アイコン ジョイント・コーポレーション 見放したか・嘘ついたかオリックス,

東証1部上場のジョイント・コーポレーション(ジョイント)は、5月29日、負債総額約1,680億円(2社計)を抱え、会社更生法の適用を申請した。

同社は、90年代から事業を拡大、98年に株式を店頭公開、2001年には東証1部へ。マンション分譲と不動産流動化事業を手がけ、首都圏を中心にブランド名「アデニウム」シリーズの分譲マンションを展開、流動化事業(不動産転がし事業)では、新規や中古不動産を不動産ファンドや投資家へ売却して流動化させていた。米投資ファンドと不動産投資信託向けの賃貸マンション供給で提携するなど業容を拡大、2001年には(株)エルカクエイ(2000年2月会社更生法、現(株)ジョイント・レジデンシャル不動産、同時に会社更生法申請)の株式を取得して子会社化、その後のマンションブームに乗り、2008年3月期の売上高は連結1,877億85百万円を計上していた。
 しかし、2007年後半からはサブプライムローン問題により、転がしが難しくなり資金が固定化、不動産販売市況の悪化など事業環境は厳しさを増した。2008年9月には危機的状況に陥り、オリックスグループから100億円の出資と200億円の融資枠の緊急支援を受け、危機を脱したかに見えた。しかし08年9月のリーマンショック後、不動産市況は更に悪化、2009年3月期の連結売上高は1,195億83百万円まで下落して▲645億55百万円の欠損を計上した。

 オリックスは、系列のオリックス不動産と大京、当ジョイントの3社を統合する計画を持っていたとされていたが、あまりの事業環境悪化に融資枠200億円も含めて見直しを図ったものと思われる。当然、ジョイントに会社更生法を出させ、金融機関からの債務が身軽になったところでスポンサーになり、再構築をはかるしたたかな計画も見え隠れする。

 

2008年3月末の金融機関借入状況

金融機関借入額
百万円
みずほ
40,186
三井信託
19,295
関西アーバン
9,920
三菱東京UFJ
9,420
横浜
9,400
あおぞら
8,716
千葉
5,500
りそな
5,189
UBS
5,000
中央三井信託
3,374
       計
116,000

連結総資産(09/3)2,137億18百万円、自己資本234億05百万円、
有利子負債1,536億52百万円(社債類276億36百万円を含)。
連結借入総額:1,260億16百万円。期違いであるが08/3期1,160億円の主要銀行借入残。銀行からの借入率92.0%。
負債総額に占める金融機関等の焦付率91.45%。
 
[ 2009年5月30日 ]
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