アイコン 【解説】ニチオリについて

各種印刷および印刷紙の販売の(株)ニチオリ(東京都新宿区高田馬場1-29-1、代表:妹尾昭信)は8月2日決済不良を起こし、諸節百合子弁護士(電話045-671-9233)に一任した。負債総額約37億円。
妹尾社長は、2日に資金繰りの行き詰まりを表面化させ、諸節弁護士に今後の処理を一任したとされる。8月6日現在まだその方策が決まらず、諸節弁護士と経営陣が相談中。しかし、同社の従業員には会社から一切何も知らされていなかった。取引先や世間では、既に弁護士一任の情報が流れているにもかかわらず。不渡りとか破綻情報が流れた場合、一番先に取引先が支払いを求めて乗り込んでくる。納品物を引き揚げにかかる取引先等もあったりして、会社内は収拾が付かなくなり行き詰る。そうしたことから、経営陣は迅速に結論を出すべきである。

会社から何も知らされていない従業員にアドバイスした。諸節弁護士に可能な限り民事再生の適用申請をしてもらい、事業継続できるようにお願いするよう伝えた。
ニチオリの社員が連絡したかどうかは知らないが、殆どの企業が行き詰まりを表面化させる場合、結果的に社員を無視したケースが多すぎる。
会社は、代表者や株主の持ち物であろうが、それまで会社を存続させてきたのは従業員である。ニチオリの場合7月末の手形が不渡りになり、今後のことを弁護士に相談したようだが、調査会社に不渡りをすっぱ抜かれ、妹尾社長は問い詰められ、状況や負債総額等を喋ってしまったようだ。そして記事になる。
その段階でも妹尾社長は従業員に対して、説明すれば、少しは従業員のことを心配してくれていると従業員も思うだろうが、妹尾社長は何も知らせず、社員は一生懸命働いていた。


政治の凶作が続き、景気は悪化したままである。ニチオリが最悪の事態に陥った場合、従業員は路頭に迷う者も出てくるかもしれない。
ニチオリを取材して、経営者は最悪の事態でも従業員のことを念頭に動くべきではなか
ろうかとまた思った。今回の動きからニチオリの妹尾社長は、社長の資格なしと見る。民事再生を申請するにしても、従業員のため、債権者のため、妹尾社長は社長の座から降りるしかない。

資金ショートの原因は、
①急激な売上高の減少、08年12月期78億円、09年期47億円。
②焦付き発生、フィットネスクラブなどに数千万円焦げ付く
③昨年、海外の取引先に大量の滞留債権発生

 

[ 2010年8月 9日 ]
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