アイコン 追報:さとうべネック/民事再生廃止・破産へ 今後貸付金回収が先決

元九州№2のゼネコン(株)さとうベネック(大分市金池町3-3-11、代表:大川義廣)は10月9日、東京地方裁判所において、再生手続き廃止決定を受けた。破産へ移行する。
 
同社は9月7日、東京地方裁判所へ民事再生法の適用申請を行い、同月19日に再生手続き開始決定を受けていたが、工事債権者の猛反発に合い、工事再開ができない状態となっていた。
負債額約44億円。
 
<ことの原因及び経過>
1、 (新)さとうベネックを債権回収機構お墨付きでハゲタカのネクスト・キャピタル・パートナーズが購入したことに始まる。
ネクスト・キャピタル・パートナーズは、マンション等開発物件などからの撤退、不採算物件の受注撲滅、それに伴う社員減・コスト減、給与減など行い再建させることに成功した。それを実行したのはさとうベネックの社長含めプロパー役員たちを筆頭とするプロパーの幹部社員たちであった。
最終利益が2期続けて出たため、ハゲタカのネクスト・キャピタル・パートナーズは、高値売却にかかった。
 
2、 本年2月29日売却された。売却先はダイセンビルディング(株)(ネクスト・キャピタル・パートナーズのHPリリースに総記載されている)という福岡でも殆ど知られていない中洲や銀座などに料飲ビルを所有する福岡でも殆ど名も知れぬ不動産会社(従業員6名程度)であった。
  売却価格は13億円前後とされ、ハゲタカのネクスト・キャピタル・パートナーズは高値売却で大儲けした。
 
3、 ダイセンビルディング(株)は購入代金を、SBIからの借入金に依存していた(ダイセンの担保提供の債務者には、ダイセンホールディングスとダイセンビルディングの2社となっていた)。しかし、金利が高いため、4月末に全額返済した。
ところが、その返済資金は、なんと再建途上のさとうベネックの運転資金から、ダイセンホールディングスが借り入れて返済したものであった。しかし、その後、ダイセン側から、さとうベネックに運転資金が返済されず、さとうベネックは資金繰りに窮し、8月20日決済手形をできず、不渡りを出す始末に陥った。 
それを遡る6月から7月にかけ、こうした運転資金流出に、プロパーの幹部社員や社長はじめプロパー役員が全員会社を辞めた。なかでも土木担当取締役の辞任の実態は、株主経営陣から、現場の些細な事故により首を切られたというものであったとされる。
それ以降、工事協力会社は工事を入らず(現場工事ストップ)、会社側に対し不渡り分の返済と財務基盤の確立を求めた。
 
4、 しかし、不動産会社の株主側経営陣だけとなったさとうベネックの経営陣は、9月7日民事再生法を申請して対応した。民事再生申請の説明会では、貸付金の返済には触れず、協力会社が工事に協力しないならば破産するという脅しにも似た説明もなされていた。
 
5、 当然ながら、先の全く見えない不動産会社の経営陣に対して、大きく焦げ付いた協力会社の各社は工事再開の協力要請を拒否し続けていた。
 
6、 そうしたことから、今回の民事再生の廃止に至った。
 
7、今後、さとうベネックから貸付金として株主関係のダイセン側に出た資金の回収があれば、かなりの配当金が見込まれる。
 しかし、回収できなければ、破産配当も多くを期待できなる状況には全くない。
 
8、 産管財人は、裁判官上がりの弁護士でもない限り、早期に処理しようとして適当に処理
をする。破産管財人に求められること=債権者が求めることは、資産持ちのダイセンビルディングと資産なしのダイセンホールディングスが一体であるということを立証することにある。
そうすれば、さとうベネックの財務資産に計上されているダイセン側に対する貸付金がある程度返ってきて、破産配当もある程度期待が持てることになる。債権者は破産管財人に立証させなければならないことはダイセンビルディングとダイセンホールディングスは一体であるということ一点に尽きる。その後は債権者側=協力業者側の相談弁護士に相談されたらよろしかろう。
 
ダイセン側はさとうベネックの買収はLBOであったなど寝言みたいなことを言っているようだが、LBOとは、買収側が、さとうベネックの会社資産や事業を担保として、金融機関から低利で借入れを行い、さとうベネックからの配当金やさとうベネックを再度売却して得る資金で借入金の返済を図るというものである。
 それまでメイン銀行であった大分銀行からは、貸付を受けられるどころか、逆に2~3億円の貸付金を引き揚げられ、債権者名簿にも載らない有様となっていた。
(本年2月29日に買収する時点で、銀行から借入をする約束を取り付けておくことが必要であった。SBIから一時的に借入れをするにしても、2月29日までに銀行と融資確約をすることが当然であった。・・・結果、2月29日の時点前には、銀行との借入交渉は何もしてなかった。)
 ダイセン側は買収にあたり、誰に相談したか知らないが、M&A案件に対しズブズブの素人に相談していたようだ。
 過去、九州№2であったさとうベネックもこうして完全に潰えた。
 

 

 

<ネクスト・キャピタル・パートナーズのリリース>

平成24 年2 月2 日

各位

ネクスト・キャピタル・パートナーズ株式会社

代表取締役社長 立石 寿雄

株式会社さとうベネックの株式譲渡に関するお知らせ

ネクスト・キャピタル・パートナーズ株式会社(以下「弊社」)は、弊社のファンドが筆

頭株主として保有する株式会社さとうベネック(以下「さとうベネック」)の普通株式をダイセンビルディング株式会社(以下「ダイセンビルディング」)に譲渡することで合意に達し、平成24 年1 月31 日、株式売買契約書に調印しましたのでお知らせいたします。

弊社は、平成19 年2 月28 日に事業譲渡方式により、ファンドを通じさとうベネックの

経営に参画し、会社の経営陣や社員と共に同社の企業価値向上のため様々な取り組みを行

いました。一時、事業再生途上でリーマンショック(平成20 年)を経験する等、困難にも

見舞われましたが、下記のように同社の事業再生に向けた諸施策が一定の成果を示すに至

っております。

平成21 年6 月期平成22 年6 月期平成23 年6 月期

(前期)

売上高128.6 億円119.9 億円103.5 億円

営業損益△3.0 億円5.3 億円2.5 億円

当期損益△6.0 億円4.1 億円1.3 億円

ダイセンビルディングは、福岡や東京を中心に、商業ビルやオフィスビルを数多く所有運営している会社であり、弊社はこの度の株式譲渡により、さとうベネックがダイセンビルディンググループの傘下で一層の発展・成長を遂げることを確信しております。

関係者の皆様方には、引き続きさとうベネックへのご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。以上

[ 2012年10月10日 ]
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