け協議を続ける。代替手段は残されており、これで終わりではない」と述べた。

自ら加盟国と集中的な協議を始める方針を示したが、このままでは事態の打開は極めて難しい。
当面は上級委で審理中の14の通商紛争は事実上、宙に浮くことになる。この中にはインドが日本の鉄鋼製品の輸入制限のため課した関税を巡る案件も含まれる。
ただし、任期中に手がけていた案件については、任期後も審理できる規定があるため、審理中の4件については続行される見通し。
残り10件と今後上訴される案件については、新しい委員が就任するまで放置されることになる。
WTOの紛争処理機能は、新しい貿易ルールづくり、各国の貿易政策の監視と並ぶ3大機能の一つ。

保護主義が第2次世界大戦の一因となったという反省から誕生したWTOの重要な柱になっている。
WTOは二審制を採用している。

1、ある国が提訴すると、まずは2ヶ国間で話し合う。
2、解決しない場合、第一審にあたる紛争処理小委員会(パネル)での審理に移る。
3、パネルの判断を不服としてどちらかが上訴すれば、上級委での審理が始まる。
上級委の結論が「最終判断」となる。
パネルの判断を受け入れずに、上級委での審理に移る案件は約7割にのぼる。
以上、

最近のWTOの委員会メンバーは、韓国の最高裁のように、どっかの国や地域の迎合型になっており、資質が問われ、WTO改革が課題となっている。
中国の知的財産権問題など、WTOが事前に勧告すべきものだろうが、紛争処理の機能しかない。その紛争処理にパネル2年、上級委2年の計4年もかかれば、世の中変わっている。最終判断の強制力もない。韓国は無視している。

ただ、アメリカのような、中国のような、貿易の保護主義がWTOルールに則っていなければ、WTOそのものも成立しない。大国を見て見ぬ振りをする委員会メンバーたちでもある。

第二次世界大戦の日本は、米(フィリピン)、英(マレーシア、インド)、仏(ベトナム)、蘭(インドネシア)の列強諸国に、中東からの原油輸入のシーレーンの封鎖に直面して開戦に至った。当時から戦争したがり屋の好戦国・米国の術中に嵌った。米国は大統領の支持率アップのために中東などへ戦争を仕掛ける国でもある。トランプは北朝鮮がロフテッド軌道で日本海に落下するICBM実験を敢行した場合どうすんだろ。まさか短距離ミサイルと言ってしまうのだろうか。
 
新冷戦時代を迎え、国際機関の機能と権限を強固にさせる必要があろうが、韓国の潘基文が韓国と中国からの縁故採用を続け国連さえ機能停止させてしまった。

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。