アイコン (株)はつかり麺/民事再生申請

麺類製造の(株)はつかり麺(埼玉県川越市南大塚2-5-1、代表:田口靖子)は7月26日、申請処理を平哲也弁護士(電話025-233-4115)ほかに一任して、さいたま地裁へ民事再生法の適用申請を行った。負債額は約22億円。

同社は明治16年創業の製麺業者。うどん・日本そば、焼きそば、ラーメンなどの麺類製造会社。大手スーパーなどを対象に業容を拡大、ピーク時は25億円以上の売上高を計上していた。しかし、デフレ経済・長引く消費不況により、大手スーパーからの単価安要請は厳しくなる一方、反面、小麦粉等の原料価格は高くなるばかり、価格転嫁どころか、これまで企業生命をすり減らしてきた。
同社は対策として、原材料・人件費などのコストが高く不採算の調理麺事業から撤退した。しかし、取引先には逆に信用不安を生じさせ、取引条件の変更等により資金繰りは一段と厳しくなり、今回の事態に至ってしまった。

 

以前の証券会社は目玉を抜くといわれていたが、今目玉を抜くのは大手スーパーである。大手スーパーと大きく取引するには、どれほどの利益が出せるか、その範囲内で値下げ圧力などにどれほど耐えられるかなど、いろいろな角度から調べ、取引を開始しなければ命取りになる。一度取引を拡大すれば、設備や人のコストもかかり、赤字になっても急に辞めることもできず、更には材料費の高騰も生じ、同社は赤字の垂れ流しになってしまった。

同社の民事再生の可能性は、7月からまた小麦粉が値上がりしており、大手スーパーへの納入品の利益次第であろう。企業は、売上高だけでは喰ってはいけない。利益が絶対必要である。
製造原価は企業努力で落としても限界がある。どれほど大手スーパーが原価を認めてくれるかであるが、そんなもの認めるスーパ―はいない。納品価格が安い製造会社から仕入れるものである。
 

[ 2011年7月27日 ]
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