アイコン 富士フイルム ゼロックスとの契約解消へ ハゲタカニの拠点に化かすゼロックス

Posted:[ 2020年1月 6日 ]



富士フイルムホールディングスは6日、米ゼロックスとの事務機器の販売提携を2021年3月末で解消すると発表した。
子会社の富士ゼロックスはゼロックスのブランドを使えなくなり、社名を「富士フイルム ビジネスイノベーション」に変更する。
富士ゼロックスの25%の株式をゼロックスの持株を富士フイルムHDが買い取ることに合意したもの。
富士ゼロックスとその関連会社を総額2,300百万ドル(2,530億円)で買い取る。
富士フイルムHDが富士ゼロックスを所有する2500億円相当の株式を、富士ゼロックスが自己株式として取得し、富士フイルムHDは1890億円の売却益を計上する。ただし、連結子会社間のため自己消却され、連結決算には反映されない。

ゼロックスの2018年12月期の売上高は9,830百万ドル、そのうちの1兆円あまりは富士ゼロックスの売上高であり、ゼロックスはほとんどの売上高がなくなり、ブランド名と投資部門のハゲタカ機能だけが残る。



ゼロックスの純資産は、①10,483百万ドル、うち②6,641億円(2019年3月期)であり、富士ゼロックスの25%の持株の評価額は不明であるが0とした場合、①-②+2300百万ドルがゼロックスの純資産となる。
ゼロックスの大株主は、ハゲタカ投資ファンドを率いるカール・アイカーンと投資家のダーウィン・ディーソン。

経緯、
2018年1月、富士フイルムHDは、ゼロックスを買収して子会社化することを発表した。
2018年6月、ゼロックス経営陣も経営統合に合意していたが、売却価格に関してハゲタカの株主からが強く反発、統合合意を一方的に破棄した。
このため、富士フイルムがゼロックスを相手取って損害賠償請求訴訟を起こす事態となった。
2019年11月、富士フイルムがゼロックスから富士ゼロックスの株式を買い取り完全子会社化することで合弁を解消する合意が結ばれ、損害賠償請求訴訟も取り下げられることになった。

一方、ゼロックスはその発表に相前後して、ヒューレット・パッカード (HP) への買収提案を行った。買収原資には富士ゼロックス株の売却益を充てるが、hpの時価総額はゼロックスの3倍にも上り、これだけでは不足するため金融機関から資金融通の了解を取り付けたという。
この提案に対して、HPは「自社の価値を著しく過小評価している」として拒否し、逆買収の可能性を示唆する発表を行った。

現在、ハゲタカ支配のゼロックスとヒューレット・パッカード (HP) は大喧嘩中。
上場企業は株主の物=ハゲタカの物になった現在、資本主義自体が狂ってきている。

米国で販売するゼロックスは、富士ゼロックス(社名変更後)がOEM供給することでも合意していたはずだが・・・・
富士フイルムHDも、ハゲタカが巣食い主導権を握ったゼロックスには何の魅力もなく、せいせいしていることだろう。ただ、統合合意違反の裁判からして、高値買いしたかもしれない。


 

 


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